コナカが「おもてなし規格認証・紺認証」を取得! ファッション・衣料小売業、新たな次元へ(前編)

2018年8月27日
日本のサービス産業と地域経済の活性化を図るために誕生した「おもてなし規格認証」。サービス品質を「見える化」するための規格認証制度として、様々な業種の会社や事業所が有効に活用しています。サービス産業のなかでもウェイトが高いのがファッション・衣料関連です。今回紹介するのは、4月に本社および紳士服コナカ全店舗でおもてなし規格認証「紺認証」を取得した「株式会社コナカ」です。

株式会社コナカ エリアマネージャーの増田哲弥さん。コナカは今年4月に本社および紳士服コナカ全店舗で「おもてなし規格認証『紺認証』」を取得した。衣料小売業においてチェーン店舗全店では初めての取得ということでも、大きな注目を集めている

日本のサービス産業と地域経済の活性化を図るために誕生した「おもてなし規格認証」。サービス品質を「見える化」するための規格認証制度として、様々な業種の会社や事業所が有効に活用しています。サービス産業のなかでもウェイトが高いのがファッション・衣料関連です。「接客」の最前線に立ち、その動向は業界全体の生産性向上のカギを握っています。

今回紹介するのは、4月に本社および紳士服コナカ全店舗でおもてなし規格認証「紺認証」を取得した「株式会社コナカ」です。衣料小売業においてチェーン店舗全店では初めての取得ということでも、大きな注目を集めています。

おもてなし規格認証によってお店やスタッフの何が変わったのでしょうか? エリアマネージャーの増田哲弥さんに新橋の「コナカ・ザ・フラッグ」で話を聞きました。(前・後編でおおくりします)

創意工夫が凝らされたサービス、その中身とは?

ーーおもてなし規格認証「紺認証」を取得してスタッフにどういう意識が生まれましたか?

紳士服コナカ全店で紺認証を取得できたことは働くスタッフにとっても大変光栄で、接客業務を中心に自信と誇りにつながっています。店舗では「お客様に喜んでいただけるサービスとは何か」「どの様な『おもてなし』を実践すればファンになっていただけるのか」「再来店していただけるのか」をいつも考えていました。そんななか、サービス品質を「見える化」する、おもてなし規格認証制度を知り、大変興味を持ちました。

そして、よりお客様に楽しくお買物をしていただくことを目的に、紳士服コナカ全店を挙げておもてなしに取り組みました。

おもてなし規格認証「紺認証」を取得したことで「接客業務を中心に自信と誇りにつながっています」(増田さん)。新橋の「コナカ・ザ・フラッグ」で

ーー「紺認証」の評価基準は、「創意工夫が凝らされたサービス」提供者です。

その紺認証を取得できたことで、私たちがこれまで実践してきたサービス内容に自信を持ちました。例えば、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング/ディスプレイによるマーケティング手法)では商品の陳列や演出、商品を選びやすいお店作りをしっかりと学びました。接客スキルでは、全店舗のスタッフを対象に、現場を想定したロールプレイング研修を定期的におこなうなど、ことあるごとにサービスの基本に立ち返っています。

そして大切な商品です。コナカでは商品の企画・生産から流通、販売にいたるまでを完全に自社でプロデュースする、SPA(製造小売)システムを採用しています。この独自の商品開発体制により、多くのお客様より高い評価をいただける商品をタイムリーにそしてリーズナブルに提供しています。

ーー「紺認証」では現場審査もありますね。

店舗で実施しているサービスや店舗運営上の効率化についての評価・指摘事項をいただくことで、以降の店舗運営、社員指導、店舗演出の参考になりました。また「心のバリアフリー」*についても意識が高まりました。
(*編注:高齢者、障害者等の困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除き、その社会参加に積極的に協力する意識のこと)

「紺認証」の評価基準は「創意工夫が凝らされたサービス」提供者であること。現場審査をはじめ、評価・指摘事項が、「店舗運営、社員指導、店舗演出の参考になりました」(増田さん)

ーー外部のプロによる声、視点は業務改善に役に立つということでしょうか。

おもてなし規格認証は評価基準が明示されていますので、とても理解しやすいと思います。スタッフによってサービスの質に個人差が生まれることもありますが、基準があればマネージャーも指導しやすいですし、聞く方もわかりやすい。お客様がコナカのどの店でも同じサービスが受けられることは重要です。おもてなし規格認証取得のポイントはその点にもあります。

商品とサービスの品質を「見える化」させるなかで、付加価値は生まれた

ーーコナカの理念、そしてそれがお客様にとってどういう意味を持つのかをお聞かせください。

お客様にご満足していただくため「品質」を重視しています。「全ては品質から。」をテーマに、次の5つの要素で構成しています。
1つ目に厳選された原料の調達から生産ラインまで徹底的にこだわって生み出す「素材」です。2つ目は、細分化された工程ごとの品質管理体制や、熟練の職人によって培われた「技術」 、3つ目は、あらゆるビジネスシーンにおいて快適な着心地を実現させる「機能」、4つ目は、世界的なデザイナーが個性を活かしたデザインを追求して生み出す「ファッション」。5つ目に、お客様目線でスーツ選びをサポートすることや、エコ志向を形にした下取りなどの「サービス」です。

