今どきの新人は電話恐怖症でウツになる!? そして退職!?

2018年11月7日
「電話恐怖症」という言葉を聞いたことがありますか? 電話が鳴ると、緊張して動悸がしたり、ひどいとパニックになったりなど、うまく電話が取れないというものです。この「電話恐怖症」、今どきの新入社員(新人)に増えてきているということをご存知でしょうか?

 こんにちは。クラウドCTI「おもてなし電話」の江尻です。

 「電話恐怖症」という言葉を聞いたことがありますか?
 電話が鳴ると、緊張して動悸がしたり、ひどいとパニックになったりなど、うまく電話が取れないというものです。この「電話恐怖症」、今どきの新入社員(新人)に増えてきているということをご存知でしょうか?

 ここ数年の新卒採用で入社した若手は、気が付いた時には携帯電話やスマートフォンを利用している世代です。友達とのコミュニケーションもLINEやインスタグラム等のSNSが中心で、電話というより文字のやり取りで“会話”しています。さらに、家庭から固定電話(いわゆる、イエデン)がなくなってしまったため、誰か分からない人からの電話に出るという経験がなく、知らない人からの電話を取るという耐性ができていません。

 マイナビが大学生を対象に実施した調査でとても面白い結果が出ています。友人とのコミュニケーションで使うツールは、9割がLINEで、電話と回答した学生は、なんと1.3%!もうほとんど電話を使っていない(笑) スマートフォンは、もう完全に携帯“電話”ではなく、携帯“コンピュータ”になっていますね。

(出典:マイナビ実施「ライフスタイル調査」(対象:17年2月に18年卒の就活生)
https://saponet.mynavi.jp/wp/wp-content/uploads/2016/11/lifestyle_2017.pdf)

 では、今の時代、電話によるコミュニケーションはほとんど不要になってきているのでしょうか?
 もちろんそうではありません。ビジネスの世界においては、まだまだコミュニケーションの中心は電話です。メール等のコミュニケーション手段が普及したため、簡単なやり取りや日程などの要件を決めるといったことはメールで完結しますが、重要なやり取りは電話の出番です。企業への問合せに関しても、電話が重要な役割を示しているというデータがあります。

 プレスリリース配信サービスなどを手がけるPR TIMESが実施した「お問い合わせフォーム対応時間に関するアンケート」によると、これまでに利用したことがあるカスタマーサポートの種類を選択式・複数回答で聞いたところ、「電話」が74.9%で最も多いという結果でした。

(出典:PR TIMES「お問い合わせフォーム対応時間と顧客満足度の関係性」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000862.000000112.html)

 重要なことは、企業においてはまだまだ電話が顧客や取引先との重要なコミュニケーション手段だということです。にもかかわらず、電話コミュニケーションの経験の浅い新人が次から次へと入ってきているということに目を向けなければなりません。昔と変わらず今の時代でも、新人が現場に配属されると、重要なミッションとして“電話をとること”が与えられます。そこで電話に慣れていない新人が陥るのが、うまく電話が取れず、とてもストレスを感じるということ。単純に慣れてないだけであれば、慣れる訓練をすればいいということになりそうなのですが、残念ながら話はそう簡単ではないのです。なぜなら、これまで新人が経験してきたコミュニケーション手段のSNSと、企業の固定電話では決定的な違いがあるからです。

 その大きな違いは、“事前に相手が分かるかどうか”。

 SNSは事前に繋がっている人からメッセージが来るため、誰なのかが分かります。一方、企業の固定電話は、電話が鳴った瞬間では、誰なのか分からない。取引先なのか、常連様なのか、社員なのか、新規の問合せなのか。誰からか分からない電話が突然かかってくるのです。

