「おもてなし規格認証」で会社が変わる!地域が変わる!/静岡編5~ホテル九重~ 画像 「おもてなし規格認証」で会社が変わる!地域が変わる!/静岡編5~ホテル九重~

おもてなし規格認証

 全国各地で、「おもてなし規格認証」のムーブメントが始まっています。これまでなかなか評価しづらかった「サービスの品質」を「見える化」することで、サービスにかかわる企業(事業所)の方々のやる気や活力につながっているのがその理由です。「おもてなし規格認証に取り組み、お店をよくして商売繁盛につなげたい」「おもてなし規格認証をうまく使って、地方創生の起爆剤としたい」。そう語る地域のサービス事業者たちが日ごとに増えています。
 シリーズ「『おもてなし規格認証』で会社が変わる!地域が変わる!」では、おもてなし規格認証で「変わる」地域と会社(事業所)をピックアップ。その「変わる」現場を、リポートします。

★シリーズ2:静岡編 5~ホテル九重~

浜松市を中心として発展してきたのが静岡県の西部地域だ。豊かな自然と多彩な伝統を背景に、個性あふれる文化や産業を作り上げてきた。観光という点でも他の地域とは違う独特の魅力に溢れている。その特徴のひとつは温暖な気候だろう。外遊びのレジャーを満喫できる浜名湖や四季折々の花が咲きほこるはままつフラワーパーク。うなぎだけでなく黒潮が育む海の幸にも恵まれている。一方で日本を代表する製造業発祥の地でもあり、ものづくりの情熱にあふれるエリアでは産業観光もできる。歴史的な施設も数多くあり、大河ドラマ『おんな城主 直虎』の舞台となったことも記憶に新しい。

そんな観光資源に恵まれた静岡県西部地域でも今、おもてなし規格認証が広がっている。おもてなし規格認証を使って地域の観光力向上を推進しているのが「遠鉄観光開発株式会社」だ。遠鉄観光開発で運営しているホテルやリゾート施設のうち、「ホテル九重」と「ホテルウェルシーズン浜名湖」の2つが金認証を取得している。失敗を恐れず果敢に挑戦する「やらまいか(やってみようじゃないか)」精神で生産性向上に取り組む、遠鉄観光開発 営業推進部マーケット戦略課長 日置茂雄さんに話を聞く。


■「おもてなし規格認証」はホテル業にとって「ISO」の役割を果たしてくれる

――おもてなし規格認証のどんなところに魅力を感じたのでしょうか。

ホテル・旅館業のサービスに対する評価制度というのは今までなかったように思います。他の業界には「ISO」規格がありますが、おもてなし規格認証はISOと同様のものだと認識しています。

おもてなし規格認証取得によってホテルとしての信頼度の向上が期待できるのではないか、また「こういうレベルのおもてなしができます、だからお出でください」というお客様に対してのアピールにもなるのではないかと考えました。「いいおもてなしでお迎えします」といくらホテルがうたっていても、実際のところお客様にはわかりません。信頼できる評価制度の認証を受けているのなら、ひとつの目印になりますし、それは意味をもつと思います。

遠鉄観光開発では「ホテル九重」と「ウェルシーズン浜名湖」の2つの事業所でおもてなし規格認証の金認証を取得しました。

――おもてなし規格認証は社内の業務改善や生産性向上のツールとしても使えます。

ホテル九重でまず行ったのは業務の棚卸しです。例えば、フロントだったらチェックイン・チェックアウト、電話対応といったことを細かく洗い出し「見える化」します。その後、各セクションでスタッフの業務範囲を把握します。

その中でマルチタスク化も進めています。ホテル九重では、お客様への接客、料理提供などのサービスは、基本的に着物を着ることのできる女性スタッフが担当しますが、宴会やお客様のお出迎えで人が足りないときには、フロントや売店担当のスタッフを接客サービスに当てています。総合本部からのヘルプ体制をとることもあります。そのほか男性スタッフでも料理提供や裏方ができるように教育のスキルマップを作って、一人ひとりの業務範囲を見極めている最中です。

――マルチタスクなどの業務改善ですが、業態による違いはありますか。

ウェルシーズン浜名湖はバイキング中心の施設なのでスタッフが着物を着ることはあまりありません。朝はレストランの片付けやチェックアウトを行い、昼は宴会の準備をする、最後はバイキング会場でお客様を席までご案内する、といったように時間ごとの業務を細かく行っています。ウェルシーズン浜名湖の先行事例をホテル九重では参照しています。

――生産性向上では付加価値を上げることが重要です。

「『また来たい九重』運動」という改善運動を社内で実施しています。各部署からスタッフが参加する形で会議を開き、おもてなしや料理、生産性の向上や経費節減といったテーマを設定しています。ホテルのスタッフだけでなく総合本部の企画部門も参加して、テーマに対して何ができるかを毎月議論し、そこでの結論を形にして実行するようにしています。互いに知恵を出し合って、無駄なものは削減し、効率化の必要な部分は効率化する、でもおもてなしのレベルは下げないように努力をしています。

――IT導入ではかなり先進的な施策を取り入れていますね。

一般的な会計ソフトや仕入システムはもちろん、顧客管理もしています。今後についてはAI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)の活用も検討し始めています。

お客様に電話をする手間を取らせないため、簡単な施設に関するお問い合わせについては、AIで解決できるようにしたいと思っています。お客様の利便性も向上しますし、スタッフの負荷も軽減できます。RPAは毎日ルーティンで行っている資料作成や予約の入力作業などに活用できないかと考えています。まずは予約や企画部門で始め、やがては現場でも活用していきたいです。


《HANJO HANJO編集部》

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