コナカが「おもてなし規格認証・紺認証」を取得! ファッション・衣料小売業、新たな次元へ(後編)

商品とサービスの交差するところで生まれる上質の「おもてなし」

2018年8月29日
日本のサービス産業と地域経済の活性化を図るために誕生した「おもてなし規格認証」。サービス品質を「見える化」するための規格認証制度として、様々な業種の会社や事業所が有効に活用しています。サービス産業のなかでもウェイトが高いのがファッション・衣料関連です。前編に引き続き、本社および紳士服コナカ全店舗でおもてなし規格認証「紺認証」を取得した「株式会社コナカ」の現場からの声を伝えます。
日本のサービス産業と地域経済の活性化を図るために誕生した「おもてなし規格認証」。サービス品質を「見える化」するための規格認証制度として、様々な業種の会社や事業所が有効に活用しています。サービス産業のなかでもウェイトが高いのがファッション・衣料関連です。「接客」の最前線に立ち、その動向は業界全体の生産性向上のカギを握っています。

今回紹介するのは、4月に本社および紳士服コナカ全店舗でおもてなし規格認証「紺認証」を取得した「株式会社コナカ」です。衣料小売業においてチェーン店舗全店では初めての取得ということでも、大きな注目を集めています。

おもてなし規格認証によってお店やスタッフの何が変わったのでしょうか? エリアマネージャーの増田哲弥さんに新橋の「コナカ・ザ・フラッグ」で話を聞きました。(前・後編でおおくりします)

株式会社コナカ エリアマネージャーの増田哲弥さん。コナカは今年4月に本社および紳士服コナカ全店舗で「おもてなし規格認証『紺認証』」を取得した。衣料小売業においてチェーン店舗全店では初めての取得ということでも、大きな注目を集めている

CS(顧客満足)とES(従業員満足)の循環が良質のおもてなしを生む

ーーおもてなし規格認証では、CS(顧客満足)やES(従業員満足)も重視しています。

まず「顧客満足度向上」についてお話しします。情報発信の面では、顧客に対するDM(ダイレクトメール)の発送はもちろん、メールマガジンやアプリケ―ションを使った定期的な情報発信やクーポンのご案内を実施、またfacebook、TwitterなどSNSも活用しています。ポイントサービス制はお客様にとって当たり前になっていますが、当社でも利便性の高い楽天ポイント(共通ポイント)が貯まる、使えることをご案内しています。

SNSでは、いま、トリビア系の話題が人気です。また新商品の情報はお客様の満足度向上につながっています。このような日常的なメッセージ発信が「コナカは他とは違う」と思っていただき、ひいてはお客様との距離を縮めてくれるのだと思います。

将来的にはコナカアプリケ―ションを使ってパターンオーダーシャツを注文できるサービスも考えています。アプリケ―ションには、お客様のサイズ情報を登録できる機能もあり、便利にお使いいただけます。ご期待ください。

ーー「ESなくして、CSなし」とも言われます。

日頃から、商品の勉強会、販売ロールプレイングをおこない、接客レベルの向上に取り組んでいます。その結果、お電話やお手紙、メールで「的確なアドバイスをもらえた」「いい買い物ができた」「急ぎの用で開店前にも関わらず丁寧な接客を受けた」などのお褒めの言葉をいただくことが多くあります。

これを全店舗に発信することで、スタッフに自信と誇りが生まれ、さらなるお客様満足を考えていくようになります。

ーーコナカの店舗スタッフの対応に好印象を持ったという声をよく耳にします。

お客様が来店された際の「感じの良い第一印象」についての教育を重点的におこなっています。まず笑顔ですね。そして適量の「いらっしゃいませ」。感じの良さとは、笑顔、声の大きさ、姿勢の総体だと考えています。第一印象で「なんかいいよね」と感じられたお客様はスタッフに声をかけてくださいます。お客様の目を見て体を向けて「なにかあればぜひお声がけください」という視線を送ることを励行しています。

ほかには、店舗スタッフ全員でおもてなしをする「チーム接客」を実施しています。販売スタッフ個人のお客様ではなく「店舗のお客様」として応対することで、お客様との約束事もスタッフ全員で共有できるようになりました。担当でなくてはわからないという事態がおこらなくなり、いつ店舗に行っても顔なじみの店員がいるということで、お客様には店舗に対する親近感と安心感が生まれているようです。

「お客様が来店された際の『感じの良い第一印象』についての教育を重点的におこなっています」(増田さん)。新橋の「コナカ・ザ・フラッグ」で

「WHY」を明らかにすることでスタッフが自律的に行動し始める

ーー業務改善、効率化ではどんな工夫をされていますか。

店舗では「5S」を強化し、バックオフィスの整理整頓に努め、作業の効率化を図り、スタッフが接客に集中できる状態をつくっています。作業の分担、指示を日々一覧にし、早番・遅番いずれのスタッフも、出社すれば本日の役割が何かがわかるようにしています。それにより無駄なく業務が進められます。

