社歌による組織づくりをライブで体感!「ベンチャーソングフェス」レポート

2018年4月11日
 さる3月17日、東京都渋谷のライブハウス・恵比寿リキッドルームにて社歌のイベントが開催された。その名も「ベンチャーソングフェス Vol.1」。音楽による組織づくりを提案するミューロンが主催し、次世代型社歌「ベンチャーソング」の可能性を体感してもらうというもの。多くの中小企業やベンチャー関係者が参加し、アツい夜となった当日の様子をレポートする。

渋谷のライブハウスで開催された「ベンチャーソングフェス Vol.1」。音楽による組織づくりを提案するミューロンが主催し、次世代型社歌「ベンチャーソング」の可能性を体感してもらう内容に、多くの中小企業やベンチャー関係者が参加した

■会社と社員の思いがリンク。社歌を制作した事例紹介からスタート

 最初のプログラムは「音楽を活かした組織の作り方」。組織の活性化を目的とした次世代型社歌「ベンチャーソング」を制作・導入したえふなな社が登壇し、取り組みとその効果を紹介した。

最初のプログラムは「音楽を活かした組織の作り方」。組織の活性化を目的とした次世代型社歌「ベンチャーソング」を制作・導入したえふなな社が登壇し、取り組みとその効果を紹介

 同社の新田社長はそれまで「社員はえふななで仕事をすることに意義を見出せているのか?」という思いがあった。そこでミューロンの提案により、社員がベンチャーソングを作るワークショップを実施。会社のビジョンを見据えながら、社員それぞれの個性や考えを織り交ぜ歌詞を紡いでいった。曲はミューロン根木氏が提供し「えふななとみんなの未来」という歌が完成。結果として、社員のエンゲージメント(会社や仕事への積極度)が高まったという。
 社員からは「自分がやりたいことと、会社で実現したいことが結びついた」という声も。新田社長は「一つのものをみんなでつくる機会ができてコミュニケーションがうまれた」と語った。注目したいのは、一つのものをみんなでつくる、という点。音楽づくりには理屈ではない楽しさがある。制度や福利厚生では社員をつなぎとめられない時代において、音楽の可能性を示唆する好例だった。

■組織のリアルが浮き彫りに。観客参加型の即興社歌ラップ

 イベントはフェスと謳っている通り、実にさまざまなプログラムが観客を楽しませた。その中でも特に白熱したのが、ラッパー・晋平太氏による即興社歌ラップづくり。観客からその場で出される組織で働く喜びや悩みの声を、即興でラップにするという試みだ。

さまざまなプログラムの中でも特に白熱したのが、ラッパー・晋平太氏による即興社歌ラップづくり。観客からその場で出される組織で働く喜びや悩みの声を、即興でラップにするという試み。働き方改革が叫ばれる今、コミュニケーションを諦めないことで生まれるつながりがある

 観客にはベンチャー経営者や大企業の社員など多様な人がおり、雇う側・働く側両方の本音がぶつかりあった。働き方改革が叫ばれる昨今、働くことへの思いもまた十人十色。ときに対立しながらも、コミュニケーションを諦めないことで生まれるつながりもある。「認められて感じるやりがい 社内政治やめろよ先輩」「みんな求める実力主義? それより多様性認めるべき?」完成したラップから、組織のリアルが浮き彫りになったプログラムだった。

■続く第四次社歌ブーム。その最前線を語るトークセッションも

 トークセッションには社歌研究家の弓狩匡純氏と、HANJO HANJO加藤編集長も登壇。社歌のなりたちや、第四次ブームといわれる社歌の可能性について語った。

社歌研究家の弓狩匡純氏(右)とHANJO HANJO加藤編集長も登壇。「歌には人をつなげる力がある。社員を一つのトライブととらえると、その効果がさらに見直されるのでは」(弓狩氏)。「HANJO HANJO 第二回社歌コンテストでは前回を超える応募があった」(加藤編集長)

