SNS時代のPR、投稿ネタは「365日、4シーズン、12ヶ月」コンスタントに出し続けよ!

顧客イメージを決め、どのSNSを利用しているかを見定める/インターナショナル プレミアム・インセンティブショー

2018年10月3日
SNS全盛の今、従来のテレビCMのように不特定多数に情報を流すだけではコアなファンを獲得することが難しい時代であることは明らかです。そこでSNSを上手に活用し、ファン作りへとつなげるために必要なPRのポイントをいくつか紹介します。
 企業や店舗の集客・販促を支援する最先端のツールや多彩なサービスが一堂に集結する商談展示会「インターナショナル プレミアム・インセンティブショー」が2018年9月4〜7日の期間、東京ビッグサイトで開催されました。

 今回の「インターナショナル プレミアム・インセンティブショー」では「SPツール&インセンティブ展」や「IT販促支援展」など6つのカテゴリーに分けられたエリアが展開され、企業の販促部門や広報部門の担当者、広告代理店などの関係者約57,600人が来場。集客・販促に役立つ製品や最新の技術を使ったサービスへの関心の高さがうかがえました。

 また集客や販促に役立つノウハウ満載のセミナーも多数開催され、ヒントを求め熱心な聴講者が数多く集いました。

 今回の記事では9月6日に開催されたセミナー「SNSを最大限に活かす『PR術』」(美崎栄一郎さん/商品開発コンサルタント)より、SNS時代におけるPRのポイントについてレポートします。

商品開発コンサルタントの美崎栄一郎さん。15年間の花王での会社員時の経験やネットワークを活かし、ビジネススキルやヒット商品を生み出すコツを発信する講演家として、幅広い活躍をしている

適切な顧客に正しく情報が伝わればヒット商品になる

 美崎さんは15年間の花王株式会社勤務を経て商品開発コンサルタントとして独立。また会社員時代の経験やネットワークを活かし、数多くのビジネス書を世に送り出している作家として、またビジネススキルやヒット商品を生み出すコツを発信する講演家として、幅広い活躍をしています。

 はじめに美崎さんはSNSにおけるPRについて「自分の狙いたいユーザーがどのSNSにいるかを考えて戦略を取らないといけません」と話しました。単にSNSを使うだけでPRができる時代は終わっており、現在は商品を届ける顧客イメージを決め、その顧客がどのSNSを利用しているかを見定めて戦略的にPRをする必要があるということです。

 インパクトのある動画を活用してインバウンドへのPRに成功した翻訳機の「ili(イリー)」や、若年層を取り込むためにWebの「ニコニコ動画」とリアルのイベントである「ニコニコ超会議」を活用したJALの事例を紹介した美崎さんは「コアなファンに届けるにはSNSが一番刺さります。したがって自分たちのビジネスのコアがどこにあるかを理解しなくてはいけません」と強調しました。

 SNS全盛の今、従来のテレビCMのように不特定多数に情報を流すだけではコアなファンを獲得することが難しい時代であることは明らかです。そこでSNSを上手に活用し、ファン作りへとつなげるために必要なPRのポイントをいくつか紹介します。

「コアなファンに届けるにはSNSが一番刺さります。自分たちのビジネスのコアがどこにあるかを理解しなくてはいけません」(美崎さん)

心がけるべきは「時流に乗っていて」「楽しい」投稿

 SNSでPRを行うときにまず押さえておきたいのが「時流に乗っているか」ということです。例えばアップル社のiPhoneは新商品が発売されるたびにアップルストアに行列ができ、それを多くのメディアが取り上げます。しかしこれはiPhoneの新作をメディアが取り上げているのではなく、新作に集まった行列という社会現象(=時流)が起こるからメディアが取り上げるのだと美崎さんは解説します。

 また美崎さんが代表を務める株式会社戦国では、真田丸のドラマが放映されていた時期に「刀剣タイツ」という商品を発売しました。ちょうど同時期に流行していた日本刀好きの女性、いわゆる「刀剣女子」のブームに合わせてPRを行ったため「刀剣タイツ」はヒット商品となったそうです。

 「時流は大きなものである必要はありません。刀剣女子のような狭くて小さいもので十分です。ただし、お金を落としてくれる人がいる時流に乗らなくてはなりません」

 「インバウンド」や「爆買い」という時流はまだ続いているものの、大きくなりすぎてしまっているので「香港」や「タイ」のように小さくして考えることが必要だということです。

SNSのPRで押さえておきたいのが「時流に乗っているかどうか」。たとえばiPhone。新商品をメディアが取り上げているのではなく、そこに集まった行列という社会現象(=時流)が起こることによってメディアは騒ぐのである

 またSNSに投稿する内容は「楽しい・嬉しい・面白い」といったポジティブな話題かどうかが重要だと美崎さんは話します。共感が伝播するのが現代風なのだそうです。

 例えば映画『カメラを止めるな!』が低予算の映画ながら異例の大ヒットとなっているのは、映画を鑑賞した人の「面白かった」という気持ちがSNSで拡散し、多くの人がそれに共感しているからであると美崎さんは見ています。

 逆に事故や災害などの話題はSNSで大きく取り上げられやすいですが、ネガティブな印象が大きいためPRとして使うのには向いていないとのことです。

 投稿する内容を吟味し、投稿すべきタイミングを見極めることがSNSを使ったPRの第一歩と言えそうです。

美崎さんは数多くのビジネス書を世に送り出している作家でもある

SNSに投稿する内容を1年分用意しておく

 ではSNSに投稿すべきタイミングはどのように見極めればよいのでしょうか。美崎さんは「365/4/12」というキーワードを提示しました。これは「365日、4シーズン、12ヶ月」という意味で、「投稿するネタをいかにコンスタントに出せるかを最初に考えておかないといけません」と美崎さんは話します。

 SNSはホームページやブログのような「ストック型」のメディアに対して「フロー型」のメディアと呼ばれています。投稿した内容が時間の経過とともに流れていってしまう特徴があるからです。つまりSNSを活用するためには「投稿した情報はすぐに流れていってしまうもの」という前提をしっかりと認識しておく必要があります。

 テレビのCMは放映枠を買っておけば同じ内容のCMを何度でも流すことができますが、SNSは同じ内容の投稿を繰り返しても効果が出にくいため、毎回新しいネタを出さなくてはなりません。しかし「SNSが流行っているからりあえずやってみる」ではすぐにネタが尽きてしまいます。それを防ぐためにはあらかじめ1年分のネタを用意することが必要だと美崎さんは説明します。これが「365/4/12」のキーワードに結びつくというわけです。

 例えば自社の商品を「今日は何の日?」に引っ掛けたり、季節的なものと絡めるメディアに取り上げられやすくなるので、あらかじめカレンダーをチェックし、日付に意味を持たせることは有効な方法として多くの企業が取り入れています。

 また名古屋で飴の製造販売を手がける「まいあめ工房」のように、世の中で話題となっているものを製品化することでメディアに取り上げられ、そこから受注につながるという事例も数多く見受けられます。

 最後に美崎さんは「話題になれば、こちらが何もしなくても向こうから聞いてくるようになります」と締めくくりました。

 SNSは無料で手軽に使える便利なツールであり、話題になれば大きな効果が得られる反面、適当に投稿するだけではPRを成功に結びつけることはできません。SNSの持つPR効果を最大限に発揮するためには、長期的な視野を持ち、戦略的に投稿を行うことが必要だと言えそうです。

企業や店舗の集客・販促を支援する最先端のツールや多彩なサービスが一堂に集結する商談展示会「インターナショナル プレミアム・インセンティブショー」

(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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