[PR]「おもてなし規格認証」で会社が変わる!地域が変わる!/城崎編4~西村屋~

2018年3月22日
シリーズ「『おもてなし規格認証』で会社が変わる!地域が変わる!」では、おもてなし規格認証で「変わる」地域と会社(事業所)をピックアップ。その「変わる」現場を、リポートします。
 全国各地で、「おもてなし規格認証」のムーブメントが始まっています。これまでなかなか評価しづらかった「サービスの品質」を「見える化」することで、サービスにかかわる企業(事業所)の方々のやる気や活力につながっているのがその理由です。「おもてなし規格認証に取り組み、お店をよくして商売繁盛につなげたい」「おもてなし規格認証をうまく使って、地方創生の起爆剤としたい」。そう語る地域のサービス事業者たちが日ごとに増えています。
 シリーズ「『おもてなし規格認証』で会社が変わる!地域が変わる!」では、おもてなし規格認証で「変わる」地域と会社(事業所)をピックアップ。その「変わる」現場を、リポートします。

★シリーズ3:城崎編4~西村屋~

城崎温泉で江戸時代の創業以来150年続く老舗温泉旅館が「西村屋」だ。風情あるその佇まいは日本が誇る伝統的な旅館の象徴と言えるだろう。その別館として建てられたのがリゾートホテル形式の「西村屋ホテル招月庭」だ。歴史を守りながら新しい時代を切り拓く、まさに「伝統と革新」を体現してきたのが西村屋なのだ。

西村屋グループを牽引する代表取締役社長の西村総一郎さんは、国内最大の宿泊産業のネットワークである全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)の青年部長も務め、宿泊業と宿泊業を支える個人や地域の活性化に尽力している。おもてなし規格認証では今、紺認証において宿泊業に合った形で、よりよい制度を準備しようとしているが、その設計にあたっても西村さんは助言を行っている。

今回のインタビューでは、城崎におけるおもてなし規格認証普及の意義だけでなく、日本の宿泊業全体が解決すべき課題、特に人手不足問題について話を聞く。

■「おもてなし規格認証」から考える人手不足解消の道すじ

城崎温泉で江戸時代の創業以来150年続く老舗温泉旅館の「西村屋」。歴史を守りながら新しい時代を切り拓く「伝統と革新」を体現してきた。代表取締役社長の西村総一郎さんは、国内最大の宿泊産業のネットワークである全旅連の青年部長も務め、宿泊業と宿泊業を支える個人や地域の活性化に尽力している

――城崎温泉では街全体としておもてなし規格認証を取得するという流れにあります。

城崎温泉は「街全体が一つの旅館」、共存共栄の精神で長い歴史を歩んできました。温泉街全体でお客さまをおもてなし、またお越しいただくというのが街のコンセプトです。今回、おもてなし規格認証を城崎温泉が一体となって取り組むことは理にかなっていますし、そうあるべきだと思っています。

――おもてなし規格認証では職場環境や人材についての改善が大きな目標のひとつです。旅館は今、全国的に人手不足解消が課題とされています。

2012年くらいに城崎温泉の労働者年齢分布調査をしたときには、働いている方のうち50代以上が全体の1/2、60代以上が全体の1/3でした。おそらく現在はさらに年齢は上がっているはずです。人口減少・高齢化が進む中で、地域を守っていくために「交流人口を増やす」という目標があるのに、それに対応するマンパワーが足りない。ではどうすれば働き手を確保できるのか? 私たち経営者が雇用環境を良くするしかありません。

おもてなし規格認証では今、紺認証において宿泊業に合った形でよりよい制度を準備しようとしている。その設計にあたっても西村さんは助言を行っている。「おもてなし規格認証を城崎温泉が一体となって取り組むことは理にかなっていますし、そうあるべきだと思っています」(西村さん)

――西村屋の採用サイトの中で、西村さんは「働きやすい職場環境づくり、それが社長の仕事である」と語っています。

雇用環境の改善でまず行ったのは、住宅に対する投資です。城崎各所に、バス・トイレ・ミニキッチンを完備したマンションタイプの社員寮を設けました。結婚後も働けるよう、家族用社宅も整備しています。あ雇用環境の改善でまず行ったのは、住宅に対する投資です。城崎各所に、バス・トイレ・ミニキッチンを完備したマンションタイプの社員寮を設けました。結婚後も働けるよう、家族用社宅も整備しています。

