ブランディングから地域活性化まで。「デザイン思考」で企業の力を引き出せ!

正解を導くのはロジカルよりも感覚/インターナショナル プレミアム・インセンティブショー 秋2019

2019年11月20日
ビジネスチャンスの拡大に、ノベルティやインセンティブなどの販促用ツールや、マーケティングをサポートするサービスは欠かせません。そんなノベルティグッズやマーケティングツールの見本市「第60回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー 秋2019」が開催されました。今回の記事では、ビジネスを活性化させる「デザイン思考」などについて論じたセミナーを紹介します。
 ビジネスチャンスの拡大に、ノベルティやインセンティブなどの販促用ツールや、マーケティングをサポートするサービスは欠かせません。そんなノベルティグッズやマーケティングツールの見本市「第60回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー 秋2019」が2019年10月16日〜18日の3日間、池袋サンシャインシティ・コンベンションセンター文化会館にて開催されました。「ネットを超越する、リアル販促戦術」をテーマに、販促商材やサービスを扱う企業が集結。また、これらのツールや情報を求める多くの来場者で会場は賑わいました。

 今回の記事では10月16日に開催されたセミナー「解決に導くクリエーティブ!!~企業とクリエーターが共創する新たな商品開発の形~」(講師:小山一博さん/株式会社電通テック
第1デザイン&プロダクトセンター 次長・公益社団法人 日本広告制作協会 理事)より、電通テックのユニークなビジネスモデルとビジネス思考の役割についてレポートします。

株式会社電通テック第1デザイン&プロダクトセンター次長/公益社団法人日本広告制作協会理事の小山一博さん

電通テックのユニークなビジネスモデル

 「デザインにできることはまだあるか、ということについて日々考えています」。そう話すのは数々のプロモーション制作を手がける株式会社電通テックの小山一博さん。同社ではデザインの可能性を求め、さまざまな試みを行っているそうです。

 例えば同社の若手社員を中心に開催された、世の中の課題を解決するクリエーティブの展示会『世の中 ちょっと よくする展』(2013年)には、10日間で4000人が来場。展示品を「商品化して欲しい」とのコメントが多いことからビジネスの可能性を模索し、大阪産業創造館との協業プロジェクトにまで発展しました。

 「この協業プロジェクトのポイントはロイヤリティプラスアルファで大阪の中小企業5社と商品開発を行ったことです。また、クリエーティブの力で地域を活性化するという目的もありました」

 このプロジェクトをきっかけに同社では『mikke design lab.』を立ち上げました。これは企業の抱えている問題をデザインとクリエーティブの力で解決することを目的とした商品開発ユニットです。

 「企業の抱えている問題を電通テックが商品企画提案し、商品化されたらロイヤリティが発生するというビジネスモデルです。5年間で8プロジェクトが商品化につながりました。さらにガチャ用キャラクター開発の『パンダの穴』、登山をテーマにしたグッズ開発の『Yamasanka』も立ち上げ、3つのユニットでクライアントの課題解決のお手伝いをしています」

「デザインにできることはまだあるか、ということについて日々考えています」(小山さん)

デザイン思考で課題を発見・解決する

 近年耳にすることの多い「デザイン思考」。このデザイン思考を小山さんは「企てること、目論むこと、設計すること、未来のハッピーを描くこと。デザインというと色や形をイメージしがちですが、これらのアート要素はデザインの一部に過ぎません。デザインの本質とは課題の発見と解決にあります」と定義します。

 小山さんによると、かつては広告が時代を作り、企業が商品ブランド価値を作ることで世の中をハッピーにしてきましたが、今はSNS等で誰でも簡単に情報を発信できる時代であり、広告クリエーティブに求められる重要度は低くなっているそうです。

 そして、今のクリエイターに求められているのはブランド価値を作ることであると小山さんは強調し、「人は左脳で考えて右脳で決定する、つまり何かを決定するには感性の共感が必要です。ロジカルだけでは正解を導き出すことはできず、消費者はハッピーを想像できないと購買につながりません。広告による効果測定も大事ですが、それ以上に感覚的なものが大事になります」と話しました。

 クリエイターの役割は広告制作から、ブランドの価値設計を担う新たな役割にシフトしており、デザインはプロセスの一部ではなく製品開発のサイクル全体に関わると話す小山さん。

 「例えば商品やサービスに不満はないが大満足ではない。そこには共感できる価値が不足していると言えます。好きやハッピーが足りない、つまりブランドの思いが届いていないということです。その課題を解決するために新たな価値を考えることがデザイン思考です。そしてこのデザイン思考はクリエイターだけでなくすべての人に必要になります」

今のクリエイターに求められているのはブランド価値を作ることだと小山さんは強調する

地域活性につながるデザイン思考の可能性

 続いて小山さんはデザイン思考の可能性として地域活性の事例をいくつか紹介しました。

 最初に紹介したのは岡山県矢掛町の事例。人口1100人ほどのこの町は、その半数が高齢者であり耕作放棄による農業の担い手不足と後継者の確保が課題となっていました。電通テックではこの町が日本一晴れの日が多いことに着目し、一次産業である野菜づくりから、二次産業である食品製造、三次産業の販売流通を一気通貫で手がけ『陽気なピクルス&ディップソース』として販売。Webでの拡散を狙ったPRを積極展開したところ話題となり、Iターンが実現したそうです。

 地域活性のポイントについて「いかにパートナーを巻き込んで共創できるか」と話す小山さん。他にも減りゆく銭湯の活性化とコミュニティの再構築を目的とした「銭湯ポスター総選挙」や、タクシーをより身近に感じてもらう施策「ココロを運ぶ一行タクシー」、東日本大震災の復興支援と子供が地元を深く知るきっかけとなる「被災地に贈るカレンダー」などの事例が紹介されました。

 最後に小山さんは「みなさんと共に新しいことやモノづくりができることを期待しています」と締めくくりセミナーは終了しました。

 単なる広告だけでなく、企業のブランド戦略から地域活性化まで、幅広い分野で取り入れられているデザイン思考の活用は、ビジネスの拡大や活性化に期待ができそうです。

ノベルティグッズやマーケティングツールの見本市「第60回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー 秋2019」(2019年10月16日〜18日)。「ネットを超越する、リアル販促戦術」をテーマに、販促商材やサービスを扱う企業が集結。ツールや情報を求める多くの来場者で会場は賑わった

(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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