企業の電話対応が劇的に変わる!? CTIの上手な活用方法【後編】

2018年8月31日
会社に入ったばかり、新人の頃は電話を取るのが怖くありませんでしたか? そんな恐怖の電話対応から解放されるサービスがあります。それが 「CTI」です。シリーズ後編ではユニークな活用事例をお伝えします。
 こんにちは。クラウドCTI「おもてなし電話」の江尻です。

 今回は、CTIの上手な活用方法の後編として、企業におけるCTIの面白い活用事例をお伝えしたいと思います。弊社が提供するクラウドCTI「おもてなし電話」は、コールセンター向けではありません。中堅大手企業や中小企業の、まさに現場業務でご利用いただくことを目的としております。そのため、様々な規模の、多くの業種の企業でご利用いただいております。

 【前編】では、CTIを活用すれば電話着信時にかけてきた方の名前や会社情報などがパソコンに表示されるため、「お名前をもう一度お願いします」「すみません、会社名をもう一度・・・」と、聞き返す恐怖心がなくなるという事例をお話しさせていただきました。今回は、ご利用現場から出たとてもユニークな活用事例をお伝えしたいと思います。

ベテランでなくても、誰でも電話が取れる

 店長やオーナー、ベテランスタッフになると、常連のお客様から電話がかかってきたら、その声を聴くだけで誰か分かるというスペシャルな方がいます。何度もその方と話をしているので、声を聞くだけで名前が出てくるのでしょう。これはとても素晴らしいのですが、誰でもできるというものではありません。アルバイトスタッフや新人スタッフにいきなり声で常連様を判断しろというのは酷なことです。

 こういった場面で活用できるのが、CTIです。

 電話をかけてきた方が、これまで何回お店に来てくれた人か、累計の購入金額がいくらか、お付き合いの長い取引先なのかなどがすぐに分かれば、いかがでしょうか?

 お店の利用頻度が分かる情報や取引先との関係の深さが分かる情報が表示されれば、それを見るだけで、“常連様なのかどうか”がすぐに分かります。

 例えば、「うちのお店に5回以上来てくれているお客様は常連様」「累計金額が10万円以上のお客様は常連様」といった基準を決めれば、表示された情報を見るだけで、その基準を超えているかどうか、つまり常連様かどうかがすぐわかるのです。しかも、誰でもわかります。声で判断しろというのはとても難しいことですが、この基準を超えているかどうかを判断しろというのはとても容易いことです。新人スタッフでも、すぐに常連様と分かり、気持ちのいい電話対応が可能になります。

 ある高級な料亭では、電話を取るのは女将しか許されていませんでした。なぜなら、とても大切なお客様から電話がかかってきたときに、誰か分からず失礼な対応をして怒らせでもしたら大変だからです。しかし、女将が留守のときや、別の電話に出ているときに、電話が鳴ると、大変な状況になります。女将以外、誰も電話をとれないので、電話が鳴りっぱなしになるのです。電話がいつまでも鳴りっぱなしって不快ですよね。スタッフの仕事の集中を切らせたり、仕事の手を止めたりしてしまいます。とても残念な状況ですね。

 CTIを使えば、女将以外のスタッフでもいいお客様と分かって取れるようになるため、女将以外でも失礼のない電話対応が可能になるのです。

 ある居酒屋のアルバイトスタッフの日報を見せてもらったことがあります。そこに記載されていた内容に私は感動しました。書かれていた内容は、

「これまで正社員が電話を取ると常連様とすぐ分かるのでとても楽しそうに電話をしていました。しかし自分は常連様かどうかが分からなかったのでいつも普通の対応しかできませんでした。しかし、このCTIがあるといつもの常連様からの電話と分かるので、正社員と変わらない電話対応ができるようになりました。今まで以上にお客様と仲良くなれてとても嬉しいです」

 アルバイトスタッフが気持ちよく、そして意識高く働けるようになるのは、実は電話対応一本からでも可能なのですね。

あとで電話をかけなおす

 通常は、電話がかかってきたら、取らずにはいられません。なぜなら、“誰か分からない”からです。つまり、これまでの電話は、誰か分からない電話が鳴っているのです。これが分かるようになると、実はこんなことができるようになります。

 それは何かというと、“今電話を取るのはやめて、後でかけなおそう”

 上手な活用方法を聞いたことがあります。ある料亭の事例なのですが、お店がオープンする前は仕込みを調理場で行っていて、ホールには誰もいません。そのため、電話が鳴ると、仕込みを中断し、手を洗い、タオルで手をふき、そして電話を取るということをやっていました。その電話が予約のためのお客様からの電話だったらいいのですが、業者や関係ない電話であれば、たまったものじゃありません。電話が鳴るたびに仕込みが中断し、手を洗うなどの面倒な手間がかかっていたのです。

 しかし、CTIがあれば、着信時に誰か分かるため、お客様以外であれば、電話を“取らない”ということができるのです。例えば業者からの電話で、今でなくてもいいのであれば、仕込みに集中し、そのあとに折り返せばいいのです。

 CTIがあれば、電話は“必ずしも取らなくてもいい”という判断ができるようになります。これは業務効率化という観点で考えても、なかなか画期的だと感じています。

働く職場を改善する

 こちらは、前述した名前や会社名を聞き返すストレスが無くなるという話とよく似た活用事例です。

 業種によっては、電話をかけてくるお客様が比較的高齢者が多いというケースがあります。たとえば、介護業界や地域密着のクリニック、調剤薬局などです。

 高齢者からの電話の場合、たまにあると聞いたことがあるのが、何度聞き返しても名前が聞き取れないということです。4回、5回と聞き返しても、よく聞き取れないというのは、かなりのストレスです。時間も無駄です。比較的難しいお名前や珍しいお名前の高齢者の方に多いケースのようです。また、高齢者からの電話の場合、名乗らずにいきなり話し始める方もいるそうです。

