~社歌コン 応募社の横顔:8~歌が広める新ブランド-東京の運送会社

2017年1月26日
HANJO HANJOでは会社のコミュニケーションを盛り上げるものとして、社歌に注目してきました。現在、開催中の「中小企業 社歌コンテスト」では、企業の想いが詰まった社歌が主役の動画を募集しています。応募企業では早くも社歌の制作を通じて、従業員や関係者の間に一体感が生まれているようです。

■自分たちが誇りを持つ仕事、それを若い人に伝えたい

 世代交代とともに、事業のリブランディングを行う企業が増えています。経営革新を進めるには、そのイメージを社の内外で共有することが重要です。

 低温流通食品の物流に特化した高井戸運送株式会社も、そんな会社の一つです。代表取締役の飯田勇一さんによる新体制のもと、新事業の開拓と規模拡大を進めてきました。創立60周年を機に、2017年には「TAKAIDOクールフロー」へと社名の変更も予定しています。これを広く世間に知らせるための手段として、飯田さんが選んだのが社歌でした。

「長野県民ならだれもが知っている『信濃の国』という歌があるんですが、歌詞の内容がほとんど観光案内なんです。これを聞けば県のイメージが目に浮かぶような歌で、同じような社歌が作れないかと思ったのがきっかけでした」

 会社のイメージを広く世間に伝え、就職を希望するような若い人にも興味を持ってもらう。同時に従業員が自分たちのやっている仕事を振り返って、誇りに思ってもらいたい。それが、飯田さんが社歌にゆだねた願いだったといいます。

 そのイメージを込めた歌詞は、飯田さん自らが半年かけて書き起こしました。そこには、物流業界を30年以上経験してきた、事業に対する想いが込められています。世の中に必要とされているサプライチェーンを守り、美味しさを届けて笑顔を受け取る。そのためには自分たちも心からの笑顔でいよう、と。

食品流通の配送時間は夜間から早朝にかけて。そのイメージを伝えるために、社歌も歌い出しは夜から始まる

「サプライチェーンの重要な役割を行間にしたためた」という飯田さん。食品物流という仕事の誇りを歌に込めている

■“耳に残るメロディ”で新たな社名を覚えてもらう

 完成した歌詞を手に、飯田さんが曲作りを依頼したのが、浜崎あゆみなどの歌を手掛ける作曲家の菊池一仁さんでした。なぜ、一面識もない菊池さんに社歌を託したのか? その理由は若者からの人気と、何より印象深いメロディにあったといいます。

「耳に残るような歌を作ってほしかったんです。CMソングに例えるなら“積水ハウスの歌”。あの社名を歌う部分のメロディは、一度聴いたら忘れられないですよね」

 書き上げた歌詞のサビの最後には、『TAKAIDO TAKAIDO クールフロー』と新たな社名を歌う部分があります。これを一人でも多くの人に覚えてもらいたいと、飯田さんは依頼のときにリクエストを出したそうです。

 こうしてTAKAIDOクールフローの社歌「笑顔が好きだから」は完成しました。初めてこの歌を聞いたとき、飯田さんの瞳には込み上げるものがあったといいます。

「『今日も信頼をお届けします』とか、当たり前のことなんですけど、それをずっとやってきた自分の姿が思い浮かんできましたね。最初の何回かは胸がつまってしまって、最後まで歌いきることができませんでした」

 「笑顔が好きだから」は今、週に2回の朝礼や会議の前などに、社員の間で歌われています。新たなブランドを社外に知らせる一方で、社内にはその意味を再確認する機会を作っているようです。

サビの最後に「TAKAIDO TAKAIDO クールフロー」歌う部分のメロディは、とにかく耳に残るようにと依頼したもの

完成した社歌はCD化して、従業員全員に配って歩いたという。CDという形を受け取ることで、歌への愛着もわくようだ

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執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
日本の中小企業の皆さんにとってビジネスのヒントになる「ヒト・モノ・カネ・情報」を探し出し、日々オリジナルな視点で記事を取材、編集してお届けします。中小企業の魅力をあますところなく伝えます。

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