 弓狩氏は「歌には人をつなげる力がある。社歌の以前には、農作業のときに声を揃えて歌う歌もあった。社員を一つのトライブ(種族)ととらえると、その効果が今後さらに見直されるのでは」と、研究家ならではの視点でコメント。加藤編集長も「HANJO HANJOでは社歌コンテストを開催しており、第二回となる去年は前回を超える応募があった。社歌にはPRソングなどいろいろな活用法があり、注目が高まっていることがうかがえた」と社歌ブームの最前線を伝えた。
 二人のトークセッションのあとは、第二回社歌コンテスト優勝社のインターマキシスが登場。前田社長から社歌をつくるに至った経緯や、社歌のCDを名刺代わりに使っていることなどが紹介された。優勝作品「インターマキシズム」を歌うバンド・ふらっとも京都から駆け付け、同曲をライブ披露。大いに観客を沸かせた。とかく古くさいと思われがちな社歌。しかし、現代風にアレンジすることで人の心をつかむことができる。社歌の温故知新ともいえる、歴史と今がクロスした瞬間だった。

■主催のミューロン根木氏「今後も音楽の可能性を追求」

 主催したミューロンの根木氏は終了後のインタビューに対し「ベンチャー企業の方に、音楽で組織をつくる可能性を体感いただけたことで、第一歩を踏み出せたと思います。 お互い知り合いではないご来場者の方々が、音楽を通して一体感をつくっていく過程をみて、改めて音楽の偉大さを痛感しました。より多くのベンチャー企業のエンゲージメントを高められるよう、今後も音楽の可能性を追求していきます」とコメント。すでに第二回の企画に着手していると、これからの抱負を熱く語った。

「音楽で組織をつくる可能性を体感いただけたと思います。より多くのベンチャー企業のエンゲージメントを高められるよう、今後も音楽の可能性を追求していきます」(主催したミューロンの根木啓輔氏)。すでに第二回の企画に着手している

 主催したミューロンの根木氏は終了後のインタビューに対し「ベンチャー企業の方に、音楽で組織をつくる可能性を体感いただけたことで、第一歩を踏み出せたと思います。 お互い知り合いではないご来場者の方々が、音楽を通して一体感をつくっていく過程をみて、改めて音楽の偉大さを痛感しました。より多くのベンチャー企業のエンゲージメントを高められるよう、今後も音楽の可能性を追求していきます」とコメント。すでに第二回の企画に着手していると、これからの抱負を熱く語った。
 ベンチャーソングフェスは4時間以上の長丁場でありながら、観客は歌い踊り、熱を帯びたまま終幕となった。音楽が人と人をつなぐ、組織を活性化させる可能性を、カラダで感じられたのではないだろうか。中には関西から参加したという人もおり、メディア取材も多数。世間の注目度の高さをうかがわせた。互いの歌声を聴きあえるような規模の会社にこそ、音楽は効果を発揮するのかもしれない。社歌のムーブメントはこれからも続きそうだ。
《HANJO HANJO編集部》

●関連リンク

執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
日本の中小企業の皆さんにとってビジネスのヒントになる「ヒトモノコトカネ」を探し出し、日々オリジナルな視点で記事を取材、編集してお届けします。中小企業の魅力をあますところなく伝えます。

イベントレポート新着記事

  • 2018年度「日本経営品質賞」中小企業部門受賞社トップスピーチ②~トヨタ部品茨城共販~

    顧客視点から経営を見直し、自己革新を通じて顧客の求める価値を創造し続ける組織の表彰を目的として、1995年に日本生産性本部が創設したのが「日本経営品質賞」です。2018年度の中小企業部門では2社が受賞、2月14日に開催された「顧客価値創造フォーラム」で受賞企業トップによるスピーチが披露されました。トヨタ部品茨城共販株式会社代表取締役の駒月純さんのスピーチ「トヨタ部品茨城共販の経営革新について」の模様をレポートします。

    2019年3月15日

    イベントレポート

  • 訪日外国人が本当に買いたいものは何か?「ソーシャルリスニング」で解決する消費トレンド

    マーケティングの基本はソーシャルメディア分析」の時代です。インバウンドビジネスを成功に導くためにもSNSやブログをどう読み込むかが問われています。その方法のひとつが、ソーシャルメディアやSNSなどを分析し消費者のニーズを知る「ソーシャルリスニング」です。

    2019年3月13日

    イベントレポート

  • 『YOUは何しに日本へ?』プロデューサーが見た、外国人が日本に来る理由とは?