 そのため、イエデンで鍛えられていない新人は、知らない人からの電話を取ることに強いストレスを感じ、電話を取るときに緊張してしまいます。緊張するから、相手の言葉をよく聞き取れず、「すみません、お名前をもう一度言っていただけますか?」「会社名をもう一度・・・」と何度も聞き返し、しまいには電話口で「何度言わせるのだ!」と怒鳴られることも。
 こういった体験を何度もしてしまうと、だんだん電話に出るのが嫌になり、ひどい場合は、「電話恐怖症」となり、ウツになってしまうとか。そのまま退社してしまう新人までいるとのことです。

 とても残念ですよね。
 「残念」というのは、電話が取れない新人が残念なのではなく、せっかく自社に入社してくれた期待の新人が、電話をうまく取れないということだけで戦力外になってしまうことを指しています。
 「当社の若手にはウツになるようなメンバーはいないな」
 と安心するのはまだ早いです。ウツにまでならなくても、会社にとって見えないコストがかかっている場合があります。
 電話がうまく取れず、電話口で怒鳴られた体験をしてしまうと、「また怒鳴られたらどうしよう・・・」と電話のことが気になり、仕事に集中できないというケースです。電話が鳴ると、ビクっとしてしまうことも。これではせっかくの期待の新人もいい仕事ができませんよね。こういった仕事のパフォーマンスが出せず、電話のことを考えてしまっている無駄な時間は本当に見えないコストです。算出するのが非常に難しいのですが、確実に企業の生産性を落としています。

 そうならないためにも会社でしっかりと対応しないといけないのですが、やってはいけないことがあります。それは、「ワシの若いころは電話なんて鳴った瞬間にすぐとって、大きな声で元気よくあいさつしたものだ!」「電話を取るのが新人の仕事だ!電話なんてすぐに取れ!」などと、昔の時代の話、特に精神論を強要することです。それは残念ながら無理です。時代が違いますので。古き良き時代のことは胸にしまっておいてください。新しい時代の対応方法を会社で考えなくてはなりません。

 とはいっても、電話をとれるようになってもらわないといけないので、電話の訓練をすることは大切です。電話対応をしっかりと教育しましょう。これに関しても面白いデータがありまして、電話教育を行う「電話応対技能検定(もしもし検定)」というのがあり、それを主宰している公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会によると、スタートした2009年の受験者は約1,000人だったものが、今では、約45,000人と45倍にもなっているのです。これはすごい!電話教育に力を入れる企業が増えてきた証拠でしょう。
 新人の教育ももちろん大切ですが、電話を取りやすい環境を作ることも企業としてやるべきことの一つです。その仕組みとして注目されているシステムがあります。それは、「CTI(Computer Telephony Integration)」です。もともとコールセンターでの利用を目的としたシステムですが、価格が比較的安くなってきたため、企業の通常業務でも利用が広がってきました。CTIを使うと、企業の固定電話着信時に、取引先なのか、お客様なのかなどの情報が表示されるため、“誰から電話が来ている”ことが“事前”に分かるのです。つまり、誰か分からない人の電話を取るというストレスから解放され、気持ちよく電話を取ることができるのです。これにより、名前の聞き返しもなくなり、電話口で怒鳴られることもありません。新人が電話恐怖症になることも防げます。

 弊社(株式会社シンカ)でももちろんクラウドCTI「おもてなし電話」を活用しています。効果はてき面で、今年4月に入社した新人が入社当時に話していたのですが、「固定電話を取る経験があまりなかったため、電話がかかってくると緊張しました。ただ、“おもてなし電話”のおかげで誰からなのかが分かるため、電話がとても取りやすいです。“おもてなし電話”の入っていない企業に入社した同期のことを思うと、電話対応のストレスがすごそうでかわいそうです」と話していました。

 このように新しい世代の新人が入ってきたため、企業の仕組みも少しずつ変えていかないといけません。働き方改革もたくさん叫ばれていますが、新人の電話環境を整備するのもその一つではないでしょうか。
 ちなみに、「インターフォン恐怖症」という言葉もあるそうです。家にいるとき、誰か分からない人からピンポーンとインターフォンが鳴ると出るのが嫌なのだとか(笑)

 繰り返しになりますが、大切なことはこういった特徴を持った若い世代たちとうまく共存していくように、私たちも変えていかないといけないということです。

 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

★関連リンク

★江尻高宏の連載コラム

  • 電話? SMS? たくさんあるコミュニケーション手段をうまく使い分けていますか?

