「イギリス料理はまずい」とよく言われますが、それはホント? イギリスの小説家、サマセット・モームは「イギリスでおいしいものを食べたければ、3回朝食をとればいい」と言ったほど、イギリスの朝食には定評があります。どんなメニューがあるのか?どこで食べられるのか? 本場の朝食をご紹介します。
フル・イングリッシュ・ブレックファストとは?
イギリスの朝食というと、ベーコンとソーセージ、卵などが一般的ですが、実はそれ以外のオプションいろいろあるのです。迷った場合は、フル・イングリッシュ・ブレックファストを! そうオーダーすると、卵は目玉焼きが2個、ベーコンとソーセージ、マッシュルームやベイクド・ビーンズ、焼いたトマト、トーストがやってきます。完食は無理かもしれませんが、残す勇気?で、ひととおり楽しんでみてくださいね!
私は、甘い煮豆のベイクド・ビーンズを、トーストに乗せて食べるのがお気に入りです。慣れてきたら「豆はいらない」とか「トマト抜きで」などと注文してみてください。
イギリスの定番朝食セット、トーストはラックに入れて運ばれてくる
食べ放題?のホテルもあり
ロンドンの高級ホテルや地方のマナーハウスホテルのメニューは?
ロンドンの高級ホテル「ランドマーク」の朝食は、朝から豪華に
ランドマークのエントランス
フルーツの種類も豊富
ト―ストにはバター&ジャムを
イギリスの朝食は、温かいメインを食べる前に、セルフ・サービスでヨーグルト、ジュース、フルーツ、シリアルなどを取ります。高級ホテルになればなるほど、その種類は豊富。これらを食べ終えたら、メインを持ってきてくれます。
また、一般的な朝食メニュー以外にも、以下のようなメニューもあります。いずれも時間と手間がかかるので、これらのメニューがあったら「このホテル、朝食に力を入れてる!」と思って、間違いないです。
・ポリッジ(カラス麦のミルク煮。甘味と塩味がある)
・エッグベネディクト(アメリカ発祥だが、イギリス人にも人気)
・キッパーヘリング(にしんの燻製を焼いたもの。日本人にはごはんが欲しくなる味)
・エッグソルジャー(棒状にカットしたトーストを半熟卵にからめて食べる)
The Dorchester London – 5-star hotel | Dorchester Collection
5 Star Luxury Hotel In London – The Landmark London
ロンドン超高級ホテル「ドーチェスター」のエッグ・ベネディクト
「エッグソルジャー」という卵料理
地方のB&Bの朝食
イギリスの地方にあるB&B(ベッド&ブレックファストの略。朝食付きの民宿の意味)では、とても家庭的なイギリス式朝食を出してくれます。料理上手なオーナーだったら、ローカルな野菜やハムなどを使った、その土地でしか食べられないものが出てくる場合も。
スコットランドやイギリス北部でよく出てくるのが「ブラッド・プティング」。豚の血が入ったソーセージです。イギリスのソーセージは肉が少なく混ぜ物が多いせいか、思ったより食べやすい味です。
取材で訪れたイギリス北部のB&Bは、オーナーがイギリス食器のコレクター
B&Bの朝食で出されるジャムは、ホームメイドのことが多い
目玉焼きは1個&焼き具合はウエルダンで、とお願いしたらそのとおりにしてくれた
中央にある黒いものが、ブラッド・プディング
コッツウォルズの料理上手なB&Bの朝食は、枝付きミニトマトのベイクがポイント
ロンドンの“グリーシー”カフェで
カフェといっても、パリのおしゃれなカフェではなく、ロンドンでは「定食屋」の意味も。ボリュームのある朝食を、リーズナブルな値段で食べることができます。日本でいえば、市場の近くにある食堂のようなイメージでしょうか。
大人気ドラマ『シャーロック』の主人公、ベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロックの行きつけの店「スピーディーズ」が、まさにこのカフェ。ちなみに、「グリーシー」とは、「油っぽい」という意味の俗語で、ボリュームたっぷり、油もたっぷり使ったカフェ料理のことをシニカルに呼ぶ場合に使われます。
ベーカー・ストリートでなく、実際にお店はユーストン駅近くにある
©Kiyomi Fujii
カフェの朝食は、シンプルかつボリュームあり
©Kiyomi Fujii
ロンドン一おいしい朝食は?
フル・イングリッシュ・ブレックファストのようなイギリス式朝食を、イギリス人は毎日のように食べているとよく思われがちですが、一般的に平日の朝食はシリアルかトースト、ヨーグルトぐらい。なにも食べないという人も多いようです。しかし週末はゆっくりと伝統的な朝食を食べたい! ということで、外食する家族も増えています。
なかでも「ロンドン一おいしい朝食を出す」と話題になったのがコンラン系ホテルの「バウンダリー」にあるレストラン「アルビオン」の朝食。イギリス式からフランス式など、いろいろなバリエーションの朝食を出してくれます。週末は朝から行列しています。
Home – Boundary London
ロンドン一の朝食
パンは焼きたて、マッシュルームは天然のもの。
ショップもある
週末の朝食時には、行列が
ベーカリーでの朝食も
ここ数年、ロンドンではおいしいベーカリーが増え、ベーカリー・カフェでの朝食も人気です。なかでも「ベーカー&スパイス」は、週末は家族連れでいっぱい! 日本にも支店がある「ル・パン・コーティディアン」はベルギー発のベーカリーですが、ロンドン市内のおしゃれエリアには支店が多数あります。朝食だけでなく、ランチや軽い夕食にもおすすめです。
Baker & Spice
Le Pain Quotidien – Bakery & Communal Table
ケンジントンにある「ベーカー&スパイス」
朝からデニッシュなど、甘いパンを食べる人も多い
サウス・ケンジントンにある「ル・パン・コーティディアン」の朝食メニュー
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