メルカリ流、世界で勝つためのグローバル人材確保術!

認知度のない地域でも採用を成功させる3つのステップ/総務・人事・経理ワールド

2019年7月10日
スマートフォン1台で身の回りの中古品を簡単に売買することができるフリマアプリ『メルカリ』、グローバルな競争に生き残るためにテックカンパニーとしての取り組みを積極的に行っています。その差別化に必要なのが外国人人材。インドや東欧にも足を運び、優秀な学生を採用しています。彼らを会社に定着させるためにどんな方法を行っているのでしょうか?
 2019年4月より順次施行されている働き方改革関連法、IT技術の進歩によるセキュリティ対策、地震や水害などの防災対策、人手不足時代の採用など、企業が対処すべき課題は年々増えています。

 そんな課題解決のための製品やサービスが集結する「総務・人事・経理ワールド」が2019年5月29日〜31日の期間、東京ビッグサイトにて開催されました。

 今回の総務・人事・経理ワールドは、「働き方改革EXPO」「HR EXPO」「福利厚生EXPO」「オフィスサービスEXPO」「オフィス防災EXPO」「オフィスセキュリティEXPO」「省エネ・節電EXPO」の8つの展示会で構成され、800社の企業が出展のために集結しました。また、さまざまな課題に対して深い知見を持つ第一人者によって、さまざまなセミナーが開催され、最新情報を得ようと多くの人が聴講に訪れました。

 今回の記事では5月29日に開催されたセミナー「メルカリが語る! グローバル採用と、その人材が活躍しやすい風土作り」(講師:田井 美可子さん/株式会社メルカリ HR Business Partner)より、メルカリ社におけるグローバル人材採用のポイントについてレポートします。

株式会社メルカリ HR Business Partnerの田井美可子さん。「「グローバルテックカンパニーを目指すには、人への投資が一番重要だとメルカリでは考えています」

メルカリがグローバル採用を行う理由

 スマートフォン1台で身の回りの中古品を簡単に売買することができるフリマアプリ『メルカリ』、昨年最大規模のIPOとして上場したことでも話題を集めました。

 2013年にサービスを開始したメルカリは、その使いやすいインターフェイスや安心安全に取引ができるサービス、そしてSNSよりもユーザーを惹きつける楽しさが受け、順調に売上を伸ばしています。

 そんなメルカリでは、グローバルな競争に生き残るためにテックカンパニーとしての取り組みを積極的に行っており、技術面で他社との差別化を図っています。その差別化に必要なのが外国人人材、特にエンジニアであると田井さんは話します。

 「グローバルテックカンパニーを目指すには、人への投資が一番重要だとメルカリでは考えています。人材の一人ひとりが成長でき、それぞれがパフォーマンスを発揮することこそが、会社の成長につながるからです」

 メルカリがグローバル化にこだわるのは、海外の多様なバックグラウンドや知見を持つ人がメルカリに加わることで、日本国内では得ることのできない世界基準の技術力やマインドセットが手に入るからであると田井さんは説明します。

認知度のない地域でも採用を成功させる3つのステップ

認知度のない地域でも採用を成功させる3つのステップは「認知・採用・定着」。まずは自分から行動して存在を知ってもらうことが必要

 それではメルカリではどのようなグローバル採用を行っているのでしょうか? 現在メルカリの東京オフィスでは、39の国や地域から訪れた社員が働いています。その多くはシステムエンジニアやデザイナー、プロデューサーなどテック系の社員だそうです。

 「現在メルカリのオフィスは日本とアメリカにあります。メルカリアプリを使えるのもこの2ヵ国だけです。つまり、他の国ではメルカリの知名度はほとんどない状態だと言えます。それでも、世界中から優秀な人材を集めたい。そこで認知度のない地域でも採用を成功させる3つのステップを考えました」

 その3つのステップとは「認知・採用・定着」です。認知度のない地域では待っていても優秀な人材は来てくれません。まずは自分から行動して存在を知ってもらうことが必要です。また、国や地域に合わせて柔軟な採用方法を取らなくてはなりません。

 さらに採用前と入社後でイメージが違えば社員はすぐに離れてしまいますから、メルカリで働くとはどういうことかを具体的に説明し、パフォーマンスを発揮する場を整えることが求められます。

 田井さんはインド工科大学(IIT)の学生を採用したときの事例を挙げました。

 「インドでのメルカリの知名度はゼロですから、まずはインド学生向けにハッカソンを開催し認知活動を行いました。そこで優秀な成績を収めた学生を日本に招待し、メルカリで働くとはどういうことかを知ってもらい、最終的に30名の採用に成功しました」

グローバル採用はまず活躍しやすい風土づくりから

海外の優秀な人材を日本に集めても、彼らが働きにくいと感じてしまっては意味がない。メルカリでは日本までの航空券の手配から、東京で生活するために必要な知識、住居探しまで手厚くサポートしている

 メルカリが採用を行っているのはインドだけではありません。近年優秀なエンジニアを輩出している東欧にも着目し、ポーランドのワルシャワで採用を目的とした大規模なハッカソンを行い、認知度を広めていると田井さんは説明します。

 しかし、海外の優秀な人材を日本に集めても、彼らが働きにくいと感じてしまっては意味がありません。そこでメルカリでは移住者向けのリロケーションサポートとして、日本までの航空券の手配から、東京で生活するために必要な知識(ゴミ出しなど)、銀行口座の開設や携帯電話の契約、住居探しまで手厚くサポートしているそうです。

 また、グローバル施策として通訳・翻訳の専任チームを作りコミュニケーション面でサポートしたり、独自カリキュラムによる言語教育を行ったりと、外国人が働きやすい風土作りに努めています。

 最後に田井さんは「今後も人と組織の仕組みやガイドラインを整備したり、多様化に合わせて組織強化に努めたい。最終的には世界基準のメルカリを目指します」と締めくくりました。

 今後日本においても外国人労働者の採用は大きな課題となります。貴重な人材を逃さないためにも、まずは外国人の受け入れ体制を整え、彼らが働きやすい組織風土を作ることが優先すべき事項だと言えそうです。

働き方改革関連法、IT技術の進歩によるセキュリティ対策、地震や水害などの防災対策、人手不足時代の採用・・・企業が対処すべき課題解決のための製品やサービスが集結する「総務・人事・経理ワールド」。2019年5月29日〜31日の期間、東京ビッグサイトにて開催された

(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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