豊岡市は、神戸牛のルーツである“但馬牛”や、高級ガニの“津居山カニ”、1,400年の歴史を持つ日本屈指の名湯“城崎温泉”といった様々な観光資源があり、年間4万人を超える外国人観光客が宿泊している自治体である。とはいえ、当時、多くの地方自治体と同じように、豊岡市もインバウンドに対する様々な課題を抱えていた。その豊岡市が、訪問意向対前年度比175%増という高い結果を出すことに成功したのはいったいなぜなのか。
もうインバウンド集客で悩まない!【第2回】
外国人観光客を5年で40倍にした自治体もやっている、動画プロモーションの始め方
なぜ城崎温泉は訪問意向対前年度比175%増に成功したのか? 動画プロモーションで押さえるべきツボを解説
豊岡市は、神戸牛のルーツである“但馬牛”や、高級ガニの“津居山カニ”、1,400年の歴史を持つ日本屈指の名湯“城崎温泉”といった様々な観光資源があり、年間4万人を超える外国人観光客が宿泊している自治体である。とはいえ、当時、多くの地方自治体と同じように、豊岡市もインバウンドに対する様々な課題を抱えていた。その豊岡市が、訪問意向対前年度比175%増という高い結果を出すことに成功したのはいったいなぜなのか。
豊岡市が抱えていた課題
●兵庫県豊岡市城崎温泉「Hideaway Kyoto」キャンペーンについて
<概要>
目的:PR動画“Hideaway Kyoto”を使った、外国人観光客の誘客。
“外国版宿泊予約サイト「Visit Kinosaki」”へのトラフィック増加。
ターゲット:西日本への旅行を計画かつ、日本文化に興味関心のある外国人観光客
配信国:アメリカ、フランス、イギリスを中心とする欧米9か国横断配信
(編注:「Hideaway」は「隠れ家」の意)
<結果>
[視聴完了率:95.78% / クリック率(以下 CTR):6.20% / シェア率1.31%]
いずれのキャンペーン指標も業界平均を大きく上回りました。
特にCTRは、対業界平均 ×2.4倍という高パフォーマンスを獲得し、「Visit Kinosaki」内のLPに、[直帰率:49.63%改善/ 滞在時間 : 227.8%増]というキャンペーン効果をもたらした。
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認知獲得のための戦略
① PR動画の受け皿づくり(外国版宿泊予約サイト)
② 動線づくり(ランディングぺージ)
豊岡市では、アドバイザーである武田氏の協力の元、豊岡版DMOである一般社団法人豊岡観光イノベーションと協働で、そもそも現時点で観光に来ている外国人が城崎温泉のどういった点を気に入ってくれているのか、インタビューすることを始めた。その結果、外国人の多くは、長い旅程の中で、いつも大都市を観光するのではなく、その内1〜2日は静かなところでゆっくりしたいという希望があることがわかった。このインタビューでの発見をもとに、“静かなところでゆっくりできる”という要素と、PR動画「Hideaway Kyoto」の世界観を組み合わせたランディングページ(LP)を地元のWEB制作会社と制作。これにより、外国人観光客は、PR動画に登場するシーンをLPでなぞることが可能となり、ディスティネーションとしての城崎温泉の魅力を訴求しつつ、立地・アクセスなど具体的な情報を提供することで見込客化し、「Visit Kinosaki」で宿泊予約をしてもらうという導線を確立した。
③ PR動画配信設計(どこで、誰に見せるのか)
④ 効果測定(ウェブ解析、態度変容調査)
効果測定については、さらに「ブランドリフト」という態度変容調査も実施した。広告配信においては、リーチや再生回数などの量的な効果測定はスピーディーで利便性が高いものの、実際にPR動画を観たユーザーがどのような態度変容を起こしたのかという質的な部分については把握できない。そこで、当社では豊岡市のご要望にお応えして、PR動画の広告効果を「認知度」、「好意度」、「訪問意向」といったブランディング指標でも計測を行った。
認知度や好意度、訪問意向において大きな成果
デジタルPR動画を最大化させるために
① “まちとしてどこを目指すのか”、ゴールをプロジェクトメンバーで共有
② 自治体として、“発注力”を身につける
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