計画達成のコツは、小さな目標を一つずつクリアしていくこと

2018年2月2日
ビジネスをやっていく上においては、様々な計画を作ると思う。中でも、年間の経営計画は、多くの会社で作っているだろう。会社全体の計画、部署の計画、個人の計画など、様々な単位での計画がある。
ビジネスをやっていく上においては、様々な計画を作ると思う。中でも、年間の経営計画は、多くの会社で作っているだろう。会社全体の計画、部署の計画、個人の計画など、様々な単位での計画がある。

 年間計画は、毎期が始まる前に、「必ず達成するぞ!」という強い思いで作るのではないだろうか? しかし、年度も進み、目標未達が明確になってくると、目標未達の危機感が日増しに強くなる。「何とか、あと3ヵ月で頑張ろう」とか、「最後まであきらめるな」というスローガンが飛び交い、ガムシャラに動き回ることになる。

 その結果、奇跡的に達成できることもあれば、力及ばず未達に終わってしまうこともある。それはそれで、一生懸命に頑張った結果なので仕方がないのかもしれない。しかし、そのプロセスには大いに問題があると言わざるを得ない。最後の数ヵ月間で頑張って達成するような状態ではダメということだ。

 京セラ創業者の稲盛和夫氏は、「土俵の真ん中で相撲を取る」と語っている。すなわち、「俵に足がかかってから頑張ってうっちゃるのではなく、土俵の真ん中にいる時から力を出し切って、そこで勝負をつけろ」というのである(稲盛和夫著『実学』日本経済新聞出版社)。

 会社で言えば、目標達成が厳しくなってきてから奇跡の力を出すのではなく、期首のスタートした直後から、全力で目標達成に向かっていけということだ。最初はどうしても1年という長い期間があるため、「じっくりやっていこう」と余裕を持ってしまうものである。最初から全力疾走で行こうとはなかなか思わないだろう。

 しかし、最初も最後も1日は1日、1ヵ月は1ヵ月で変わりはない。最後の1ヵ月でできることは、最初の1ヵ月でもできることなのだ。違うのは追い込まれて、「どうしてもやらなければいけない」という気持ちの強さだけである。そういう気持ちの強さが持てるのであれば、最初からその気持ちを持って動いたほうが、どんなに楽に目標が達成できることかと稲盛和夫氏は指摘しているのだ。

 最初から力を出し切るために有効な方法は、小さな目標を一つずつ達成していくことである。

 大きな目標を段階ごとに分解したものが、小さな目標だ。年間目標を達成するのはその年度の最終目標であり、大きな目標である。期首にいきなり達成できるわけはないが、切羽詰ってから頑張ろうと思っても到達できるわけがない。大きな目標を達成するためには、小さな目標が必要なのである。

 大きな目標の達成のために、小さな目標設定へ落とし込むことが、大きな目標を達成するためには大切な心構えになるわけだ。その小さな目標が、年間の経営計画で言えば、月次の数値目標である。

 さらに、小さくして1週間単位、1日単位の目標もつくる。売上や利益の数字だけではなく、それを達成するためのお客様の数、見込み客の数、営業訪問数、アポイント数など、細かい目標に落とし込む。これは業種によっていろいろ違ってくるが、自社の目標達成のためにとるべき行動の目標を決めていくのだ。

 そして、それが達成したかどうかわかるように数値化していく。このように目標を小さく分解していくことが大きな目標達成のためのコツである。

 そのうえで、これらの目標達成度合いを毎日確認し、毎日の数字を達成していった結果として、月次が達成され、年度目標が達成されることになる。もし、達成できない日や月があっても決してあきらめず、常にキャリーオーバーして1年間のどこかでリカバリーしていこうとすることで、目標達成の度合いは確実に上がっていくことになるのだ。

 大きな目標に向かってぼんやりと仕事をしていても、達成できるものではないだろう。「◎◎になりたい」と思っているだけで、何もしていない状態では夢が叶うはずもないことと同じだ。「今日はここまで頑張るぞ」という小さな目標を日々積み重ねていくことこそが大切なのだ。

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執筆者: 北岡修一 - 
東京メトロポリタン税理士法人 統括代表。25歳で独立以来、税務会計業務を基本としつつも、経営診断、人事制度の構築支援、システム導入支援などコンサルティング業務にも携わってきた。現在は「会計理念経営」を掲げ、「会計を良くすると、会社が良くなる!」をモットーに、誠心誠意、中小企業を支援している。主な著作に『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)、『事業の引継ぎ方と資産の残し方・ポイント46』(共著/あさ出版)がある。

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