「商品売るより 自分を売ろう」野球と人、そこにはハイゴールド(前編) 画像 「商品売るより 自分を売ろう」野球と人、そこにはハイゴールド(前編)

人材

 2020年の東京オリンピックの追加競技として野球とソフトボールが採用されたことに、日本中が拍手喝采をしたことは記憶に新しい。日本で開催される世界的スポーツイベントには、野球がなくてはならないことを改めて実感させる出来事だった。一方では、少子化の影響もあり野球の競技人口は年々減少している。

 野球を取り巻く環境が変化するなか、野球そのもの、そして野球を取り巻く文化に対して、熱い愛情をもって取り組んでいる会社がある。国内唯一の総合野球用品メーカーの「株式会社ハイゴールド」は、「商品売るより自分を売ろう」の理念のもと、半世紀のあいだ、野球用品の開発に取り組んできた。

 野球になぜそれほどに情熱を傾けられるのか? 少数精鋭の小さな会社をなぜ長く続けることができたのか? 株式会社ハイゴールド 専務取締役の風呂本隆史氏に2回にわたって話を聞く。

■商品だけではダメ、お客様に信頼される人になる

――「商品売るより 自分を売ろう」。印象的なキャッチフレーズです。その背景に企業としての思いを感じます。

「商品売るより 自分を売ろう」は創業者である私の祖父がずっと掲げていた言葉です。祖父は用のあるとき以外は声をかけづらい人だったので、実は正確な意味をきちんと聞いたことがないのですが(笑)。ただ仕事をやっていく中で漠然とですがこのフレーズの意味を理解するようになってきました。

こだわりを持った良い商品を作り、お客様に提供していくのは当然である。同時にお客様に従業員が信頼される、あなたにお任せするよと言ってもらえるような会社に成長していくこと。このふたつ。商品だけではダメだよという思いがこの言葉のすべてだと感じています。

「商品売るより 自分を売ろう」は毎朝の朝礼のときに唱和しているので、社員に浸透しています。経験を積むにしたがってだんだんと意味を感じ取れるようになる、とてもいい言葉だと思っています。

――1967年の創業から50余年。その歴史の中で大切にしてきたことをお聞かせください。

プロ野球界で数々の大記録を打ち出したスパースターたちに愛された「虎印野球用品」美津和タイガー創業メンバーであった私の祖父は、16年間美津和タイガーの発展に力を注ぎ、「アマチュア界の最高峰にチャレンジ」というコンセプトで独立、立ち上げたのが「ハイゴールド」なんです。

50年の歴史の中で大切にしてきたことのひとつは「お客様のご要望にきちんとお応えする」ということです。例えば弊社は甲子園出場常連校のバッグをオーダー品で手がけています。夏の甲子園大会が決まると3~4日で納品しなくてはいけないため、大手は大量生産の定番品に刺繍をパッと入れて納品していることが多い。私たちは自社工場で一から作ってオーダー対応しています。手間がかかるし、すごく儲かるのかといったら正直微妙なところです。しかし短納期でも甲子園という晴れの舞台で気に入った商品を提供できる会社というのはなかなかないので、ここは頑張って継続していきたいと思っています。

――国内外を含め数多くの競合社があるなか、ハイゴールドがブランドとして長く継続できた最大の理由は何だとお考えですか。

野球の専門メーカーとして、野球に関する商品を総合的に扱っているからだと思います。今はハイゴールドよりも小さなところがプライベートブランドとして出てきていますが、そういったところの商品は使える場面が限られてしまうんです。

例えば大学野球ですとBFJ(全日本野球協会)の公認マークが入っていない道具は使うことができません。軟式野球ですとJSBB(全日本軟式野球連盟)の公認マークが付いていないと使えません。グローブは個人のものなので何を使っても自由なのですが、その他の道具は公認ブランドのものでないと使えないというケースが多いんです。

野球用品を作っているブランドの中でソフトボールでも軟式野球でも使えるというというのは限られたブランドしかありません。その中で規模は小さいですが、小さいながらもハイゴールドは野球専門で一通り全部揃っています。



《HANJO HANJO編集部》

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