逃すな国産ポテチ需要!北海道 、加工用ジャガ増産へ  画像 逃すな国産ポテチ需要!北海道 、加工用ジャガ増産へ 

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 国産ポテトチップスの消費者ニーズの高まりを受けて、加工用ジャガイモの全国一の産地、北海道で増産の動きが活発化してきた。JAグループは加工用の生産を拡大、メーカーも品種改良で後押しする。昨年、米国・アイダホ産の加工用ジャガイモの輸入が解禁されたが、産地は“国産ポテチ”人気を背景にシェアを奪われないよう安定供給を目指す。(望月悠希)
受託強化で拡大支え JAめむろ
 加工用ジャガイモの道内有数の産地・北海道芽室町では、増産に向けた機運が高まっている。生産者は、4月下旬にも植える種芋を専用施設で管理している最中だ。土屋貴宏さんは「輪作を守るためジャガイモだけを作ることはできないが、優れた品種を使い単収を上げたい」と意気込む。

 加工用ジャガイモの労働時間は秋まき小麦の約7倍、大豆の約2倍で、他品目よりも負担が大きいのがネックだ。土屋さんが組合長を務める「JAめむろ馬鈴薯(ばれいしょ)作業受託組合」では、組合員約20人が、人手が足りない農家から委託料を受ける代わりに収穫や植え付けを担う。17年度の受託面積の実績は182ヘクタールと、前年比1・6倍。5年前の2・2倍、10年前の3・4倍と拡大を続ける。

 土屋組合長は「需要に対応するため、地域で協力して労働力を確保することが大切だ」と強調する。事務局を務めるJAも「ニーズに応えるため、組合員を増やすことが課題」(労働支援対策課)と展望する。
省力化や品種改良 中央会・メーカー 農水省も後押し
 JA北海道中央会・連合会や産地JAなどでつくる北海道農協畑作・青果対策本部は3月、22年に実現する用途別の作付面積を示した。ニーズの高まりを見込み、加工用を1万5600ヘクタール(17年比8%増)、でんぷん用を1万5500ヘクタール(同5%増)とした。一方で、生食用は1万4900ヘクタールでほぼ現状を維持する。

 中央会は「目標面積を、全用途で同じ目線からまとめたのは初めて。需要の動向を見据え、各用途で輸入品にシェアを奪われないようにしたい」(畑作農業課)と話す。

 実現に向けて、農作業を引き受けるコントラクター組織や病害虫に強い品種の普及などの取り組みを検討する。中央会は「加工食品の原料原産地表示制度が見直され、メーカーの国産需要は高まっている。チャンスを逃さないよう、供給体制を整えたい」(同課)とする。

 カルビー子会社でジャガイモの調達を担うカルビーポテトは、国産の生産拡大に力を入れる。同社は国産原料を調達しようと、30年ほど前からポテトチップスに向く品種改良に取り組んできた。

 ジャガイモシストセンチュウやそうか病などの病害虫に強く、糖分が少なく揚げた時に黒くならないなどの特徴を重視。新品種の一つ「ぽろしり」の17年の作付面積は約350ヘクタールと、前年比75%増に広がっている。

 色合いを重視した新品種「ゆきふたば」は、今年から栽培を本格化し、十勝と網走地方で約40ヘクタール作付ける計画だ。同社は今後、収穫時に 芋同士がぶつかっても打撲が生じにくい品種の開発を目指し、生産を後押しする。

 農水省も対策に乗り出す。加工用のうち国産の割合は約4割にとどまり「さらに国産に置き換える余地はある」(同省地域作物課)と強調。17年度補正予算に計上した畑作構造転換事業を通じて、機械の導入や土壌改良、病害虫に強い品種の普及などに助成。ジャガイモなど畑作の省力化を後押しする。
16年の不作きっかけ 輸入がシェア奪う危険も
 農水省によると、生食、でんぷん用などを含めた全需要のうち、加工食品向けの割合は、直近の2015年度で46%と、10年前より10ポイント増えた。16年度も同水準になる見通しだ。

 国産ジャガイモのシェア8割を占める北海道産が、台風の影響で不作となったのは16年夏。原料不足が深刻となり、17年春には一部商品が販売中止となる事態が発生した。国産を求めるメーカーから、増産を求める声が強まった。一方で、米国最大のジャガイモ産地・アイダホ州産の加工用ジャガイモの輸入が昨年解禁されるなど輸入が需要を奪う懸念もある。

逃すな国産ポテチ需要 加工用ジャガ増産へ 北海道

《日本農業新聞》

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