中部の潮流-そこが聞きたい/愛知道路コンセッション社長・東山基氏 画像 中部の潮流-そこが聞きたい/愛知道路コンセッション社長・東山基氏

制度・ビジネスチャンス

 ◇全国初の道路コンセッションから1年/利用者が順調に増加
 愛知県内の有料道路8路線を運営する「愛知道路コンセッション」。前田建設を中核とするグループが県道路公社から運営権を買い取ってから1日で1年が経過した。コンセッション(公共施設等運営権)方式を道路に適用した全国初のケースとして注目される中、通行量の増加や地域活性化など効果が形になって現れている。同社の東山基社長に成果や今後の展望を聞いた。
 --道路のコンセッションは初めての経験だが。
 「前田建設は、仙台空港のコンセッションで、運営会社の一員として組織づくりをやってきた。労務面のノウハウは蓄積がある。維持等の工事については、同社の職員が中心となって管理しているので、効率的な発注、監理ができる」
 --この1年の取り組みは。
 「知多半島4路線を中心に昨年より全体で2%強、利用者が増えた。好景気や周辺道路整備の影響が大きいが、中部国際空港連絡道路の通行料を引き下げた効果もある。地域活性化については月に1~2回、知多半島道路の阿久比パーキングエリア(PA)と大府PAで地元産品や催しを紹介するイベントを開いている。地元の会合にも積極的に参加し、商工会や観光協会などとの信頼関係も築けてきた」
 「阿久比と大府のPAでリニューアル工事に10月に着手する。来年8月には再供用する予定だ。商業施設は、床面積を3割増やし、トイレもリニューアルする。工事中はトイレは使えるものの、レストランや売店が使えないので、近隣のお店などに協力してもらってキッチンカーを出し、ある程度サービスを維持するようにしたい」
 --改築事業などはどう進んでいる。
 「周辺施設へのアクセス向上へ、りんくうインターチェンジ(IC)の出口部分を追加する。半田~武豊間の利便性を向上させるため、武豊北ICの新設にも取り組んでおり、調査中だ。衣浦トンネルについては、本年度に耐震補強工事に着手する予定だ。これらは公社の費用負担で、前田建設がCMr(コンストラクション・マネジャー)を務める」
 --地元企業の活用は。
 「猿投グリーンロードの清掃などについて、豊田市の企業と包括契約を結んだ。今期は単年度で契約したが、実績を見て来年度以降、複数年契約も検討したい。他路線でも、こうした包括契約の導入を考えている」
 --運営面での苦労は。
 「インフラは不特定多数が24時間利用する。建設の仕事では、おおむね区切られた場所と人が相手だが、インフラ運営では違った大変さがある。例えば、今年1月の大雪では、懸命に除雪作業を行ったが、結果的に長時間の通行止めを余儀なくされた。ただ早い段階で、大雪など非日常的な問題に対応する経験が積めたのは、よかったかもしれない」
 --さらなる利用促進策も期待される。
 「11月は例年、利用者が落ち込むので、土・日曜と祝日限定で、知多半島4路線と衣浦トンネルが1日乗り放題となる1周年記念ワンデーチケットを販売した。こうした取り組みを今後も展開し、利用促進につなげたい。来年8月の阿久比、大府両PAリニューアルオープンは大きなチャンス。PRに力を入れる。今年の取り組み結果は、データとして蓄積し、来年以降の新たな施策に反映させる」。
 《愛知有料道路コンセッション》
 愛知県道路公社が有料道路の運営権を前田建設グループに売却、全国初の道路民営化が16年10月にスタートした。対象路線は、知多半島の4路線を中心とした8路線で、総延長72・5キロ。売却額は1377億円。出資企業は、同社と森トラスト、大和リース、セントラルハイウェイ、大和ハウス工業。国家戦略特区を活用し、利用者への安全・安心の提供、地域活性化に取り組んでいる。
 (ひがしやま・もとい)
《日刊建設工業新聞》

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