「まずはこちらから」の精神で

2016年8月9日
ビジネス交流会で成果をたくさん上げている人はどんな人か? 実は多くの人に成果を提供している人でもあるのです。ですから、その人の名前や会社名は、提供した側、提供された側でしょっちゅう出てきます。これがいい宣伝効果となって、皆様から仕事の依頼を受ける、製品などを購入してもらえるという好循環になっていくのです
 私は税理士法人、いわゆる会計事務所を経営するかたわら、「ビジネス交流会」を主催しています。名称は「東京メトロポリタンビジネス倶楽部」、ちょっと長いので略して「TMBC」と呼んでいます。

 いわゆる世間で言う「異業種交流会」ですね、もう10年近くにもなります。中小企業の経営者を中心に、個人事業主や企業の営業マンから中堅・大企業の幹部の方までが参加してくれている会です。

 ビジネス交流会ですから、もとよりその目的はお互いのビジネスをアップデートすることです。自分あるいは自社の売上を伸ばすような営業活動の一環となる交流会を、月1回やろうということで始まりました。ですから重要なのは「成果を上げること」であり、毎回、会の冒頭には成果発表をすることに決めています。毎回、かなり多くの成果を皆様が楽しげに発表してくれます。私にとっては、それが何よりの楽しみです。

 成果をたくさん上げている人はどんな人かと言うと、実は多くの人に成果を提供している人でもあるのです。ですから、その人の名前や会社名は、提供した側、提供された側でしょっちゅう出てきます。これがいい宣伝効果となって、皆様から仕事の依頼を受ける、製品などを購入してもらえるという好循環になっていくのですね。

 会長である私がしょっちゅう言っているのは、「まずは自分から会や会員の皆様に、お役立ちをしていきましょう」ということです。異業種交流会へ行くと、会費を払って参加しているのだから元を取ろうと言わんばかりに、やたら名刺を配りまくる、自分の会社の売り込みをする、翌日にすぐ電話をして押しかける、というような人が目につくことがあります。営業マンとして積極的に行動するのは悪いことではないのですが、そういう方はあまり成果が上がりません。逆に皆から疎まれて居づらくなり、成果も上がらないので、すぐにやめていってしまう、というのがオチです。

 そうではないのです。自分はこの会に何ができるのか? 集まった皆様にお役に立てることはないか? ということをまず考え、それをやってみることが重要なのです。仕事を紹介してもらいたいのなら、まずはこちらから紹介することが大事なんですね。紹介をしてもらえたら誰だって感謝します。嬉しいはずです。そうなると、何かお返ししなくちゃいけない、という心理になるものです。それが返す前にさらに紹介されたら、自社の商品を購入してもらえたら、どうなるでしょうか? 「これは大変! 早く私も何かお返ししないと・・・」と思うのではないでしょうか?

 そうなることによって、お互いが紹介し合う、商品を購入し合う、何らかの仕事の依頼をする、という良い関係ができてくるのです。私はビジネス交流会、異業種交流会の成果を上げていくためには、「まずはこちらから」という精神が基本だと思っています。

 私は次のようなこともよくお話しします。「皆様同士でのビジネスには限りがあるかも知れません。そうそうマッチングしませんね。でも、皆様の後ろにはそれぞれ相当のバックグラウンドがあるはずです。そのバックグランドを是非、活かして欲しいのです。1人の人の後ろには平均250人の知り合い、お付き合いしている人がいると言います。経営者である皆様はもっと多いと思います。ですから、自社ではお役に立てない、購入できないとしても、自分の後ろの人たちには紹介できる人、適した人がいるかも知れません。それをよく考えてみて、皆様自分のバックグラウンドを皆のために是非、活かして欲しいのです」

 40~50人の会員の中のビジネスでは、たかが知れています。でも、会員の皆が自分のバックグラウンドを活かすことができたら、「50人×250人」、さらには知り合いのまた知り合いの“べき乗”で、ものすごい商圏ができ上ってきます。たとえ小さなビジネス交流会であってもそのくらいの力があるのです。

 これはビジネス交流会だけの話ではありません。皆様が普段やられている仕事の仲間、様々なコミュニティにおいても成り立ってくる考え方です。それもこれも、「まずはこちらから」の精神がスタートになってくるのではないでしょうか?

●関連リンク

執筆者: 北岡修一 - 
東京メトロポリタン税理士法人 統括代表。25歳で独立以来、税務会計業務を基本としつつも、経営診断、人事制度の構築支援、システム導入支援などコンサルティング業務にも携わってきた。現在は「会計理念経営」を掲げ、「会計を良くすると、会社が良くなる!」をモットーに、誠心誠意、中小企業を支援している。主な著作に『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)、『事業の引継ぎ方と資産の残し方・ポイント46』(共著/あさ出版)がある。

北岡修一新着記事

  • 計画達成のコツは、小さな目標を一つずつクリアしていくこと

    ビジネスをやっていく上においては、様々な計画を作ると思う。中でも、年間の経営計画は、多くの会社で作っているだろう。会社全体の計画、部署の計画、個人の計画など、様々な単位での計画がある。

    2018年2月2日

    北岡修一

  • 事業承継税制が大幅に改正される

    平成30年度税制改正では、事業承継税制が10年間の集中期間を設けて、大幅な緩和措置を取っています。この10年間で集中的に事業承継をして欲しい、ということです。今回は、平成30年改正の事業承継税制を取り上げます。

    2018年1月11日

    北岡修一

  • 余裕資金をつくるには?

    江戸時代の終わりから昭和まで生きた本多静六氏は、独自の蓄財法で莫大な財産を築きあげた。その要となるのが、本多式「4分の1天引き貯金法」である。通常の収入は収入があったときに強制的に4分の1を天引きしてしまい、残りの4分の3で生活をするようにする。

    2017年12月7日

    北岡修一

  • 「利益剰余金」を見よ! あなたの会社の実態がここにある・・・

    「会社を設立してから現在まで、あなたの会社の利益の累積はいくらですか?」 この問いに、あなたは即答できるだろうか。会社を設立してから今までの利益の累積を、あなたは多いと思うだろうか? それとも、少ないと思うだろうか?

    2017年11月8日

    北岡修一

  • お金をかけなければ、知恵が生まれる

    会社は、何が何でも利益を上げなければならない。当たり前と言えば当たり前のことであるが、時として忘れてしまう、あるいはないがしろにされてしまっていることが、あるように思う。お客様へのお役立ちも、社員の幸せも、すべては利益があって初めて言えるのだ。

    2017年9月28日

    北岡修一

  • 不況のときには経費を押さえ、好景気に備える

    人件費の削減は、リストラよりも全員の給与の一律カットのほうがいい。そして、全社一丸で頑張るというほうが、会社の力になるはずである。リーマンショックのときは、そのような対応を行った会社が多かった。その際に特に印象に残ったのは、日本電産の永守重信社長である。

    2017年8月29日

    北岡修一

  • 利益は経営者の闘争心によって出していくもの

    中小企業、特に小さな会社は、経営者があきらめたときに赤字になる。したがって、経営者があきらめない限り、黒字になる可能性が残っている。その決め手になるのが、経営者の「闘争心」だ。

    2017年7月27日

    北岡修一

  • 業績を上げたいのなら、まずは会計のしくみから作れ!

    「会計なんて、過去の結果を表しているに過ぎない、そんなの見たって・・・」と思っている経営者が実はとても多い。「過去の数字を見てもしょうがない。大事なのはこれからどうするかだ」とか言って、会計を重視しない経営者が多過ぎるのだ

    2017年6月27日

    北岡修一