「SNS映え」をどのように活用するか/インバウンドマーケットEXPO

2018年3月31日
2018年2月21日から23日の期間、東京ビッグサイトで開催された『インバウンドマーケットEXPO2018』では、訪日外国人対応の強化や地方創生の支援に関わる106社による製品・サービスが集結。またインバウンド対応に関する数多くのセミナーやパネルディスカッションが行われた。
 今回は『FIT時代のインバウンド情報発信戦略とは』から。FITは海外からの個人旅行者のこと。これまではツアーが中心だった海外からの観光客だが、いまFIT化が急激に進んでいる。その背景にはリピーターが増えてきていることがある。初めての日本ではなく、2回目、3回目の日本。ありきたりのPRやガイドでは彼らが満足することはないだろう。
 パネルディスカッションでは、株式会社BEYOND 代表取締役 道越万由子氏、Find Japan株式会社 代表取締役社長 西山高志氏、そして普千(上海)商務諮詢有限公司 董事総経理 宮田将士氏が、FITに向けたPRやイメージ戦略の具体的な方法について議論を交わした(ファシリテーターは日本インバウンド連合会 理事長 中村好明氏)。近年よく耳にするようになった"SNS映え"といったキーワードを交えつつ、特に中国人観光客に向けたSNS活用のためのヒントを紹介する。

2018年2月21日から23日の期間、東京ビッグサイトで開催された『インバウンドマーケットEXPO2018』。訪日外国人対応の強化や地方創生の支援に関わる106社による製品・サービスが集結。インバウンド対応に関する数多くのセミナーやパネルディスカッションが行われた

■中国人に向けたインバウンドに関する情報発信の要点とは

 まず宮田氏より最近の中国人観光客事情について「最近は日本のどこへ行っても中国人が多いので、中国人の少ないところに行きたいという声が増えています。したがってまだ中国人は少ないけど魅力あるスポットを紹介する必要があります。ただし情報発信は断片化しており、長文の記事は読まれない傾向にあるので、ワンセンテンス・ワンキーワードで魅力を伝えなくてはなりません」と説明がされた。
 また中国人観光客のSNS活用について宮田氏は、中国人は家を出てから日本を訪れ、帰宅するまでを全部SNSに書いているため、どういう経路をたどるかを想像し、ストーリーを描くこと必要があると話し、「口コミが大事だというのはこのストーリーを想像できるかという部分に表れます」と強調。
 西山氏も中国人観光客は旅行記をSNSやブログに細かく書いていることを指摘し、FITを取り込みたいのであればFITの行動を見る必要性を説き、「ニュースメディアはFITのことを取り上げません。中国で団体旅行を扱う業者はFITの訪れているところをパッケージ化して売っています。FITを研究し、新しいトレンドを取り入れていかないとすぐに飽きられてしまいます」と注意を促した。
  • 普千(上海)商務諮詢有限公司 董事総経理 宮田将士氏
  • 日本インバウンド連合会 理事長 中村好明氏

■SNSを扱うにあたって気をつけるポイント

 これまでの旅行は自分がいかに楽しむかが重要視されていたが、今はいかにSNS映えする写真を撮ることができるか、いかにリアルタイムにSNSで発信することができるかが重要になってきており、SNSを前提にしたアプローチをする必要があるといえるだろう。
 このことについて道越氏は「例えば夕陽がきれいに見えるスポットがあるとします。でも地元の人はこの夕陽を見慣れているのでその魅力になかなか気づかないため、なかなか世の中に知られることがありません。このようなベストスポットを見つけ、発信することが重要になってきます。また撮った写真をすぐにシェアできるようWi-Fiの整備を行い、SNSへの導線を作ることも必要です」と話した。
  • 株式会社BEYOND 代表取締役 道越万由子氏
  • Find Japan株式会社 代表取締役社長 西山高志氏
 また近年よく耳にする"インスタ映え"について、西山氏は「SNS映えの定義は日本も中国も変わりませんが、有名人が撮った写真を真似する傾向があるので、その写真がどこで撮られたものなのかを教えてあげると喜ばれます」と話すと、宮田氏も「"SNS映え"とは逆に"SNS萎え"を狙っている人も増えています。美しい景色の写真は定番ですが、自分のキャラクターを立たせるようなおもしろい写真を撮るということにも注目が集まっています」と最近のトレンドについて語った。

■FIT時代に必要なSNS戦略とは

 それではFIT時代に必要なSNS戦略としてはどのようなものがあるのだろうか。道越氏によると、最近はインフルエンサーを呼ぶことがブームになっているが、それよりも継続的に自分たちのファンを作ることのほうが重要だという。特にSNSは一度きりのものでなく、双方でコミュニケーションが取れることが大きな強みなのでこれを活用しない手はないだろう。
 「自社のホームページだけでなく、コミュニケーションの取りやすいSNSがあるとお客様も問い合わせがしやすくなります。コールセンターのSNS版ととらえ、拡散、信頼関係の構築、ファン化を進めることが大切です」と道越氏は話した。
 また西山氏はSNSでチェックインが多い場所には中国人観光客も多く、口コミも多いということに着目。このような自然発生型の口コミは資産になるため、この場所を増やすことが大事だと話し、「個人旅行とSNSは密接に紐付いています。個人旅行者を取り込みたいのであれば、SNSを研究し、集中してターゲットを決めることが必要です」とまとめた。
 最後に宮田氏は「自分たち目線ではなく、旅人目線に立つ」ことを強調。これは自分たちが強みだと思っていることと、中国人観光客が良いと思っているとはズレがあるため、ユーザー目線に立って、SNS映えをおさえ、そこに当てはまる自分たちの魅力をプロモーションすることでSNS戦略の成功率が上がるという。
 「SNSの評判はダムと一緒です。ある日突然決壊し、評判が爆発します。1回やってやめるのではなく、継続することが大事です」と宮田氏は締めくくった。
《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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