3つのポイントをおさえ越境ECを成功させる/Japan IT WEEK 画像 3つのポイントをおさえ越境ECを成功させる/Japan IT WEEK

イベント

 AI・業務自動化、クラウドコンピューティング、情報セキュリティ、モバイル活用など全10部門のIT専門展からなる『Japan IT Week 秋』が2017年11月8日から10日の期間、千葉県幕張メッセで開催された。

 出展企業640社、来場人数約4万9000人となった下半期最大級のIT専門展である『Japan IT Week』では、各部門ごとにさまざまな商品・技術・サービスを紹介するブースのほか、多数のセミナーが実施された。

 今回はそのセミナーのひとつ『急成長を続ける越境ECで行うべき「3つのこと」』(講師:トランスコスモス(株)上席常務執行役員 経営戦略本部長 兼 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 グローバルEC・DS推進本部長 兼 グローバルEC・ダイレクトセールス本部長 神谷健志氏)より、越境ECを成功させるポイントを抽出する。

■EC市場の現状

 まず神谷氏よりEC市場の現状について説明があった。

 現状では中国が約100兆円と世界最大のEC市場となっており、アメリカ、イギリスに次いで日本は第4位に入っている。しかし今後4年で市場成長額がASEANが日本を上回るという予測があり、ASEANはEC市場にとって魅力的な市場だと言える。

 EC市場の売り先としては中国ではアリババグループのタオバオとTmall、それにJD.comが市場の90%を占めている。またASEANではLazadaがアリババグループの支援を受け、現地モールの中でリーダーポジションを固めつつある。

 神谷氏によれば「中国向けの越境ECにおいては、アリババやJDに加え、越境に特化した強いECモールも複数存在しており、それぞれのモールの特色をつかみながら利用することが必要」、また「ASEANにおいては東南アジアナンバー1のECグループであるLazada Groupが越境ECを開始しており、香港をハブにロジスティックの拠点を設け、アジア全域に越境ECサービスを開始している」ということであり、越境ECにあたっては中国やASEANにおけるEC市場の現状をしっかりとおさえておくことが必要だと言える。

■越境EC事業の意味付けと最適モデルの選択

 それでは越境ECを行うにあたり、どのようなことがポイントになるのだろうか。神谷氏は「1つ目のポイントは越境EC事業の位置づけを明確にし、それにあったモデルを選択することが必要」と話す。越境ECは一般の消費者にとってハードルが高く、また日本製だからといって売れる時代でもなくなってきている。物を売る立場としてのスタンスを明確にしなくてはならない。

 例えば売れ筋商品とロングテール商品があった場合、売れ筋商品であれば一般貿易や現地生産で売ったほうが効率が良い。しかし量がさばけないロングテール商品はそういうわけにはいかない。そこで現地法人を持っている企業であれば、ロングテール商品を大量に現地に運んで在庫リスクを負うよりも、越境ECを使う方がメリットが大きい。また紙おむつなど中国で人気の高い日本製品は“日本で製造、日本企業から購入“という事実がひとつのプレミアムとなるため、こちらも越境EC向けだと言える。一方現地法人を持っていない企業であれば、正規進出前のテストマーケティング的に越境ECを活用することが可能だ。

 「ECモールで商品を取り扱うのか、ブランド旗艦店に出店するのか、あるいは自らのサイトで売るのか。商品を直送するか保税区を使うのかなど、越境ECの販売商品特性に合わせた物流スキームの構築が収益のカギです」と神谷氏は強調した。


《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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