「いきなり!ステーキ」がブランディングに成功した秘密を探る!

いまや全国区の知名度、18年の出店計画は200店舗/『販促・マーケティング総合展』

2018年7月13日
街を歩くと「いきなり!ステーキ」の看板を目にするようになりました。それもそのはず、全国に282店舗もあるのだそうです。「いきなり!ステーキ」がいかにしてブランディングに成功したか? その秘密についてレポートします。
 販促・マーケティングに関わる商材を比較検討しながら揃えることができる総合展示会『販促・マーケティング総合展』が2018年7月4日〜6日の期間、東京ビッグサイトで開催されました。
 販促EXPO、店舗販促EXPO、営業支援EXPO、広告宣伝EXPO、Web販促EXPOの5つの専門展で構成された『販促・マーケティング総合展』では、販促に関わるチラシやDMの印刷サービス紹介や、ノベルティや什器、POP、デジタルサイネージなどの見本が数多く展示され、3日間で訪れた来場者は38420人と大盛況。また業界の第一線で活躍している講師陣による業界動向や事例が学べるセミナーも多数開催され、こちらも多くのビジネスパーソンで賑わいました。

 今回の記事では7月6日に開催されたセミナー「いきなり!ステーキ 大躍進の秘密」の講演より、「いきなり!ステーキ」がいかにしてブランディングに成功したか? その秘密についてレポートします。

株式会社ペッパーフードサービス 代表取締役社長CEO 一瀬邦夫さん。「2018年度は1年間で200店舗の出店」を宣言している

準備を万端に整え、ボトルネックをなくす

 街を歩くといろいろな場所で「いきなり!ステーキ」の看板を目にするようになりました。それもそのはず、「いきなり!ステーキ」の店舗はセミナーのあった7月6日時点で全国に282店舗もあるのだそうです。

 今回のセミナー講師はそんな「いきなり!ステーキ」を運営する株式会社ペッパーフードサービス 代表取締役社長CEOの一瀬邦夫さん。高校を卒業すると同時にコックの修行を始めた一瀬社長は1970年に「キッチンくに(現 炭焼ステーキくに)」を開業、1994年には低価格ステーキ店「ペッパーランチ」の展開を開始し、そして2013年銀座四丁目に「いきなり!ステーキ」の1号店出店。まさに人生の半分以上をステーキと共に歩んできました。

 「いきなり!ステーキ」の店舗数は、2013年の1号店出店を手始めに一気に拡大し、なんと2年8ヶ月で100店舗を達成。100店舗達成はマクドナルドが3年、スターバックスが5年かかっていることから見ても異例の速さと言えそうです。さらに昨年の8月に一部上場を果たしたタイミングで「2018年度は1年間で200店舗の出店」を宣言している一瀬社長。この驚異的な成長スピードの背景にはどのような秘密があるのでしょうか?

 その秘密は準備を万端に整え、ボトルネックをなくすことにあるようです。200店舗の出店となると物件や従業員の確保が大きなボトルネックとなりますが、「200店舗出店宣言」のあと多くの方々から物件の紹介を受けたそうです。また従業員の働きたくなる職場環境づくりを徹底しているため、2018年の4月には新卒・中途を含め100名が入社しています。もちろん会社組織全体を巻き込んで入念なミーティングを重ねているということは言うまでもありません。

 「1年間で200店出すということは、200店出すための用意を十分にしないといけません。翌年の予算に全部反映されますし、達成できなかったら未達が続いて多くの方にご迷惑をかけてしまう。ですから本当に慎重になりました」(一瀬社長)

「いきなり!ステーキ」の店舗数は、2013年の1号店出店を手始めに一気に拡大し、2年8ヶ月で100店舗を達成。マクドナルドが3年、スターバックスが5年かかっていることから見ても異例の速さと言えそう

大きな夢を語り、士気を鼓舞し、結果に報いる

 近年外食産業の人手不足が問題となっていますが、現在社員数750名、アルバイト・パートを含め7000名以上と、ペッパーフードサービスでは順調に従業員数を増やしています。これは前述の「従業員が働きたくなる職場環境づくりの徹底」と関係しているのでしょうか?