    自分の気持ちを“伝える”手段。現在は様々なコミュニケーション・ツールがあります。「電話」や「SNS」、ケータイ番号だけでやり取りできる「ショートメッセージ(SMS)」、「そして「メール」や「チャット」。アナログの代表である「手紙」も、直接会って話す「訪問」もコミュニケーションという点では同じ領域にあるものです。それぞれ特徴をうまく使い分け、コミュニケーションの達人を目指しましょう!

★おすすめ記事

  • マニュアルを革新する! 会社独自のノウハウを「見える化」で組織は進化する

    マニュアルと聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? 電化製品やPC関連、あるいは接客のための読みづらい手引書・・・。しかし、そんなマニュアルのイメージを一掃し、新たなビジネスサービスとして提供している会社があります。「2.1」は会社に眠っている独自のノウハウをマニュアルによって可視化〜習慣化させ、業務の効率化や社内コミュニケーションの活性化をサポートすることで注目を集めています。

  • 中小企業こそ導入したい! 最近話題の「RPA」って何?

    中小企業にとって、「人材採用」による人的リソース不足の解消はなかなか解決しない問題です。解決できなければ、現在自社で働いている社員により効率よく多くの業務を担ってもらう他はありません。とはいえ、それぞれの社員が働ける時間には限りがあります。「働き方改革」の流れの中、仕事が増えるからといって労働時間を増やすようなやり方は、時代に逆行しているといえるでしょう。人を採用せず、今いる社員の労働時間も増やさず、人的リソースに対処する。そのための切り札として今期待されているのが、RPA(Robotic Process Automation)です。

  • 地方創生、こんなITが欲しかった! 地域経済の好循環をウェブで実現させる会社

    地方創生の切り札と目されるIT。都市部の大企業では、AI、ロボット、IoTが導入され、様々な業務を自動化しつつありますが、地方にはまだその恩恵は行き渡っていません。しかし、3Dプリンタやドローンの登場など、テクノロジーの民主化がその壁を打ち破ろうとしています。それら最新のITをウェブの技術を使って、ローカル・コミュニティーの活性化につなげようとするソフト開発会社があります。東京大学在学中に創業し、今年で11年目を迎えた「株式会社リアルグローブ」です。

  • IoTを本気で日本に普及させる! 通信インフラを牽引する異色ベンチャー

    「IoTの時代が到来した」。ここ数年来、この言葉を幾度となく耳にしてきました。しかし騒がれているわりには、日本でIoT製品を目にすることはあまりありません。日本のIoTビジネスがなかなか進展しない理由のひとつが、通信インフラが整っていないことにあります。この状況を変える通信サービスで注目されているベンチャー企業があります。昨年、起業した「センスウェイ株式会社」です。

執筆者: 江尻高宏 - 株式会社シンカ代表取締役社長
関西大学大学院工学研究科修了後、株式会社日本総合研究所に入社。金融系の情報システム開発に従事し、広範囲の開発プロジェクトに参画、チームリーダやプロジェクトマネジャーを経験。その後、株式会社船井総合研究所に入社。営業、マーケティング、商品戦略を中心に、中小IT企業向けのコンサルティングに注力。特にクラウドビジネス分野に強く年間約20本の講演を担当。2014年1月に株式会社シンカを設立。「おもてなし電話」をはじめ、クラウドサービスを中心にITを世界に広めることに注力している。

