「地域の逸品」その頂点に輝いたのは?「こんなのあるんだ!大賞(商品部門)2019」レポート

地元の高校生が大活躍! 若い力で地域創生を後押し

2019年12月4日
全国の地方新聞社が各地の名品を厳選・販売するお取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」による「こんなのあるんだ!大賞2019」が発表されました。都道府県ごとに「こんなのあるんだ!」と思わせる商品とショップを発掘、特に世の中に知ってもらいたいと思わせるストーリー性のある商品とショップのナンバーワンを決めるアワードです。果たして大賞を獲得したのは?
 全国の地方新聞社が各地の名品を厳選・販売するお取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」を運営する株式会社47CLUBは、「こんなのあるんだ!大賞2019」全国大会&表彰式を、2019年11月19日に東京・汐留の電通ホールで行いました。

 「こんなのあるんだ!大賞」とは、47CLUB事業に加盟している地方新聞社45社46紙が都道府県ごとに「こんなのあるんだ!」と思わせる商品とショップを発掘し、その中から特に世の中に知ってもらいたいと思わせるストーリー性のある商品ナンバーワンを決めるアワードです。今回で6回目を迎える本イベント。会場は多くの関係者で賑わいました。今回の記事では商品部門の受賞会場からのレポートをお届けします。

全国の地方新聞社が各地の名品を厳選・販売するお取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」による「こんなのあるんだ!大賞2019」。都道府県ごとに「こんなのあるんだ!」と思わせる商品とショップを発掘、特に世の中に知ってもらいたいと思わせるストーリー性のある商品とショップのナンバーワンを決めるアワード

36000分の1を勝ち取る「こんなのあるんだ!大賞」

 「こんなのあるんだ!大賞」は全国を6つのブロックに分け、地方予選を勝ち抜いた商品6点の中から最も「こんなのあるんだ!」と思わせる商品に大賞が授与されます。本年度各新聞社が推薦した商品の数は3万6000点。そこから6点に絞り込まれた各商品の生産・製造者が会場でプレゼンテーションを行って商品の魅力をアピールし、会場の審査員の投票によって大賞が決まります。

 審査のポイントは大きく分けて5つ。思わず買ってみたくなる魅力、大切な人に贈りたくなる魅力、地域の特色や地元密着を感じさせる地域性、応援したくなる背景、「こんなのあるんだ!」と驚くような意外性です。審査員はプレゼンテーションの後、実際に商品を体験・試食して投票先を決めます。

 今回ノミネートされた商品は、岩手県・岩鉄鉄器の『ダクタイルパン』、山梨県・高野ファームの『エアリーフルーツ 完熟もも』、長野県・木の花屋の『つけものケークサレ』、京都府・福寿園の『食べるお茶 緑茶・碾茶・佃煮のセット』、愛媛県・田村菓子舗の『みっちゃん大福』、佐賀県・わたなべ水産の『穂州鯛のしゃぶしゃぶセット』の6点です。

ノミネートされた魅力ある6商品

(左)「ダクタイルパン」(岩鉄鉄器/北海道・東北ブロック代表)、(右)「エアリーフルーツ 完熟もも)(高野ファーム/関東ブロック代表)

 まずプレゼンテーションに登壇したのは岩鉄鉄器。近年、鉄製フライパンが注目されているものの、重さや手入れが面倒というデメリットを多く抱えています。『ダクタイルパン』はそのデメリットを高度な技術で一つひとつ解消した、軽くて手入れのしやすい鉄製フライパンです。

 続いて登壇したのは高野ファームの『エアリーフルーツ 完熟もも』。自社農園で採れた桃をフリーズドライ加工することで、今までにない軽さと食感のドライフルーツを実現しました。従来のドライフルーツに比べサクサクした食感と、自然な香りを楽しめる新感覚のドライフルーツです。

(左)「つけものケークサレ」(木の花屋/北信越ブロック代表)、(右)「食べるお茶 緑茶・碾茶・佃煮のセット」(福寿園/東海・近畿ブロック代表)

 3番手は『つけものケークサレ』の木の花屋。ケークサレとはフランス料理に使われる甘くないケーキのこと。そのケークサレを木島平産コシヒカリで作った米粉と、信州名産の漬物で作った意外性がポイントです。

 次に登壇したのは福寿園の『食べるお茶 緑茶・碾茶・佃煮のセット』。近年は海外でも抹茶がブームになるなど注目を集めているお茶。単にお茶を飲むだけでは摂取できない茶葉に含まれる豊富な栄養素を余すことなく取るために『食べるお茶』を開発したとのことでした。

(左)「みっちゃん大福」(田村菓子舗/中国・四国ブロック)、(右)「穂州鯛しゃぶしゃぶセット」(わたなべ水産/九州・沖縄ブロック)

 5番目は田村菓子舗の『みっちゃん大福』。愛媛県立三崎高校の生徒が地元の魅力を伝えたいと地元の老舗和菓子店と協力し、地元名産の柑橘をふんだんに使った大福を開発。生徒のアイデアをプロの和菓子職人が形にするコラボレーション商品です。

 トリを飾ったのはわたなべ水産です。志半ばで他界した先代社長の遺志と伝統の技術を継いだ母娘5人が協力し、旨味の凝縮されたブランド鯛『穂州鯛』を使ったしゃぶしゃぶセットを提供。ふるさと納税の返礼品としても人気の高い一品とのことでした。

 いずれの商品にも、開発秘話や苦労した背景などさまざまなストーリーがあり、各プレゼンテーション後の試食時には、審査員の悩ましい気持ちが伝わってくるようでした。

47CLUBを通じて地域を活性化

「47CLUBの活動は本当に尊いものです。これからも地方で頑張っている自営業者にどんどんスポットを当てていただければと思います」と大賞受賞の辞を述べた田村菓子舗の田村義孝社長(左端)

 審査員による投票の結果、3位は岩手県・岩手鉄器の『ダクタイルパン』、2位は山梨県・高野ファームの『エアリーフルーツ』、そして栄えある『こんなのあるんだ!大賞2019』大賞に輝いたのは、愛媛県・田村菓子舗の『みっちゃん大福』でした。

 田村菓子舗の田村社長は、「多くの皆さんの支援があってこの場に立たせていただいていることを本当に感謝しています。私は自分のふるさと佐田岬半島を起業家のメッカにしたいという夢を持っています。近年は自営業者が少なくなって地域の活力が失われている気がします。自営業者が地域から増えることで地方が元気に、そして日本が豊かになる、そんな夢を持っています。47CLUBの活動は本当に尊いものです。これからも地方で頑張っている自営業者にどんどんスポットを当てていただければと思います」と受賞の感想を話しました。

 田村社長の母校でもある三崎高校では、4年前から総合学習の時間として、生徒が地域の課題を自分ごととしてとらえ解決する教育を行っているそうです。その成果として、文部科学省「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」指定校にも選ばれています。

 最後に田村社長は「これを追い風に全国のお子さんが三崎高校に来ることで、本当の意味で生きる力を身につけ、チャレンジし、失敗から立ち直れる、そんな人材育成ができるような学校になるように我々も大人の一員として尽力していきたいと思っています。本日は名誉ある賞をありがとうございました」と締めくくりました。

 地域には「知る人ぞ知る」名品がまだまだ埋もれています。「こんなのあるんだ!大賞」を通じ、これらの名品の認知度が全国的に高まれば、地域活性に一役買うことも十分期待できそうです。
(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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