コナカの各店舗では、この5つの品質をお客様にご提供することがお客様の満足度向上につながると考えています。

ーー生産性の向上が求められるいま、付加価値を生み出すことは必須です。

商品面とサービス面、この2つの側面でそれぞれ付加価値創造への努力をしてきました。

商品面においては、大きく分けて3つのポイントがあります。1つは、先程お話した商品の企画・生産から流通、販売にいたるまでを完全に自社でプロデュースする「SPA(製造小売)」システムを採用していること。

2つ目に、スーツを着用するビジネスマンに喜んでいただける「機能製品」の開発です。温水シャワーでシワ、汚れ、臭いを洗い流す「シャワークリーンスーツ」や、シワ回復性に優れた「ウルトラタフスーツ」などを展開しています。今シーズンは洗濯機で丸洗いし、ドラム式乾燥機による乾燥後、ノーアイロンで着用できる「ウルトラウォッシュスーツ」など、お客様にご満足いただける機能商品を他社に先駆けて提供しています。

そしてまた、高品質ニュージーランド産ウールを使用した「リアルコレクションスーツ」です。ニュージーランド政府との協力関係で、羊、つまり原毛から生産しています。ここまで徹底してやっている会社はめずらしいのではないでしょうか。

コナカでは商品面とサービス面の側面でそれぞれ付加価値創造をおこなっている。商品の企画・生産から流通、販売にいたるまでを完全に自社でプロデュースする「SPA(製造小売)」システム、そして「機能製品」の開発や「リアルコレクションスーツ」などだ。(写真左上:ニュージーランド政府との協力関係で生産している羊の原毛 左下:温水シャワーでシワ、汚れ、臭いを洗い流す「シャワークリーンスーツ」 右:「全ては品質から。」がコナカの理念

「価格に見合った品質である」ことが重要

ーーサービス面ではお店での場面を想定した「接客力」を磨いているそうですね。

全販売スタッフが参加する年2回のロールプレイング研修で、そのシーズンの新商品を中心に商品の特性から付加価値にいたるまで、お客様にご説明出来る販売話法の習得と、基本となる接客の見直しをおこなっています。

また、店舗で毎日実施しているロールプレイング実習では「教科書」にのっていない場面を想定して演じることもあります。お客様のご要望に応えるのがサービスですが、「お客様のご要望を超える」こともサービスの重要な点です。そこでご満足いただけるようになれば、付加価値につながっていくのだと思います。

「お受験の面接であわててやってきた」「法事があるんだけどどういう服装がいいのか」
かつてはフォーマルという定型がありましたが、今の時代は多様化して一筋縄ではいきません。現場でお客様に的確なアドバイスができるように、場面を想定した勉強会をおこなっています。

そのほかにも、お客様に喜んでいただけるコーディネートの学習を店舗の朝礼時間を中心に実施しています。単にトレンドを学ぶだけではなく、よく売れているパターンやよく尋ねられるコーディネートを共有することで、お客様のTPOに合わせたご提案に役立っています。

ーーある意味、接客もコンサル化しているんですね。

情報があふれている時代に物を売るだけではお客様にご満足していただけません。教科書にのっていない部分をお客様から求められることが多くなってきました。昨日起きたことが今日起きるわけではありません。その意味においては接客させていただく側が、引き出しを増やしていくという認識が必要です。そこにプロの存在意義があると思います。

ーーお客様が価格にシビアな時代です。価格と品質の関係をどのようにお考えですか。

「価格が高い安い」というのではなく、「価格に見合った品質である」ということが大切だと思います。さらにそこに優れた接客というサービスが交わらないとダメだというのが、現場にいるとわかってきます。もちろん色合いやお客様にお似合いかどうかといったファッション性はこの業種の大前提です。(後編に続く)

「接客させていただく側が、引き出しを増やしていくという認識が必要です。そこにプロの存在意義があります」(増田さん)

  • コナカが「おもてなし規格認証・紺認証」を取得! ファッション・衣料小売業、新たな次元へ(後編)

    日本のサービス産業と地域経済の活性化を図るために誕生した「おもてなし規格認証」。サービス品質を「見える化」するための規格認証制度として、様々な業種の会社や事業所が有効に活用しています。サービス産業のなかでもウェイトが高いのがファッション・衣料関連です。前編に引き続き、本社および紳士服コナカ全店舗でおもてなし規格認証「紺認証」を取得した「株式会社コナカ」の現場からの声を伝えます。

執筆者: 加藤陽之 - HANJO HANJO 編集長
コンピュータ関連の出版社からキャリアを始め、カルチャー雑誌などの編集長を歴任。これまで数多くの著名人をインタビューしてきた経験を活かし、HANJO HANJOでは中小企業経営者の深く掘り下げた話を引き出し続ける取材の日々。

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