    インバウンドを象徴する現象のひとつに、メディアにおける番組の増加が挙げられます。その先駆けとなったのが『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系列)です。番組開始から6年、密着取材から受ける印象では、訪日客の状況に変化が生まれているようです。それは「“日本二周目”の人たちが増えた」点にあると、番組担当プロデューサーは話します。

    2019年3月11日

    イベントレポート

  • 2018年度「日本経営品質賞」中小企業部門受賞社トップスピーチ①〜九州タブチ〜

    顧客視点から経営を見直し、自己革新を通じて顧客の求める価値を創造し続ける組織の表彰を目的として、1995年に日本生産性本部が創設したのが「日本経営品質賞」です。2018年度の中小企業部門では2社が受賞、2月14日に開催された「顧客価値創造フォーラム」で受賞企業トップによるスピーチが披露されました。鹿児島県で給水装置の製造を行う株式会社九州タブチ代表取締役社長の鶴ヶ野未央さんのスピーチ「人と組織のスパイラルアップを目指す九州タブチの経営革新活動」の模様をレポートします。

    2019年3月8日

    イベントレポート

  • 混迷の時代を生き残る会社の「社長力」とは?

    「会社に良い悪いはない。社長に良い悪いがある」。そう言い切るのは株式会社小宮コンサルタンツ 代表取締役社長CEOの小宮一慶さん。大学教授として会計や経済の教育に携わる一方で、140冊以上の多岐にわたる著書を発表しています。「世の中には経営という仕事があります。この経営という仕事を知らない社長さんが意外なほど多い。経営の仕事とは『方向付け』『資源の最適配分』『人を動かす』の3つを実行することです」と小宮さんは話します。

    2019年2月18日

    イベントレポート

  • 中小製造業の強い味方! 新製品開発のクラウドファンディング活用術

    「クラウドファンディング」という言葉を耳にすることが多くなりました。新しい製品やサービスやプロジェクトを実現するために、専用のサイトを通じて資金調達をする方法です。一般的には消費者向けの新商品開発がメインですが、BtoBメーカーが高い技術を使ったBtoC向け製品をアピールする場としてクラウドファンディングを使うことは効果があります。中小企業がクラウドファンディングを利用するために知っておくべきことは何なのでしょう? サイバーエージェントグループのクラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」から考えます。

    2019年2月14日

    イベントレポート

  • 赤字路線からブランドへと成長した「いすみ鉄道」の発想と戦略

    廃線寸前の赤字路線からブランドに変貌した千葉県房総半島を走る「いすみ鉄道」。現在ではさまざまなメディアで取り上げられ、鉄道ファンのみならず多くの人が訪れる強力な観光コンテンツに成長しました。沿線には目的地になるような場所がないため、外部から人が来ることはほとんどありませんでした。そこで発想の転換をしたことが成功を導きました。

    2019年2月12日

    イベントレポート

  • マンガ・アニメと現実世界の境界にある「2.5次元文化」をビジネスに応用せよ!

    「2.5次元文化」とは、マンガ・アニメ・ゲームなどの2次元の虚構の世界と、身体性を伴った経験を共有する3次元の現実世界の境界にあるカルチャーのこと。舞台、ミュージカル、コスプレ、コンサートなどさまざまなコンテンツとして提供されていて、国内外を問わず熱狂的な支持を得ています。これらのコンテンツは、アニメの舞台となった街を訪れる「聖地巡礼」といったツーリズムとの相性もよく、海外でも強い人気を博しています。マンガ・アニメ・ゲームーーこれらのコンテンツを2次元だけではなく、2.5次元の世界で活用することが、地域活性やインバウンド誘致の新たなファクターとなりそうです。

    2019年2月1日

    イベントレポート