「おもてなし規格認証」の最高位 「紫認証」取得事業所に聞く 5(後編)~杢目金屋 表参道本店~ 画像 「おもてなし規格認証」の最高位 「紫認証」取得事業所に聞く 5(後編)~杢目金屋 表参道本店~

おもてなし規格認証

「おもてなし規格認証」の最高位である「紫認証」に6事業所が認定されました。期待を大きく超えるサービスを提供する事業所に対して付与されるのが紫認証です。認定機関による厳正な審査を経て、2月26日の「伸び盛り企業会議2018」(日本経済新聞社主催)で発表、表彰されました。

紫認証は、認証機関から推薦を受けるとともに、顧客・従業員・地域社会の満足を促進することにつながる取り組みや、さらに、従業員の人材育成・業務効率化・顧客満足の向上につながる独自の取り組みの実施について、ミステリーショッパーも活用しつつ確認された事業所が認証されます。

紫認証を取得するためにどんな取り組みが行われたのでしょうか? そして生産性向上はどのように実現されたのでしょうか? 表彰を受けた紫認証取得者の皆さんにお話をうかがいます。第5回は「杢目金屋(もくめがねや) 表参道本店」(東京都)を紹介します。

お話は前編に引き続き、杢目金屋 代表取締役の高橋正樹さんです。
(*「高」は正式には旧字体)

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★2018年度「おもてなし規格認証 紫認証」取得事業所に聞く5(後編)~杢目金屋 表参道本店~


■細かくPDCAを回すことで業務改善を進める

――紫認証の表彰式で高橋さんは「当社のコアコンピタンス(競合他社に真似できない核となる能力)のひとつは『製販一体の改善活動』『PDCAを回すことによる改善』です」と挨拶されました。

弊社では毎年必ず、会社の業務方針を定めた「経営計画書」を作ります。社員の思いを反映させるため、四半期に一度、アセスメントを行い、各部署のそれまでの成果を振り返り、次期の実行計画を発表しています。これらを経て出来上がった経営計画書は、手帳サイズの冊子にまとめて社員全員に配布、いつでも見られるようにしています。経営計画書を基にして、週単位でマニュアルを更新し、日常の振り返りやトレーニングによってサービス品質の向上を図っています。実行計画を立て、それを実施、確認、改善するPDCAを、日次や週次から四半期ごとのアセスメントまで、様々な期間で続けています。

ほかにも従業員たちの改善提案を大切にしています。「改善提案書」と「チョコ案」(チョコッとした改善案を提案するもの)というふたつの提案制度を設けています。ともに書かれたものを工房の壁や本社の廊下に貼ったりして、部署にかかわらず誰もが見られるようにしています。これらのなかで優れた内容には報奨金を出しています。

様々な場面をPDCA化して回していくということが効率化につながると考えています。ただしひとつの事案にとどまらずにいくつもの案件を複合的にしていかなければなりません。そしてそれが現場のなかで各社員にどんどん染み込んでいってほしいと思っています。至るところで見える化と連動化を行っています。一人の経験を掛け算にしていき1を何倍にもしていければと考えています。お客様の声を製造から販売まで丁寧に回していく中で、思いはつながっていくはずです。

――製造から販売までを行う上で、考え方を一貫させるために社員教育ではどんな工夫をしているのでしょうか。

中心となるのはマニュアルです。コンシェルジュだと接客マニュアル、製造は工程表や作業標準書になります。マニュアルが形骸化しないように常に磨き、改善しています。コンシェルジュの場合は振り返りシートがあり、お客様との対応でうまくいったこと・いかなかったことを日々、チェックします。工程表も同じで、作業工程の中で時間がかかっていたり、うまくいかない部分があれば、それを見える化して、先輩が教えたりしてみんなで学習しています。ほかにもイレギュラー報告やコンシェルジュが疑問に思ったことをグループ毎にSNSでやり取りするようにしています。一人づつでやり取りすると1対1の情報交換にしかなりませんが、オープンの中でやり取りをすればみんなで情報を共有することができます。

――伝統技術を若い世代に継承するためにどんな工夫をされているのでしょうか。

技術のスキルアップは日々当然行っていますが、ほかにはない弊社の特別な施策は定量化できない部分を「見える化」するために映像を活用していることです。ベテラン職人の技術を工程ごとにフルでビデオ撮影し、工房の作業台の小型モニターで映像を流しています。若い社員はそれを見ながら伝統技術を習得していくのです。

言葉で伝える以上に映像の情報量は多いですし、今の人は映像に慣れ親しんでいます。また情報処理能力も高い。若い世代に向けてお膳立てをするような考え方で技術研修に役立てています。

――海外のお客様にコンシェルジュはどう対応していますか。

普通に専門学校のブライダル科を卒業した社員が多いので、語学に特に堪能というわけではありません。まずは「多言語翻訳サービス」を活用しています。ほかに全店舗に「英語版接客ツール」を設置してお客様をご案内しています。免税、配送等の事務的なご質問は「海外事業部」が間接的に対応しています。「この指輪の何がすごいか」という御託を並べるというよりは、「こういうことができる指輪だ」ということを伝えるようにしています。これらの接客も私たちは重要なおもてなしの一部と考えています。

――表参道は日本でも有数のインバウンド観光地です。

インターネットでは海外向けにプロモーション展開を進めていますので、海外のお客様も増えています。店舗のエントランスは「MOKUMEGANEYA」という英字表記をしていますし、外国人でもわかる「ロゴ」を使用しています。木目金(もくめがね)でできた指輪という伝統と現代の融合、そして体験型のサービス。これらがミックスされたおもてなしという点が海外のお客様に評価されています。今後は、例えば海外でサイトを見て日本に訪れたタイミングで指輪をお買い求めいただいたり、指輪を2つに分かち合うセレモニーをしてお持ち帰りいただくという流れを作りたいと考えています。



《HANJO HANJO編集部》

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