株式会社シンカが行っている社内の有機的組織の実験

2019年2月6日
クラウドCTI「おもてなし電話」の江尻さんの連載コラム、今回のテーマは「社内プロジェクト」。HANJO HANJOのメインテーマのひとつである「社内コミュニケーション」にもつながる取り組みは、会社をどう活性化させたのでしょうか?

 こんにちは。クラウドCTI「おもてなし電話」の江尻です。

 今回は、弊社の取り組みの一つをご紹介したいと思います。

 シンカでは、社内の活性化や業務効率化、モチベーションアップ、社内一体化、とがった会社になるために、ユニークな会社になるために、などなど、様々な目的のもとでいろんな取り組みを行っております。
 その中で、今回はシンカで行っている「社内プロジェクト」に関してお話ししたいと思います。

 「社内プロジェクト」とは、仮想の有機的な組織で、3人1チーム、3カ月の限定組織のことです。1つのテーマが決められ、そのテーマ完遂に向けて、チーム一丸となり進めていきます。

 「社内プロジェクト」にはルールがあって、そのルールさえ守れば自由に進めてOK。
そのルールとは下記のようなものです。

 ・チームメンバーは、必ず別の部署のものを集めること
 ・通常業務の15%をプロジェクト活動に充てていい
 ・テーマを決めること
 ・チームのビジョン、ポリシー、チーム名を決めること
 ・期間は3カ月。3カ月で成果を上げること
 ・週に最低1回はチーム内ミーティングすること
 ・チームリーダを決めること
 ・月に1回の全体会議で、活動内容を報告すること
 ・プロジェクト予算を与え、範囲内であれば何に利用してもいい。ちなみに、飲み会に使っているプロジェクトチームもあります(笑)

 実際に行なった「社内プロジェクト」をいくつかご紹介しましょう。

 「コストダウンプロジェクト」
 “1円でもコストダウンを”というキャッチコピーの下、社内の様々なコストダウン案を出してくれました。例えば、毎週のコピー機の枚数を報告する(見える化するだけでも効果絶大!)、毎月コスト削減をテーマにしたキャッチコピーを社内に掲示、お客様へ送っていた請求書を口座振替に変更、外注先の見直し、など。
社内横断的に動くプロジェクトで見直すことで、細かいことも含め、様々なコストカットができました。とても効果が大きかったですね。

 「社内電子化プロジェクト」
 とにかく社内から紙を無くしたいということで、様々なものを電子化しようという試みです。会議で配る資料を電子化するというものから、お客様やパートナー様との契約を電子サインに全面切り替えなど、大胆な提案もこういったプロジェクトから出たのは面白かったです。

 「社内活性化プロジェクト」
 いろんな案が出たプロジェクトでした。集中して作業を行うための「がんばるタイム」の導入。「がんばるタイム」中は、話しかけてもいけないし、電話もとりつがない。
社員をもっと褒めようということで始まった「褒めBOX」。“あなたは褒められて当然”というコピーの下、たくさんの社員間の褒め合いが生まれました。自分の努力は誰かが見てくれているというのがモチベーションになりますね。あとは、全社員のかなり個人的なところまで突っ込んだプロフィール帳の作成、ウェルカムボードの運用など、様々なアイディアが出て、今ではシンカの日常の取り組みにまでなりました。

 他にも「オプション売るぞプロジェクト」や「社内システム化プロジェクト」など、様々な有機的な組織が期間限定で生まれています。

 さて、この「社内プロジェクト」の目的は3つあります。

 一つ目は、部署間の風通しを良くすること。
 別の部署のメンバー同士でチームを組むため、隣の部署が何をしていて、どんなメンバーがいるのかが分かりやすくなります。また、別部署に友達ができるので、今後仕事で一緒になるときに相談しやすくなります。セクショナリズムという言葉が私は嫌いなので、部署間の壁とか、そういったものを無くしたいという思いがありました。

 二つ目は、個人のスキルアップです。
 業務を通じて学ぶことは多いのですが、それだけだとなかなか学べないこともあります。プロジェクトでは、自ら考え、自らマネジメントし、失敗し、改善し、社内へ報告する。そういった、自発的に動くスキル、マネジメントスキル、そしてプレゼンスキルをこのプロジェクトを通じて学んでもらうことが二つ目の目的です。

 最後の三つ目の目的、それはやりたいと思っているけど、緊急度が低いため、後回しにしてしまい、なかなかできないことを、ぐいっと進めるということです。
 どうしても売上アップが最重要命題のため、それに直結することが重要かつ緊急案件になってしまいます。とはいえ、やったほうがいいことって社内にはいっぱいあって、放っておいても誰もやらない。じゃ、社内の仮想チームで片づけちゃおう、っていう発想です。
おかげで、本当にやってよかったと心から思えることがたくさんできました。私の精神的にもとても良かったです。いつかやらないといけないと頭の片隅にずっと残っていたものが片付いていき、すっきりしました。

 実は、これら3つの目的は表向きのもので、裏目的があります。

 それは何かというと、この「社内プロジェクト」を通じて壮大な実験を行うことです。壮大な実験というのはちょっと言いすぎましたが(笑)

 今後、会社内の組織の考え方やあり方は大きく変わってくるでしょう。
 これまでのような、部署ごとの縦割りではなく、スキルを持った人材が目的完遂のために有機的に集まり、組織を形成する。目的達成後はその組織はスピーディに解散、また次の目的を求め人材は動き、新たな組織を形成する。そういった、人のスキル中心に、最適な人材が集まり組織を構成するようになっていくでしょう。
 これは何も社内だけではありません。
 広く社外から必要なスキルを持っている人が集まり、企業を超えた超組織を作るような、そんな時代が来ることでしょう。

 そうなったとき、有機的な組織の行動を最大化するには、最適なマネジメントとは、それぞれの人の評価方法など、混乱しないようにしなければいけません。

 そのためにまずは社内で実験をしてみよう、そう思ったのが、シンカの「社内プロジェクト」という制度です。

 この実験は私にとってたくさんの学びがありました。
 例えば、たとえ3カ月という短い期間でも、プロジェクトの行動指針やポリシーを決めることで、有機的に集まったメンバーの一体感がより強まるということ。一体感が強まれば、チーム成果は間違いなく上がります。

 やはりやってみないと分からないことがありますね。
 言い方を変えれば、とにかくやってみれば何らかの結果と成果が出るということです。

 さて、そろそろ次の社内実験のネタを考えたいと思います。

 今回も最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

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執筆者: 江尻高宏 - 株式会社シンカ代表取締役社長
関西大学大学院工学研究科修了後、株式会社日本総合研究所に入社。金融系の情報システム開発に従事し、広範囲の開発プロジェクトに参画、チームリーダやプロジェクトマネジャーを経験。その後、株式会社船井総合研究所に入社。営業、マーケティング、商品戦略を中心に、中小IT企業向けのコンサルティングに注力。特にクラウドビジネス分野に強く年間約20本の講演を担当。2014年1月に株式会社シンカを設立。「おもてなし電話」をはじめ、クラウドサービスを中心にITを世界に広めることに注力している。

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