経営者が走る理由

2019年3月4日
クラウドCTI「おもてなし電話」の江尻さんの連載コラム、今回のテーマは「走ること」。昨日の東京マラソンに参加、あるいは観戦した方なら、そこに大きな物語があることに気がついたはず。経営者にとって「走ること」とは何か? 意外な心象風景が見えてきます。

 このコラムを書いているのが3月2日で、明日3月3日は東京マラソンです。約38,000人ものランナーが参加するみたいで、かなり大きなイベントですね。ランナーの皆さん、怪我をしないよう、目標達成に向かって楽しみながら走ってくださいね。

 今回はせっかくですので走ることに関して書いてみたいと思います。

 東京マラソンは2007年に始まり、それがランニングブームに火をつけたといわれています。
 皆さんも様々な目標や目的をもってランニングをしていると思います。
 例えば「ホノルルマラソン完走するぞ!」「フルマラソン4時間切るぞ!」という目標設定している人。健康のため、体力をつけるため、はたまたダイエットのためなどの目的を持っている人。いろんな人がいろんな理由で走っていると思います。

 私もランニングをしている一人なのですが、私の周りの経営者でもランニングをしている人が少なくありません。

 なぜ経営者はランニングをするのでしょう?
 なぜ経営者は普段、ただでさえ忙しいのにわざわざ時間を取ってまで走るのでしょう?

 ふとそんな疑問を持ちましたので、私の周りの経営者に走る理由を聞いてみました。

 いろんな面白い理由も返ってきましたが、共通していることもありました。

 やはり、経営者が共通して答えたのが「健康のため」。
 定期的にランニングすることで運動不足を解消し、体力をつけるというもの。
 やはり、経営者は体が資本。トップが病気がちで、すぐ怪我をするようでは、皆をリードできません。いつ、どんなときでも、最高のパフォーマンスを出すためには、いつも健康でなければなりません。いつも元気でパワーみなぎる状態を維持するのは経営者の義務でしょう。

 続いて多かったのが、「誰にも邪魔されない一人の時間」。
 ランニングしている間は一人で黙々と走っているため、贅沢な一人の時間です。誰にも邪魔されない。打ち合わせに急遽呼ばれることもない。突然、報告・連絡・相談がくることもない。電話も出ない。一人の時間と割り切れる時間なのです。
 経営者にはこういった誰にも邪魔されない時間って必要ですよね。

 実は、私がランニングをする一番の理由はこれです。

 ランニング中は誰にも邪魔されない時間なので、私にとって集中できる時間。
 いろんなことを考える時間にしています。事業を拡大するために何をやろう? あのお客様への提案はどういったストーリーで行こう? 社内を活性化させるためのアイディアは? メンバーの評価指標は何がいいか? いい人材を採用するにはどうしたらいいか? 面白い協業先はいないか? 次のプレゼンでうまく伝えるためにはどうしたらいいだろう? 会社をPRするには何がいいだろう? 自分のスキルアップのために今やるべきことは何だろう? 次の会議で何を話そう? などなど。
 ランニングしながらいろんなことを考えています。

 ただ、これには自分ルールを設定していて、1ランニング1テーマまで。「今日はこれを考えながら走ろう」とテーマを一つに絞って走ります。

 ルールその2は、テーマはより具体的に、ランニング後に結論が出るようなものとする。上述したテーマはかなりざっくりしたもので、かつ大きすぎます。もっともっと具体的で、ランニング中に答えや案が出るものにしています。例えば、「事業を拡大させるためのアイディア」というざっくりしたテーマではなく、「不動産業界の〇〇という業界団体さんとの協業を活性化させるためには何をやったらいいのか」など、より具体的なテーマにしています。
 ざっくりしたテーマは、みんなが集まってブレストしたほうが面白いアイディアが効率的に出ると思っているからです。

 ルールその3は、思い浮かんだ案は必ずスマホにメモをすること。音声入力ができるので、走りながらでも簡単に、安全にメモが残せます。せっかく思いついてもメモしないと忘れてしまいます。すぐメモ、どんなことでもメモをすることをルールにしています。

 私がランニングする理由、私にとってのランニングとは、集中して一つのテーマを考え、それの答えを出し切る行動です。

 経営者が走る理由で、面白いものもあったので少しだけご紹介したいと思います。

 「経営者は基本的にMなので、痛みを求めているから」というものもありました(笑)
ちょっと納得できました。

 あと、こういう答えもありました。「経営に比べれば、すべてのことは苦しくない。走ることは肉体的なしんどさだけ。経営の精神的なしんどさに比べれば、たいしたことない。精神的な負荷にいつでも耐えられるよう、普段から肉体的な負荷を与えているのだ」
 「経営者は基本的にM」というのに通じるものを感じました(笑)

 ランニングしている経営者には驚くような強者もいます。

 毎朝ランニングして、その総距離で、西遊記の元になった三蔵法師が歩いた距離(2万km)を走破しようしている経営者。毎朝ですよ! 雨の日も雪の日も!

 これまでのランニングで走った距離のトータルが地球一周を超えた経営者。地球一周は4万㎞ですよ!!毎月100㎞走ったとして、1年で1,200km。そのペースだと、33年超かかってしまう!

 マラソンだけじゃなく、トライアスロンにはまる経営者もいますよね。すごいです。尊敬します。頭が上がりません。今度、機会があれば、トライアスロンをする理由を聞いてみようと思います。きっと、驚くような理由が返ってくることでしょう(笑)

 今回も最後までコラムをご覧いただき、誠にありがとうございました。

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執筆者: 江尻高宏 - 株式会社シンカ代表取締役社長
関西大学大学院工学研究科修了後、株式会社日本総合研究所に入社。金融系の情報システム開発に従事し、広範囲の開発プロジェクトに参画、チームリーダやプロジェクトマネジャーを経験。その後、株式会社船井総合研究所に入社。営業、マーケティング、商品戦略を中心に、中小IT企業向けのコンサルティングに注力。特にクラウドビジネス分野に強く年間約20本の講演を担当。2014年1月に株式会社シンカを設立。「おもてなし電話」をはじめ、クラウドサービスを中心にITを世界に広めることに注力している。

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