成馬零一

成馬零一

ドラマ評論家

1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。WEBマガジン「ich」(イッヒ)主催。主な著作に『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の評論家』(河出書房新社)がある。
https://twitter.com/nariyamada
https://note.mu/narima01

  • NHKドラマ『透明なゆりかご』 私たちのすぐとなりにある現実。働く男性にこそ、見てほしい

    NHKで金曜夜10時から放送されているドラマ『透明なゆりかご』は、海辺にある小さな病院・由比産婦人科を舞台にした物語です。時代は1997年。高校の准看護学科で学ぶ17歳の青田アオイは、産婦人科で看護師見習いとして働くことになります。

    2018年9月14日

    コラム

  • TVドラマ『dele』 二人の軽妙な会話が作り出す、今までにない“新しい”バディもの

    テレビ朝日系金曜深夜の『dele』はデジタル遺品を題材とした連続ドラマだ。物語の舞台は、依頼人が設定した時間を超えてパソコンやスマホに触らないと通知が行き、デジタル遺品を消去してくれる会社。この会社を経営する車椅子のプログラマー・坂上圭司(山田孝之)と、会社に雇われている何でも屋の真柴佑太郎(菅田将暉)の二人が、デジタル遺品の消去を依頼した故人のことを調べるうちに意外な真相にたどり着くというのが、本作の見所だ。

    2018年8月24日

    コラム

  • アニメ『中間管理禄トネガワ』 ギャンブラーや黒服も仕事に悩む人間のひとりなのだ

    アニメ『中間管理禄トネガワ』は、消費者金融を主体とする日本最大級のコンツェルン・帝愛グループの最高幹部・利根川幸雄を主人公とするコメディ作品です。帝愛グループの利根川と聞いて、あの漫画を思い出す人も多いのではないでしょうか。そう、利根川とは福本伸行の人気漫画『賭博黙示録カイジ』に登場する悪役の名前なのです。

    2018年7月31日

    コラム

  • TVドラマ『宮本から君へ』 働く人間なら、誰の心にも必ず「宮本」がいる

    ドラマ『宮本から君へ』は1990~94年にかけて連載された漫画が原作だ。今と比べれば、一生懸命になることはダサいことだと多くの日本人が思っていた時期の作品である。そんな時代にあって、恋愛にも仕事にも純粋で暑苦しい男・宮本を登場させることで、激しい賛否を巻き起こした。当時はバブル景気に浮かれていた日本に対する強烈なカウンターだったわけだが、大きく時代を隔てた2018年の20代に、本作はどのように響くのだろうか?

    2018年6月15日

    コラム

  • 朝ドラ「わろてんか」に“働き方改革”の原点を見出す

    連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)は、いつも周りを朗らかにしながら自分もよく笑う、いわゆる笑い上戸の女の子がやがて結婚し、寄席を切り盛りしていく姿を描いた物語だ。京都の老舗薬種問屋の長女に生まれたヒロイン・てんを演じるのは若手女優の葵わかな。てんと藤吉の歩みが、そのまま戦前の芸能の歴史となっている。

    2018年2月14日

    コラム

  • NHKドラマ『マチ工場のオンナ』 事業承継を克服する姿に希望を見出す

    NHKで金曜夜10時から放送されている『マチ工場のオンナ』は、父の有元泰造(舘ひろし)の死によって、自動車用のゲージを作る町工場の社長に就任することになった32歳の主婦・光(内山理名)が主人公のドラマだ。思った以上に物語の展開が早いので、どこに着地するのかわからないが、町工場の苦しい現状を描きながらも、希望を感じさせるような結末となるのではないかと期待している。

    2017年12月22日

    コラム

  • ドラマ「先に生まれただけの僕」から、変わりゆく日本的経営を考える

    日本テレビ系土曜夜10時から放送されている『先に生まれただけの僕』は、35歳の若い校長先生が業績不振の高校を立て直すという異色の学園ドラマだ。面白い授業のできない教師たちはクビになり、勉強のできない生徒たちは切り捨てられていくのではないか? という経営優先の合理化がもたらす負の側面と、そこで犠牲になる側の不安が描かれている。

    2017年11月30日

    コラム

  • 映画「HiGH&LOW THE MOVIE 3」にフロンティアスピリットを見る

    ダンス&ボーカルグループEXILE TRIBEや三代目J Soul Brothersが所属する芸能事務所LDHが中心となって展開している『HiGH&LOW』(以下、『ハイロー』)というプロジェクトをご存知だろうか? 『ハイロー』の魅力は作品の物語もさることながら、このプロジェクトを立ち上げたLDHと会長のHIROの会社としてのフロンティアスピリット、それ自体が巨大な物語として背後に透けてみえることだ。

    2017年10月25日

    コラム

  • 朝ドラ『ひよっこ』 美しい「労働観」に人々は理想の職場を重ねた

    今週、最終回を迎えるNHK『連続テレビ小説「ひよっこ」』。数々の話題を振りまき、今年を代表するヒット作となったドラマだが、見ていて興味深かったのは劇中での「仕事の描かれ方」だ。舞台こそ1960年代だが、本作の労働観は極めて現代的で、さりげないシーンに、とても大事なことが描かれている。

    2017年9月27日

    コラム

  • ドラマ「コード・ブルー」が描く「仕事に対する哲学」に共感する

    医療ドラマは今のテレビドラマにおいては刑事ドラマと並ぶヒットコンテンツで、毎クール、必ず一作はあるような状態が続いている。フジテレビ系の「月9」で放送されている『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』も今回で三作目となる人気シリーズだ。フライトドクターという特殊な仕事を描いているが、根底にあるのは、真剣に働いている人なら誰もが共感できる「仕事に対する哲学」である。

    2017年8月28日

    コラム