成馬零一

成馬零一

ドラマ評論家

1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。WEBマガジン「ich」(イッヒ)主催。主な著作に『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の評論家』(河出書房新社)がある。
https://twitter.com/nariyamada
https://note.mu/narima01

  • ドラマ「コード・ブルー」が描く「仕事に対する哲学」に共感する

    医療ドラマは今のテレビドラマにおいては刑事ドラマと並ぶヒットコンテンツで、毎クール、必ず一作はあるような状態が続いている。フジテレビ系の「月9」で放送されている『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』も今回で三作目となる人気シリーズだ。フライトドクターという特殊な仕事を描いているが、根底にあるのは、真剣に働いている人なら誰もが共感できる「仕事に対する哲学」である。

    2017年8月28日

    コラム

  • ドラマ「ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編」骨太に描かれる若者の“労働観”

    昨年、日本テレビ系で放送され話題となった連続ドラマ『ゆとりですがなにか』の続編、『ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編』。『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』といった20代の若者たちを主人公にしたポップな群像劇を得意としてきた宮藤が、大人と若者の狭間で悩む青年たちの葛藤を正攻法で書ききったことには、作家としての成長を感じさせる。何より、近年のテレビドラマでは中々描かれることが少ない「若者にとっての『働く』とはどういうことか」が、しっかりと描かれていたのが、本作の素晴らしさだ。

    2017年7月7日

    コラム

  • ドラマ「架空OL日記」を見て、OLの日常をしみじみ味わう

    「会社のOLが何を考えているのか、イマイチよくわからないんだよね」ーーそんな悩みを抱えている管理職の男性に是非見てほしいのが、ドラマ『架空OL日記』だ。本作は、お笑い芸人のバカリズム(升野英知)が原作・脚本を手がける連続ドラマだ。

    2017年6月16日

    コラム

  • ドラマ「小さな巨人」 に見る、組織内派閥抗争の行方

    TBS系の日曜劇場で放送されている『小さな巨人』が佳境に入り、盛り上がってきた。刑事ドラマは『踊る大捜査線』以降、警視庁と所轄という警察内の階級が生み出す縦割り問題を通して、会社組織の中で働く公務員としての刑事たちの葛藤を描いてきた。本作もその流れを汲む作品で、警察組織の派閥争いに苦しめられながらも警察官としての使命をまっとうしようとする刑事たちの姿が、同じように会社の派閥争いに頭を悩ませている中高年の男性視聴者から高く評価されている。

    2017年5月28日

    コラム

  • NHK大河「おんな城主 直虎」幻想的なおとぎ話のなかの生々しい経営ドラマ

    幼少期から丁寧に物語を積み上げてきたNHK大河「おんな城主 直虎」。百姓たちも含めた、井伊家という小さな家族をいかにして守るのか? というテーマが見えてきたことで現代的な会社経営の話となってきている。幻想的なおとぎ話と生々しい経営ドラマという絶妙なバランスを保ちながら、今までとは違う大河ドラマの流れを切り開こうとしている。

    2017年4月23日

    コラム

  • 朝ドラ「べっぴんさん」に見る、うまくいく “両輪経営”

    連続テレビ小説『べっぴんさん』(NHK)は、仕事と子育てに奮闘するお母さんたちの姿が描かれたドラマだ。神戸にある子供服専門店の創業者のひとり、坂野惇子の半生をモチーフに作られた本作は、「キアリス」という会社の成長物語でもある。靴店の一角を借りて始めたお店が、少しずつ大きくなっていき、それにともなって組織として変化していく様は、経営モノとしても見どころ満載である。

    2017年1月31日

    コラム

  • NHK大河『真田丸』最終回にビジネスパーソンが学ぶべきこと

    日曜夜8時から一年間にわたって放送されてきた大河ドラマ『真田丸』(NHK)が、12月18日、ついに最終回を向かえる。

    2016年12月16日

    コラム

  • アニメ『舟を編む』に見る“会社のチームプレー”の素晴らしさ

    『君の名は。』の大ヒットを筆頭に『聲の形』や『この世界の片隅に』など、アニメ映画の話題作が今年は多数登場したが、今や実写よりもアニメの方がリアルな風景描写や人間同士のお芝居を丁寧に描くことができるという逆転が起こりはじめている。『舟を編む』はその極致とでも言うような作品だ。辞書編集部に様々な人々が結集し、辞書作りという一大プロジェクトを10年近い年月をかけて成し遂げる姿は、『プロジェクトX』のようでドラマチックだ。

    2016年11月23日

    コラム

  • ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に見る“契約”の価値観

     秋クールの新作ドラマが出揃ったが、一番の注目作は『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)だろう。TBS系で夜10時から放送されている契約結婚をモチーフとしたドラマだ。本作には、夫婦を会社に見立てることで、お金が介在する雇用主と従業員の関係と、お金が介在しない男女(あるいは家族)の関係を対比することで、現代を生きる男女にとっての労働や結婚に対する考え方を揺さぶる思考実験的な面白さがある。

    2016年10月25日

    コラム

  • ドラマ『HOPE~期待ゼロの新入社員~』に見る、上司と部下の関係

    今の時代、会社をドラマで描くことはとても難しい。年功序列・終身雇用が当たり前だった昭和の時代と違い、バブル崩壊以降は、正社員と派遣社員、男と女、日本人と外国人といったそれぞれの立場によって就労環境は全く異なるため、会社のイメージもそれぞれバラバラだからだ。

    2016年9月16日

    コラム