旅館業の人材不足をどう解決すればいいのか/第3回 働き続けられる環境を整備する 画像 旅館業の人材不足をどう解決すればいいのか/第3回 働き続けられる環境を整備する

人材

■高齢者はITに弱い、は思い込み

ーー若い世代の人材獲得難の一方で、高齢者の積極的活用も求められています。

 陣屋さんでは60代以上の方も大いに活躍されています。業務効率化にタブレット端末を導入されているのですが、タッチパネル式のタブレット端末であれば簡単に扱うことができます。高齢者だからITは使えないだろうというのはただの思い込みです。

ーーITは効率化以外にどんなメリットを旅館業にもたらしますか?

 効率が上がるのはもちろんですが、ITを使うと情報が蓄積されることも見逃せないメリットです。お客様の情報、例えば「夕食でこの料理を残しました」という情報はITを使えば簡単に蓄積できます。その情報があれば同じお客様が次に来たときに活用できますよね。効率化と情報蓄積がリピーター獲得という面で機能しているのです。効率化だけならITは必要ないと言う経営者も多いですが、効率化プラスアルファの付加価値を生み出す、アウトプットの質を高めるという観点でもITの導入はなくてはならないのです。

ーー2020年は目前です。旅館業の改革はまだ間に合いますよね。

 まずは徹底的に仕事の見直しをすることです。業務の棚卸しをして、どの仕事を捨てるか、どこをIT化するか、今ある仕組みを変えて決まった時間に集中してやるか、分散的にやるか、そういう課題を考える必要があります。お客様が到着するまでの待機時間に他の作業をするなど、工夫できる部分はたくさんあるはずです。

 そしてもうひとつは旅館同士のネットワークです。情報交換や成功事例をどんどん公開して共有し合うことが重要になってくると思います。情報交換の場があれば業務を見直すきっかけにもなりますし、食材や備品を共同購買する、ということができるかもしれない。ひとつでも成功事例が共有されれば良い連鎖が生まれると思います。
(インタビュー/加藤陽之 構成/川口裕樹)


●城倉 亮(じょうくらりょう)
リクルートワークス研究所 研究員。2004年東京大学文学部思想文化学科卒業後、大手航空会社、日系コンサルティングファームを経て、2012年株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社。グループ人事労務を担当する部門のマネジャーとしてグループ各社の人事業務を支援。その後、ITベンチャー企業での人事を経て、2015年10月リクルートへ復帰し、現職。


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