旅館業の人材不足をどう解決すればいいのか?(第1回 状況編) 画像 旅館業の人材不足をどう解決すればいいのか?(第1回 状況編)

人材

■職場環境改善とIT化で魅力的な働き方を作らないと担い手は現れない

ーー旅館業はずっと人材不足の傾向にあったのでしょうか?

 5年前の調査でこの状態なので、今はもっと状況は悪くなっていると思います。さらに5年後となったときに、60代以上の世代がどっとリタイアしてしまうとリソースがほとんどなくなるのではと考えています。新しい人を採りたくても有効求人倍率が高く、新卒もなかなか採れない状況の中で、「高齢者にいかに長く働いてもらえるか」という状況を作らなくてはなりません。そうはいっても年齢構成がいびつなので、これを直すためにも若い人にとって魅力的な働き方を作っていく必要があります。

ーー高齢者が長く働ける状況と若い人にとっての魅力的な働き方作り、両方向から対応をしていかないといけないということですね。

 両方向からの対応が求められているというのがデータから見えてきます。さらにこれまで宿泊業自体があまり手を入れてこなかったのがITの活用部分です。いわゆるホームページを開設して集客や販売促進に活用するということは、他の業種に比べると先進的にやってきたのですが、一方で業務スピードを上げるためのIT導入は他の業種に比べると圧倒的に低いのです(図4)。宿泊業では集客以外にITが活用されていなかったということがわかります。逆にいえばITの導入することで働き手を集められるという可能性もありますし、働き方がもっと良くなる可能性が十分にあるのが宿泊業だともいえます。

ーー日本人国内旅行、インバウンドともに旅行消費額が増えています。旅館業にとって追い風にならないのはなぜですか?

 ある温泉旅館では人手が足りなくて部屋が全部オープンできないという事例が発生しています。一番いいシーズンなのに働き手がいなくて部屋が開けられず、お客様をお断りしているという状況です。このような機会損失の発生は今後増えていく可能性があります。 (インタビュー/加藤陽之 構成/川口裕樹)


●城倉 亮(じょうくらりょう)
リクルートワークス研究所 研究員。2004年東京大学文学部思想文化学科卒業後、大手航空会社、日系コンサルティングファームを経て、2012年株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社。グループ人事労務を担当する部門のマネジャーとしてグループ各社の人事業務を支援。その後、ITベンチャー企業での人事を経て、2015年10月リクルートへ復帰し、現職。






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