そのほかにもコナカ教育マニュアル、苦情対応マニュアルを整備し、店舗スタッフは必要に応じて引用しています。緊急に改善が必要な内容は、朝礼・ミーティング等でその都度、共有します。

私がエリアマネージャーとして現場で意識しているのは、標語で終わらせないためにそれぞれの理由をきちんと説明することです。「整理整頓しましょう」という言葉だけではぴんとこないスタッフもいます。「バックオフィスを整理することでお客様への商品提示の時間が短くなり、スピーディーな対応にお客様が喜んでくださる」という理由を伝えています。

ーー「WHY」を明らかにすることでスタッフが自律的に行動し始めるのですね。

「理由がわからなくてもいい」という態度で指示を出すと、「やらなくてもいいんだ」という選択肢を与えてしまうことになります。丁寧に説明をし、やる理由を理解すれば、そんな気持ちは起こりません。

おもてなし規格認証マークがお客様の信頼を導いてくれる

おもてなし規格認証・紺認証を様々な場所で掲示している。全店舗で入口ドアに紺認証のステッカーを貼り、カウンターでは認証書を掲示。店舗スタッフだけでなく本社スタッフもでも、紺認証バッジを上着の衿に取付けている

ーー外国人を含めた多様な背景を持つ方々へのダイバーシティにも取り組んでいますね。

コナカ全店で免税店登録をしていて、クレジットカードなどで海外からのお客様に対応しています。特にこのところ増加している中国からのお客様のご要望にお応えするべく、銀聯カードも取り扱っています。KONAKA THE FLAG 新橋では、アリペイ、WeChatPayにも対応しています。

店内には指さしマップを用意し、接客時に活用することで、スムーズなお買物による満足度向上につなげています。また、店舗スタッフが売場に立つ際に重視していることのひとつに「目配り」「心配り」があります。常に売場全体を見渡し、車いすの方がいらっしゃれば積極的にお声掛けし、売場案内やエレベーターへの誘導、商品案内などお手伝いをスムーズにおこなえるよう心掛けています。

コナカ全店で免税店登録をしており、クレジットカードなどで海外からのお客様に対応している。店内には指さしマップを用意し、接客時に活用することで、スムーズなお買物による、満足度向上につなげている

ーーおもてなし規格認証取得をどのようにアピールしていますか。

現在、全店舗で入口ドアに紺認証のステッカーを貼り、カウンターでは認証書を掲示しています。店舗スタッフだけでなく本社スタッフも、紺認証バッジを上着の衿に取付けています。接客時には、お客様に名刺をお渡しするようにしていますが、この名刺にもおもてなし規格認証ロゴを印刷しています。また、印刷物やウェブサイトにも認証マークは必ず掲載するようにしています。

「それは何のマークですか?」という風に、バッジについてお客様から質問を受けることも多くなりました。お客様の目につくことで、紺認証に相応しい接客やサービスを意識することにつながっています。スタッフは良い意味での緊張感を感じていると思います。

――お客様にとっておもてなし規格認証は、サービスの質が一目でわかるシンボルとなります。

コナカ・ザ・フラッグは海外からのお客様が多く来店されます。おもてなし規格認証の認知度が上がるにつれて、認証マークがお客様の信頼を導いてくれるようになるはずです。コナカの店舗は「おもてなし規格認証を取得している店=サービスの良い店」であることを浸透させ、ファンを増やして客数向上のために活用していこうと考えています。

ーー増田さんが考える「おもてなし」のイメージを教えてください。

これはあくまで個人的な意見ですが、「お客様に『いいな!』と思ってもらうこと」ですね。「いいな!」はいろいろなところにいっぱいあります。例えば「接客がいいな!」「涼しくていいな!」「立地がいいな!」などなど。そんな「いいな!」をたくさんお客様にご提供することが、最高の「おもてなし」という形になるのではないでしょうか。

具体的には、様々な立地で店舗展開しているなか、その地域の特質などに配慮して、「お客様に感動・共鳴するおもてなし」を提供することができると考えています。

「コナカの店舗は『おもてなし規格認証を取得している店=サービスの良い店』であることを浸透させ、ファンを増やして客数向上のために活用していこうと考えています」(増田さん)

執筆者: 加藤陽之 - HANJO HANJO 編集長
コンピュータ関連の出版社からキャリアを始め、カルチャー雑誌などの編集長を歴任。これまで数多くの著名人をインタビューしてきた経験を活かし、HANJO HANJOでは中小企業経営者の深く掘り下げた話を引き出し続ける取材の日々。

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