このテクノロジーがすごい! SDGsで最先端を走る日本の中小企業

AI水循環システム、生ゴミからバイオガス/新価値創造展2019

2020年2月10日
地球市民としての企業が果たすべき国際的ガイドラインであるSDGs。いま、日本の中小企業がその最先端を走っています。世界に誇れるテクノロジーを「新価値創造展2019」から見つけ出します。
 企業が成長するためには、新たなアイデアによる価値の創造が欠かせませんが、アイデアや価値は必ずしも革新的なものである必要はなく、むしろ身近にあるものの掛け合わせによって生まれたアイデアがヒットした事例も数多くあります。

 そんな新しいアイデアや技術を持つ中小企業を中心に、新製品開発や販路拡大の支援を目的とした「新価値創造展2019(第15回中小企業総合展 東京)」が2019年11月27~29日の期間、東京ビッグサイトで開催されました。

 2019年のテーマは「生産性向上、SDGs」。近年世界的な課題となっている生産性向上と、地球市民としての企業が果たすべき国際的ガイドラインであるSDGsをテーマに、「産業・技術」「健康・福祉」「環境・社会」の3分野29カテゴリーに分類された378社が出展し、多くの業界関係者で賑わいました。

 今回の記事ではテーマの一つであるSDGsにスポットを当て、SDGsに取り組んでいる企業を展示ブースよりピックアップします。

AIの力で安全な水を避難所に提供

WOTA株式会社の「WOTA BOX」はシャワー等の水回り設備に接続可能な水循環システム。災害時の避難所で「WOTA BOX」を使って水を循環させれば100人の人がシャワーを浴びることができる

 まず訪れたのはWOTA株式会社のブースです。こちらのブースではAI水循環システム『WOTA BOX』の紹介をしていました。

 「『WOTA BOX』はシャワー等の水回り設備に接続可能な水循環システムです。日本は地震や台風などの災害が多い国であるにもかかわらず、避難所でシャワーを浴びることすらできないケースがまだまだ多いのが現状です。仮にシャワー設備があっても、通常100リットルの水でシャワーを浴びることができるのは2人、多くても4~5人ほどですが、『WOTA BOX』を使って水を循環させれば100人の人がシャワーを浴びることができます」(ブース担当者)

 通常の水循環システムの場合、石鹸やシャンプーを使うと再利用することができませんが、『WOTA BOX』を使えば常に水道水以上の水質に保つことができるそうです。その秘密は搭載されているAIセンサーによって、最適な浄化が行われていることにあります。

 「AIのデータはクラウドに蓄積しているので、常に最適な濾過を行うことができます。避難所での入浴は健康や衛生に関わる重要な課題です。『WOTA BOX』と併せて使用できる屋外シャワーキットも用意しています。テクノロジーの力で誰でもどこでも清潔な水を使うことができるようになればと思います」(ブース担当者)

生ゴミをエネルギーに変換

生ゴミからバイオガスを作る事業を手がけているのがバイオエナジー株式会社。微生物が生ゴミを分解する段階で発生するバイオガスを使って、ガスエンジン発電機を動かしたり、都市ガスとして利用したりすることが可能になる

 次に訪れたのはバイオエナジー株式会社のブースです。こちらのブースでは生ゴミから電気や都市ガスを作り出す事業について紹介していました。

 「当社では生ゴミからバイオガスを作る事業を行っています。受け入れた生ゴミを破砕し、メタン発酵の原料を作り、発酵層で約30日間かけてメタン発酵を行います。発酵槽の中の微生物が生ゴミを分解する段階で発生するバイオガスを使って、ガスエンジン発電機を動かしたり、都市ガスとして利用したりすることが可能です」(ブース担当者)

 発生したバイオガスを使えば、1日に2万6880kWhの電力(約2600世帯分)供給や、1日に約2400立方メートル(約2000世帯分)の都市ガスを供給することが可能だそうです。

 「これまでの生ゴミリサイクルは家畜の餌や肥料への転換がほとんどでしたが、塩分や脂肪分を含むものや、パック入りの食品廃棄物などはリサイクルされずに焼却処分されていました。当社では粉砕時にパック等の不適物を除外するので、受け入れも容易に行うことが可能です」(ブース担当者)

 世界を変えるための目標であるSDGsは現在大きく注目され、取り組む企業も増えています。今後はSDGsに取り組んでいるかどうかも、ビジネスにおける大きなポイントになると言えそうです。

新しいアイデアや技術を持つ中小企業を中心に、新製品開発や販路拡大の支援を目的とした「新価値創造展2019(第15回中小企業総合展 東京)」(2019年11月27~29日、東京ビッグサイト)。今回のテーマは「生産性向上、SDGs」。「産業・技術」「健康・福祉」「環境・社会」の3分野29カテゴリーに分類された378社が出展した

(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)

★関連リンク

★新価値創造展2019 特集

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    新しいアイデアや技術を持つ中小企業を中心に、新製品開発や販路拡大の支援を目的とした「新価値創造展2019」(19年11月27~29日)。今回のテーマは「生産性向上、SDGs」です。本日の記事では株式会社ローランド・ベルガー グローバル共同代表 日本法人代表取締役社長・長島聡さんのセミナーから、中小企業に求められている「創造生産性」のポイントを探ります。

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
日本の中小企業の皆さんにとってビジネスのヒントになる「ヒト・モノ・カネ・情報」を探し出し、日々オリジナルな視点で記事を取材、編集してお届けします。中小企業の魅力をあますところなく伝えます。

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