農業や農産物のPR手法、おしゃれに進化!/スペシャリストが活躍 画像 農業や農産物のPR手法、おしゃれに進化!/スペシャリストが活躍

制度・ビジネスチャンス

 農業や農産物のPR手法が近年、おしゃれに進化を遂げている。店舗デザインやメニュー考案、宣伝方法など、幅広い分野のスペシャリストが、一味違った企画でブランド化に一役買う。ターゲットは、将来の消費を担う若者など流行に敏感な客層だ。都会のビジネス街やショッピングモールで“洗練された農”を演出し、ブランド化を後押ししている。
若い女性に照準 洋風総菜を提案 長野・JA松本ハイランド直営店 
 長野県JA松本ハイランドが松本市内のショッピングモールに設けた農産物直営店「ファーマーズテラス松本」が人気だ。9月に開店したばかりだが、高級スーパーの雰囲気を醸し出す演出やおしゃれな洋風メニューが好評で、20、30代の若い女性を中心に連日300人以上が訪れる人気店として定着した。

 地元産の野菜や果実、農産加工品だけでなくJA産ワイン、調味料や調理器具まで多彩にそろえ、上から商品を照らすダウンライトの照明で格調高く陳列し、購買意欲を向上させる。ショーケースには地元食材を使ったキッシュ(洋風パイ)など、おしゃれな洋風総菜が並ぶ。

 市内の主婦、津久井舞さん(30)は「おいしいと聞いて、一度食べてみたかった」と総菜コーナーに直行。カボチャのキッシュや、薄切り肉を何層にも重ねたミルフィーユカツを購入した。料理研究家が考案したメニューを店舗の厨房(ちゅうぼう)で調理し、出来たてを店内で食べられるのも好評だ。

 店舗づくりを手掛けたのは、農業の6次産業化に取り組む「リトルワールド」(東京都)。代表の斉藤豊さん(47)は、JA産の高い品質を印象付ける店内空間をデザイン。全国展開する大手カフェの売れ筋を参考に、地元食材の食べ方提案として洋風総菜を企画した。

 店長の秋山正恵さん(47)は「洋風総菜の人気とともにJAの知名度が上がっている。総菜も店内もおしゃれだと、若い人に受けている」と手応えを感じている。
559市町村の味見せ方 学んで東京の「旅する新虎マーケット」       
 2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて開発が進む東京・虎ノ門エリア。古くからのビジネス街の路上に、食や物産を販売するおしゃれな“スタンド”が点在する。ガラス張りや夜間のライトアップなど、ブランド店さながらの雰囲気が漂う建物を、行き交う会社員や観光客がのぞき込む。

 スタンドの名は「旅する新虎マーケット」。2月にオープンした。全国559市町村が集う地域活性化プロジェクトだ。特産品を集めたショップやカフェなど常設の商業施設と、3カ月ごとに出展する自治体が変わる店舗で構成する。12月まで新潟県弥彦村、出雲崎町、粟島浦村、三重県鈴鹿市、菰野町、鹿児島県日置市が出展。伝統工芸品で彩ったスタンドで、現代風にアレンジした郷土料理を提供している。

 店舗デザインやメニュー考案、広報宣伝に参画するのは、大手百貨店や米国発のセレクトショップの担当者、空間プロデューサー、建築家ら。マーケット事務局によると、企業の目を通すことで、新たに特産物を掘り起こし、価値を加えて発信できるという。

 自治体側もPRだけでなく、「地域資源を生かした新たな特産づくりや見せ方を知る機会になる」(事務局)と話す。

 農業の6次産業化を支援する「6次産業化中央サポートセンター」は、農業とは異なる業種の人材が、農業振興の強力な助けになると指摘する。「消費者の需要を熟知するバイヤーや、美的センスに優れたデザイナー、空間プロデューサーなどが参画することで、個性の強い印象的なPRができる。従来にない手法だからブームも起こせる」と期待する。(猪塚麻紀子、齋藤花)

おしゃれ自慢 続々 まるでブランド店  “農”のイメージ刷新

《日本農業新聞》

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