愛知県競馬組合、弥富市への新競馬場移転計画/さまざまなイベントへの対応も
インバウンド・地域活性
名古屋競馬場の老朽化に伴い、同トレーニングセンター約62・2ヘクタールに移転する。
基本設計によると、新競馬場のコンセプトは▽コンパクトで臨場感のある競馬場▽さまざまなイベントへの対応▽持続性、柔軟性への配慮。
新スタンドを中心に多目的広場や駐車場などを配置するファンエリア、コースや騎手会館、装鞍場などの業務・競馬場エリア、住宅・厩舎(きゅうしゃ)エリアの三つに分けて整備する。
新設するスタンドは、S造3階建て延べ5490平方メートル。観覧席は1・2階を合わせ2000席を備える。このほか投票業務室、レストラン、売店、騎手控え室、来賓室、事務室などを設ける。
スタンド西側には多目的広場を設け、競馬開催日以外でもイベントなどに活用してもらうよう工夫する。新設するパドックは、観覧席2階から見えるよう近接して配置。地方競馬初となるホースビューコリドー(室内馬道)を設け、馬がパドックから馬場まで移動する様子を間近で見られるようにする。
コースは、現在のトレーニング場を西側に拡張、1周1100~1200メートルに伸ばし、直線を長くとってレースの迫力を高める。ゴール地点には大型映像装置を設置。ナイター開催に対応できるよう照明設備も新設する。
事業費の内訳は、スタンド新設31億2000万円、付属棟新築6億1000万円、騎手会館などの既存建物改修7億9000万円、馬場改修4億8000万円、照明設備新設9億3000万円、関係者住宅新築13億8000万円、アスベスト除去や外構など15億1000万円、地盤改良やインフラ整備9億8000万円。17年3月に示した見込み額にアスベスト除去や地盤改良を新たに加えた。建設費用には、余剰地を売却する約44億5000万円と基金積立金を充てる。
PFI事業者の選定では、6月に実施方針を公表し、8月に総合評価一般競争入札を公告する。12月に契約候補者を選定する予定。19年度に実施設計を行って、工事に入る。運営期間は15年間。
名古屋競馬場移転後の跡地は2026年に愛知・名古屋で開催される第20回アジア競技大会の選手村として利用される予定。
同組合の管理者を務める大村秀章知事は「デジタル時代にふさわしい競馬場をつくり、ファンに楽しんでもらいたい」と話した。
愛知県競馬組合/新競馬場整備(弥富市)/基本設計完了、6月にPFI実施方針公表
《日刊建設工業新聞》