顧客行動の分析が小売ビジネスを成長させる!

実店舗での顧客の動きや軌跡を把握する/JAPAN IT WEEK

2019年6月3日
ECにおいては顧客行動がデータ化され活用されている一方、実店舗の顧客行動を理解することは困難だと考えられてきました。しかし実店舗におけるビジネスのパフォーマンスを向上させるためには顧客行動分析が欠かせません。今回の記事では、小売店舗におけるデータ解析の重要性についてレポートします。
 最新IT技術を駆使した製品やソリューション技術が集結する「JAPAN IT WEEK【春】前期」に続き、2019年5月8日〜10日の期間で「JAPAN IT WEEK【春】後期」が東京ビッグサイトにて開催されました。

 今期のJAPAN IT WEEKは、「ソフトウェア&アプリ開発展」「クラウドコンピューティングEXPO」「ビッグデータ活用展」「モバイル活用展」「データストレージEXPO」「通販ソリューション展」「情報セキュリティEXPO」「店舗ITソリューション展」「Web&デジタルマーケティングEXPO」「AI・業務自動化展」「データセンター展」の11展で構成され、合わせて1180もの企業が出展。また、各業界の最新動向に詳しい識者によるセミナーが多数開催され、課題解決のヒントを得ようとする聴講者で賑わいました。

 今回の記事では5月8日に開催されたセミナー「小売店舗における来店客行動分析がもたらす成功~グローバルに広がる店舗分析の持つ力とは~」(講師:ローレン・ビターさん/RetailNext, Inc. Head of Retail Consulting)より、小売店舗におけるデータ解析の重要性についてレポートします。

RetailNextリテールコンサルティング部門責任者のローレン・ビターさん。実店舗における顧客行動を分析し、実践的なインサイトを提供している

入店客数と購買率でビジネスのポテンシャルをつかむ

 ECにおいては顧客行動がデータ化され活用されている一方、実店舗の顧客行動を理解することは困難だと考えられてきました。しかし実店舗におけるビジネスのパフォーマンスを向上させるためには顧客行動分析が欠かせません。

 講師のローレン・ビターさんはRetailNextリテールコンサルティング部門責任者として、実店舗における顧客行動を分析し、実践的なインサイトを提供している経歴の持ち主です。

 まずローレンさんは小売店舗における入店客数と購買率の関係性について「店舗の売上だけ見ても、何が買われているかわかりません。そこで入店人数をカメラでカウントし、POSデータと組み合わせることで、購買率を把握することができます。これはビジネス全体のポテンシャルを把握するために欠かせないデータです」と話しました。

 購買率がわかれば、そこからさまざまな課題を導き出すことができます。例えば入店客数は増えているのに、購買率が上がらないことがありますが、これはスタッフ数の不足が原因の一つであるとローレンさんは説明します。

 「入店者数とスタッフ数は比例していることが望ましく、ここにギャップがあると購買率は下がってしまいます。スタッフ採用には課題も多いですが、きちんと最適化する必要があります」

顧客の行動を分析する

「スタッフの動きをマッピングし、顧客行動マッピングデータと重ねれば、どこでどのようなやり取りがされているか把握することができます」(ビターさん)

 多くのオンラインストアでは顧客行動データを取得しさまざまな分析をしています。オンラインストアと同じように実店舗でも顧客の動きや軌跡をマッピングし、分析することの重要性についてローレンさんは強調しました。

 例えば顧客が入店してからどのような行動を取るかをマッピングしておけば、類似する顧客の行動パターンを推測しやすくなります。これは商品の配置などに役立つデータだと言えるでしょう。

 また、併せて接客状況の分析をすることをローレンさんは勧めています。スタッフの動きをマッピングし、顧客行動マッピングデータと重ねれば、どこでどのようなやり取りがされているか把握することができます。商品を購入しようと思っても、説明をしてくれるスタッフが近くにいなければ顧客はその場を離れてしまうかもしれません。

 このように顧客やスタッフの行動データを購買データなどと組み合わせることで、さまざまな課題を浮き彫りにすることができます。

実店舗とオンラインをつなぐ

 実店舗のデータに加え、オンラインデータを組み合わせることで、さらに顧客行動の精度を上げることができるとローレンさんは強調します。

 「実店舗データ、購入客データ、入店客データ、デジタルエンゲージメント、これらはすべて異なるデータです。これらのデータを集め、リンクし、連携し、カスタマージャーニーを完成させることが最終的には必要になるでしょう」

 最後にローレンさんは「成功している企業はオンライン・オフライン両方のデータを活用しています」と締めくくりました。

 ECサイトの発達により、人々が買い物をする方法は大きく変化しています。しかし、まだまだ実店舗で買い物をする人も多いため、オンラインデータ・オフラインデータそれぞれに重要な意味があります。それぞれのデータ特性を理解し、正しく分析・活用することこそが、小売ビジネス成長の鍵を握っていると言えそうです。

最新IT技術を駆使した製品やソリューション技術が集結する「JAPAN IT WEEK【春】後期」。合わせて1180もの企業が出展。最新の製品やサービスに触れようとする業界関係者で会場は熱気に包まれた

(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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