 もちろん、高齢者からの電話はこういったものばかりではありませんが、たまにあるこのようなケースがゼロにできるとしたら、それは電話業務のストレスをかなり改善することができます。細かいことかもしれませんが、改善は積み重ねが大事です。

迷惑電話の対策として

 しつこい営業電話って迷惑ですよね。彼らも仕事として頑張っているのでしょうが、忙しい時にかけてこられると迷惑だなって本当に思います。トーク内容もとても巧妙で、受付を突破して経営者までつないでしまうということもあることでしょう。

 こういった場合は、かかってきた営業電話を「迷惑電話」としてCTIに登録するのです。そうすると、もう今後同じ営業電話がかかってきても、電話を取る必要はありません。何度もかけてくる会社もありますので、そういったケースで2回目以降は無視したりすぐに電話を切ったりなどの対応が可能になります。

 ある工務店では、いたずら電話がたまにかかってきて本当に困っていたことをお聞きしました。その工務店では地元密着をうたい、明るく親近感のあるイメージを出すために、ホームページ(HP)にスタッフの顔写真と名前を掲載していました。もちろん女性スタッフも。そうすると、そのHPを見た人から、いたずら電話がかかってくることがあるのです。どの子が電話に出るのかが分かるため、電話をかけてきて「いつ仕事終わるの?」「食事に行こうよ」などと、執拗に誘ったりする電話があったらしいのです。それで女性スタッフが会社に来られなくなったこともあったそうです。本当にひどい話ですね。CTIを活用するようになって、こういったケースがなくなりました。

 電話着信時にお客様情報が表示されれば、安心して電話が取れます。何も表示されなければ、いたずら電話かもしれないため、女性スタッフが電話を取るのをやめました。女性スタッフはこれまで通り、明るく気持ちのいい電話対応ができるようになったのです。
その工務店の経営者さんに言われた言葉は今も忘れません。

 「CTIは地元密着でやっている会社を幸せにするよ」

新卒採用の現場での活用事例

 最近、人事部でCTIを活用いただくことが増えてまいりました。特に大手の人事部での活用が多いですね。使い方はいたってシンプルなのですが、効果は絶大とのことでした。

 新卒採用の現場では、今は完全に売り手市場で、学生が企業を選べる時代です。本当にいい時代ですね。私は2000年卒の超氷河期と言われた時代だったので、就職活動は本当に大変でした。何十社も採用面接を受けても内定を一社ももらえないという人が少なくなかった時代です。「入れるならどこでもいい」と考えている人も少なからずいました。本当に厳しい時代でした。

 すみません、話がそれたので戻しますと、今は売り手市場のため、企業は少しでも他社より差別化しようとしています。学生に選んでもらうために、いい会社だということをアピールすることが大切です。

 そんなときに、ちょっとした差別化として利用できるのがCTIです。

 CTIで、学生から会社に電話がかかってきたときに、どの学生なのかがすぐに分かります。
会社説明会に来る予定の学生なのか、一次面接を受かった学生なのか、二次面接をパスした学生なのか。二次面接をパスした学生であれば、企業としても欲しい学生のはず。手厚く対応したいものです。そんな時にCTIを活用すれば、電話着信時に学生情報が分かるため、どのメンバーが電話に出ても、次のような対応ができるのです。

 「〇〇(学生の名前)さん、こんにちは!先日の面接はお疲れ様でした!」

 いきなり名前を呼んで電話に出られるのです。シンプルですが、これがとても効果が高いとのことです。

 いきなり名前を呼ばれることで自分のことを本当に分かってくれている、覚えてくれていると感じ、とてもうれしくなります。また、学生は高級店などに行く経験はあまりないため、最高のサービスを受けるということに慣れていません。実は、これはとてもチャンスでして、とても気持ちのいいおもてなし対応をすれば、学生の印象に残りやすくなります。その中でも、電話を掛けたら自分が名乗る前にいきなり名前で呼ばれるとなると、強烈なインパクトです。その会社のことを「いい会社だ」と思うことに違いありません。他社よりもちょっとだけ優位に立つことができます。採用が難しい今の時代、ちょっとでも優位に立てるなら、やらない手はないですね。

 いかがでしょうか?

 なかなかユニークな使い方もありますよね。まだまだユニークな活用事例はあるのですが、ちょっと長くなってしまいましたので、今回はここまでとさせていただきます。次の機会でまたご紹介させていただければと思います。

 CTIなどのITサービスは、ツール(道具)の一つですので、現場で活用して初めて意味があります。むしろ現場で活用するからこそ、ユニークな使い方などの発想が出てくるのかもしれません。

 今後も、CTIに限らず、ITの面白い活用事例などをお伝えしていきたいと思います。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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執筆者: 江尻高宏 - 株式会社シンカ代表取締役社長
関西大学大学院工学研究科修了後、株式会社日本総合研究所に入社。金融系の情報システム開発に従事し、広範囲の開発プロジェクトに参画、チームリーダやプロジェクトマネジャーを経験。その後、株式会社船井総合研究所に入社。営業、マーケティング、商品戦略を中心に、中小IT企業向けのコンサルティングに注力。特にクラウドビジネス分野に強く年間約20本の講演を担当。2014年1月に株式会社シンカを設立。「おもてなし電話」をはじめ、クラウドサービスを中心にITを世界に広めることに注力している。

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