一昨年から一年間かけて新しい人事制度を作りました。「社員自らが目標を設定する」「所得を見えるようにする」といった、ワークライフバランスが感じられる仕組み作りを始めました。若い社員にも参加してもらい、制度として形にしました。会社の姿勢としては雇用環境にも投資をするという方針です。

教育研修制度も進めています。年々増える海外からのお客様の対応のために、専門の会社と提携してオリジナルの英会話教材を作ったり、ネイティブスピーカーとコミュニケーションができる仕組みなども用意しています。展示会に出展するためにパリに社外スタッフを常駐させていますが、日本から社員を派遣できるようにすることで、海外研修の役割も果たしています。

――若い世代が会社の未来を担います。新卒の採用では何を見ているのでしょうか。

交流人口を増やす伸びしろのひとつは海外マーケットです。そうなると社員の特性を考えないといけません。2015年の新卒採用から大きく方向を見直しました。外国語大学や留学経験がある新卒を大幅に増やしました。

西村屋本館にいらっしゃる年間2万5000名くらいの宿泊客のうち、4000名は外国人のお客様です。そのうち32%が東アジア(中国・台湾・香港・韓国)、37%はヨーロッパ、そして15%が北米。英語圏のお客様が多いので、それに対応できるスタッフを育てたいと考えています。

■リピーターを作るためにES(従業員満足度)を高める

日本が誇る伝統的な旅館の象徴とも言える風情ある佇まいの西村屋。西村屋は次代へと続いていくために職場環境の改善、投資を行っている。社員寮や家族用社宅の整備、人事制度の見直し、教育研修制度など、ES(従業員満足度)を高める様々な施策を実行中だ

――「従業員が前向きに働ける満足度の高い職場がお客様の喜びにつながる」とも話されています。ES(従業員満足度)とCS(お客様満足度)の関係性について教えてください。

重要なのは「リピーター=ファンを作ること」だと考えています。今後、日本人のマーケットが縮小する中で、どうやって生き残るかを考えると、そこにつなげなければなりません。お客様アンケートでは「お料理が良かった」「お風呂が良かった」など様々なことが評価されますが、7割くらいは「○○さんにお世話になりました」という「人と人のコミュニケーション」に関する評価です。西村屋としては「あなたにまた会いに来たよ」とお客様からおっしゃっていただける旅館になりたいと思っています。

お客様が宿に泊まられるときには感情の流れがあります。宿にお着きのときは「どんな旅館なんだろう?」という緊張感、滞在されて様々な接応に触れるなかでおこる満足感、そしてお帰りの際の「また来よう」という信頼感です。私どもはお客様に最終的には「またこの宿に来よう」という気持ちになっていただきたいと願っています。

しかしそう願っていても、社員がいきいきと働いていないと、お客様のなかで感情が移り変わらないだろうと思うのです。そういった意味で社員の仕事への満足感が大変重要になってくるのです。

大きな旅館では御食事処(レストラン)を作るところが多いのですが、弊社はお部屋でお食事を出すということを継続しています。なるべく接客時間を長く取ったほうが良いと考え、「お部屋食」(各客室での食事)を続けています。かなりの手間をかけていますので、「生産性の観点でどうなんだ?」という意見がないわけではないのですが、この先マーケットがシュリンクする中では続けたほうが単価を守れるといったことや、売上げを確保する戦略として正しいという仮説のもとで続けています。いずれの場合でも人に対する投資は大事だということに変わりありません。

――城崎は関西では特別な場所ですが、東京ではまだ知らない人も多くいます。PRが不足しているかもしれません。

「未認知・未利用」を変えていくしかありません。情報の取り方は世代によって変わってきています。デジタルマーケティングを新しい施策としてやらなければ生き残っていけません。

国内外を通じて、ITやSNSを活用して情報のリーチをもう少し広げていく必要があると思います。昨今では城崎はかなりメディアに露出するようになりました。長年培ってきた「一つの旅館」という街づくりが評価をされているのだと思います。海外のお客様にも支持されています。その部分により磨きをかけながら情報発信していくことが、今後求められてくると思います。

国際観光にとって一つのクライマックスとなるオリンピック・パラリンピックは目の前にある。おもてなし規格認証を有効活用するために早めの取得が望まれる

執筆者: HANJOHANJO編集部 - HANJOHANJO編集者
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