コラム新着記事

  • TVドラマ「きのう何食べた?」 性的マイノリティともし同僚や友達だったら・・・

    近年、性的マイノリティを主人公にした作品が、世界中で作られるようになってきています。テレビ東京の『きのう何食べた?』もまた男性カップルの日常を描いたドラマです。自分がもしも性的マイノリティの同僚や家族、あるいは友人だったら、どういう距離感で接するべきか? を常に考えさせてくれるのが、本作の魅力です。

    2019年5月24日

    コラム

  • 斜めから見る〜今月の一冊 ⑧『昭和ノスタルジー解体ーー「懐かしさ」はどう作られたのか』

    前回の改元や世紀がわりのビジネスチャンスには上手くやれていた「ノスタルジー需要コンテンツ戦争」。改元からひと月も経っていないのに“過去形”で言うのは、負けが確定したからです。「すべての世代が当事者」のノスタルジー市場のなかで、今次どうして負けたのか? 今回紹介するのは、その分析用そして今後の戦略策定用の参考資料としての一冊です。

    2019年5月17日

    コラム

  • 株式会社シンカができるまで Vol.1 〜ベンチャーはこうして世に羽ばたく〜

    株式会社シンカ・江尻高宏さんの連載、今回からはシリーズとして会社創業時から現在にいたる汗と涙の道のりを振り返ります。何が成功を導いてくれたのか? 何が足りなかったのか? どんな出会いがあったのか? どんな発想で切り抜けたのか?・・・ベンチャー企業創業者だからこそ語ることのできるリアルストーリーです。

    2019年5月9日

    コラム

  • NHK大河「いだてん~東京オリムピック噺~」 失敗から後続の人々は学び、次の時代へと進む

    オリンピックと日本人の関わりを描いた大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)。戦国時代でも幕末でもなく、明治末から昭和にかけての日本を描く、とても画期的な挑戦です。誰かが最初に始めたからこそ道は生まれる。失敗から後続の人々は学び、次の時代へと進んでいきます。オリンピックを通して脚本の宮藤官九郎が描こうとしているのは、引き継ぎの連鎖なのです。

    2019年4月26日

    コラム

  • 「損して得取れ」のすすめ

    スタートアップで成長できている会社、継続できている会社の特徴は何なのでしょうか? これまでに数百の中小企業を見てきた李日生さんが、経験に基づいて検証します。

    2019年4月22日

    コラム

  • 在留外国人300万人時代!先進例に学ぶ、多文化共生のまちづくり(愛知県豊橋市)

    2018年末現在、日本に在留する外国人は273万人、前年比約17万人(6.6%)増で過去最高を記録。6年間で約71万人増加しました。今年4月の改正出入国管理法施行により、今後5年間で最大約35万人が増加すると見込まれていますが、このペースでいけば、2年を待たずに300万人を突破する可能性もあります。今後、多様な国や地域の人々とどう共生していくのか、日本社会のあり方が問われています。水津陽子さんの今回のコラムでは、人口の約5%を占める外国人住民との多文化共生のまちづくりに取り組む先進地にフォーカス。今後あるべき地域と外国人との関わり、多文化との共生について考えます。

    2019年4月15日

    コラム

  • 会話における必要な“非効率”

    デジタルはあらゆるものを効率化しました。しかし、心理学の「ザイアンスの定理」は「相手の人間的な側面が見えると感情が深まる」と述べています。人と人のつながりで進めていくのがビジネスだとするなら、つながりを深めるために、会話にはある程度の“非効率”が必要なのです。

    2019年4月8日

    コラム

  • 中堅・中小企業向け求人広告「中間管理職劇場 〇〇の女」はじまる!

    「女性の管理職が活躍している会社は、働きやすい会社」――HANJO HANJOで様々な中堅・中小企業を取材していて強く感じたことのひとつです。そんな女性管理職にスポットあてることで、新卒・第二新卒に向けた新しいタイプの求人広告が就活サイト・キャリタス就活2020内にて今日からはじまります。

    2019年3月18日

    コラム