おもてなし規格認証を活用した「観光まちづくり」/伸び盛り企業会議2018

2018年3月27日
 日本のGDPの70%を占め、経済の柱ともいえるのがサービス産業だ。今後の地域経済や日本経済の発展にはサービス産業の活性化と生産性向上が必須の課題だ。

■豊岡のおもてなし規格認証「認証を通じて若者が働きやすい会社にする」

最後に豊岡市の事例が紹介された。まず城崎温泉旅館協同組合理事長の芹沢正志氏は「城崎温泉は『町全体が一つのお宿』というのがコンセプトです」と話した。これは駅を玄関、道路を廊下、各旅館を部屋に見立てた比喩であり、同業者どうしが協力しあっておもてなしをする「共存共栄の精神」にもとづいている。

 城崎温泉ではここ5年で外国人観光客数が40倍に増えているが、基本的な考え方としてはまず日本人に愛される温泉を作ることが大事であり、その結果外国人にも愛される温泉になることを強調。そのために城崎温泉では景観を損ねるような外国語標記の標識・看板を最小限にとどめ、日本人観光客にとって違和感のない町づくりを心がけている。

 芹沢氏は「城崎温泉は家族経営の小さな旅館が6~7割を占めています。それぞれ歴史のある旅館なので感覚的なおもてなしは根付いていますが、これからのニーズに応えるためにはおもてなし規格認証で自覚を向上させていく必要があります」と話した。

 また豊岡市役所環境経済部UIターン戦略室主幹の若森洋崇氏は「豊岡市は『小さな世界都市』を目指しています」と話した。『小さな世界都市』というのは人口が少なくても地域固有であることを通じて、世界の人から尊敬される街のことであり、ローカルであること、地域固有であることこそが世界で輝くチャンスであり、その代表が城崎温泉なのだという。

 若森氏は「豊岡市の中で一番集客力があるのは城崎温泉です。しかし人手不足は否めません。そこでおもてなし規格認証を通じて、若者が働きやすい会社を目指し、UIターンを増やしたいと考えています」と締めくくった。

 最後に平川氏は「成長には人とお金がどうしても必要になります。地域で信頼されるサービス業を生み出すことが、おもてなし規格認証が目指していくところです。今日紹介した3つの地域のあり方を参考にして、自分の地域で『観光まちづくり』を進めていただきたい」とまとめた。

《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

●関連リンク

執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
日本の中小企業の皆さんにとってビジネスのヒントになる「ヒト・モノ・カネ・情報」を探し出し、日々オリジナルな視点で記事を取材、編集してお届けします。中小企業の魅力をあますところなく伝えます。

イベントレポート新着記事

  • ソサエティ5.0時代、エネルギーのデジタル化/スマート化が日本の未来を変える!

    新しいアイデアや技術を持つ中小企業を中心に、新製品開発や販路拡大の支援を目的とした「新価値創造展2019」(19年11月27~29日)。今回のテーマは「生産性向上、SDGs」。本日の記事ではコージェネ財団理事長・柏木孝夫さんのセミナー「IoE(Internet of Energy)とエネルギービジョン」から次代のヒントを探ります。

    2020年1月23日

    イベントレポート

  • 「2020年、日本は世界に開かれた信頼と活力ある社会を目指す必要がある」/日本生産性本部 年頭会見

    1月8日に日本生産性本部の正副会長による年頭会見が開催されました。日本生産性本部発足から65周年の節目を迎える2020年、今年は一体どのような年になるのでしょうか? 会長の茂木友三郎氏と副会長6名により、年頭所感とわが国の重要課題が発表されました。

    2020年1月21日

    イベントレポート

  • 正解を出すのはもう古い! 2020年、ニュータイプの企業となるためには?

    優れた技術や革新的な製品を武器とする中小企業が一堂に会し、販路拡大や企業間の連携、情報収集・交換の支援を目的とした「産業交流展2019」が2019年11月13~15日の期間で開催されました。2019年のテーマは「OPEN the Mind ~ジダイを切り開き、変えるチカラ~」。今回の記事では11月13日に開催されたセミナー「「ニュータイプ」の中小企業になるために~「役に立つ」から「意味がある」へ~」(講師:山口周さん/独立研究者・著作家・パブリックスピーカー)より、新しい時代に求められる企業のあり方についてレポートします。

    2020年1月7日

    産業交流展19

  • 「NIKKEI全国社歌コンテスト」、最優秀賞決定!

    「NIKKEI全国社歌コンテスト」の表彰式が12月13日に開催されました。174社という想定を大きく上回る応募数があったことに加え、驚くような投票数が投じられたことからも、社歌の存在意義を強く感じさせるコンテストになりました。最優秀賞に輝いたのは、富国生命保険相互会社の『フコク GOGO』です。

    2019年12月24日

    イベントレポート

  • カリスマ経営者・松本晃が語る「変化せよ、さもなくば死あるのみ!」

    優れた技術や革新的な製品を武器とする中小企業が一堂に会し、販路拡大や企業間の連携、情報収集・交換の支援を目的とした「産業交流展2019」が2019年11月13~15日の期間で開催されました。2019年のテーマは「OPEN the Mind ~ジダイを切り開き、変えるチカラ~」。今回の記事では11月13日に開催されたセミナー「Change, or Die!変化に対応せよ」(講師:松本晃さん/元 カルビー株式会社 代表取締役会長兼CEO)より、企業が生き残るために必要な条件についてレポートします。

    2019年12月20日

    産業交流展19

  • 中小企業の働き方改革を加速するサービス!/産業交流展2019

    優れた技術や革新的な製品を武器とする中小企業が一堂に会し、販路拡大や企業間の連携、情報収集・交換の支援を目的とした「産業交流展2019」が2019年11月13~15日の期間で開催されました。2019年のテーマは「OPEN the Mind ~ジダイを切り開き、変えるチカラ~」。今回の記事では、近年さまざまなシーンで取り上げられる働き方改革をテーマにした製品・サービスを紹介します。

    2019年12月18日

    産業交流展19

  • 中小企業のIT関連製品は一味違う!/産業交流展2019

    優れた技術や革新的な製品を武器とする中小企業が一堂に会し、販路拡大や企業間の連携、情報収集・交換の支援を目的とした「産業交流展2019」が2019年11月13~15日の期間で開催されました。2019年のテーマは「OPEN the Mind ~ジダイを切り開き、変えるチカラ~」。今回の記事では中小企業ならではの視点でIT技術を活用し、さまざまな課題解決に挑む製品・サービスを紹介します。

    2019年12月16日

    産業交流展19

  • 「地域の逸品」その頂点に輝いたのは?「こんなのあるんだ!大賞(商品部門)2019」レポート

    全国の地方新聞社が各地の名品を厳選・販売するお取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」による「こんなのあるんだ!大賞2019」が発表されました。都道府県ごとに「こんなのあるんだ!」と思わせる商品とショップを発掘、特に世の中に知ってもらいたいと思わせるストーリー性のある商品とショップのナンバーワンを決めるアワードです。果たして大賞を獲得したのは?

    2019年12月4日

    イベントレポート