 「少子高齢化で人が少ない。外食産業でも人件費を抑えようとしています。ですがそういうときにこそたくさんの給料を払える、そういう会社になっていくことが正しいと思っています。うちは『日本一働きたい外食産業』『日本一出世の早い会社』を旗印に、従業員が明るい雰囲気でいきいきと働ける環境作りを徹底しています。『いきなり!ステーキ』の名前とイメージが大勢のお客様を集めるんです」(一瀬社長)

 さらに大きな夢を語って従業員の士気を鼓舞し、その結果に報いるということも成長の秘密のようです。例えば2014年の1年間で30店出店するという目標を掲げた際、一瀬社長は不安がる社員一人ひとりに「30店出店すれば人が集まる、人が集まれば、組織ができる、組織ができれば君たちはもっと上のポジションを狙うことができる」と鼓舞。その結果見事30店を達成、もちろん昇格の約束はきっちりと守られました。ちなみにこの方法は200店達成宣言の際にも使われたそうです。

 「200店達成を宣言することは自分のためにもなると思いました。なぜかと言うと、会社が成長して、社長の収入が増えると安心してしまいます。年齢的にも若くないですしね。社長が安心してしまうと店のレベルが一気に落ちてしまいます。その結果、店の雰囲気が暗いものになってしまう。そうならないために常に緊張感を持っていたいのです。ですから200店達成の目標は良い刺激になっています」(一瀬社長)

販促・マーケティングに関わる商材を比較検討しながら揃えることができる総合展示会『販促・マーケティング総合展』

どんな状況でも高い価値をお客様へ提供し続ける

 従業員の働く環境だけでなく、顧客が足を運びたくなるような店づくりも「いきなり!ステーキ」が成長した理由と言えるでしょう。

 例えばどんな状況になっても肉質だけは絶対に落とさないと力強く語る一瀬社長。肉が値上がりしたら価格を上げ、値下がりしたら価格を下げる。常に高い原価率を保ち、一品一品は他店に比べると価格は高くても、その分価値も高いと自信たっぷりの様子。ちなみに近年増加する模倣店については「メニューや内装、ソースの味や肉の単価まで全部そっくり真似してきています。家で考えたビジネスをそっくり真似しているのだから繁盛しないわけがない。ですが真似するだけの会社はビジネスを考える人材がいないということを暴露しているようなもの、そういう会社に明日はないと思います」と一喝。

 また「いきなり!ステーキ」と言えば、特徴的なのが「肉マイレージカード」ではないでしょうか? 食べた肉のグラム数がポイントとなるだけでなく、食べれば食べるほどランクが上がっていき、さまざまな特典が受けられることで話題性の高い“肉マイレージカード”。顧客の囲い込みだけでなく「いきなり!ステーキ」のブランド力を押し上げている一因と言えるでしょう。

 さらに近年ではゲームや映画とのコレボレーションや、大手企業とのタイアップ商品もリリースしている「いきなり!ステーキ」。そのブランド力はまだまだとどまるところを知らないようです。

 「いきなり!ステーキ」がこれだけの急成長を成し遂げた秘訣として、「人に好かれる3つの要素」を説明してセミナーは終了となりました。

 「一番が笑顔、二番が若さ、三番が謙虚。最近は謙虚でなくなっている自分がいると思います。謙虚にしてはいるのですが、言っている内容がぜんぜん謙虚ではないんですね。でも僕が大きなことを言って、一つひとつ達成していけば社員たちも喜びます。ここにいよう、もっと頑張ろうという気持ちになってもらえると思います」

 講演中も笑顔を絶やさず、笑いを誘おうとするサービス精神も旺盛で、御年75歳とは思えないほどパワフルな一瀬社長。今後はどのようなブランド戦略を打ち出してくるのかに注目です。

(レポーター/HANJO HANJO編集部 川口裕樹)
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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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