<シリーズ> 陶磁器産業復活のシナリオ(事例・常滑編) 画像 <シリーズ> 陶磁器産業復活のシナリオ(事例・常滑編)

インバウンド・地域活性

■最大の転機はインスタ映え必至の巨大招き猫?

 さて2016年の調査で常滑市の魅力を自由記述で回答してもらったところ、「やきもの」や「やきもの散歩道」以外に「招き猫」という声が多数寄せられました。

 ここでいう「招き猫」とは、生産量日本一、戦中から常滑で製造されてきたタレ目が特徴の縁起物、招き猫のやきものではなく、2007年常滑駅からやきもの散歩道に続く、招き猫通りに設置された幅6.3m、高さ3.8mの巨大招き猫像「見守り猫とこにゃん」を指します。

 常滑市を訪れる人の中に若い人の姿が増え始めたのはこの巨大招き猫像が誕生してから。きっかけは中心市街地活性化推進協議会で出たアイデアで、招き猫通りに願掛け招き猫39体とともに巨大招き猫を設置するもの。当初は全身像を設置する予定でしたが、予算等様々な制約により実現したのは頭部だけ。ただそのインパクトは絶大、むしろ頭部だけという奇異な姿が功を奏したのかもしれません。

 像は市道の上の高台に設置。常滑駅からやきもの散歩道に向かって歩いていると突然、招き猫の巨大な頭部が現われます。それだけでもインスタ映え確実ですが、近寄ってみると人間の背よりはるかに大きく、一緒に写真を撮れば、さらに注目度は大。近年はSNSの口コミにより各地で新たな観光名所が誕生していますが、この招き猫像の情報もネットで拡散、若い人を惹きつけることに成功したものの一つでしょう。

もちろん像があるだけでは写真を撮って終わり、そこにやきもの散歩道がなければ、究極の通過型です。像が設置されているのはまさにやきものの散歩道のエントランスともいえる場所。そばには訪れた人を散策に誘う、古民家を改装したアートスペースやまち歩き好きの心をくすぐる路地。足は自然とそこに向いて行きます。

コースマップも整備され、初めてでもストレスなく歩けますが、たまに迷うことも面白さの一つ。まち歩きの醍醐味は探検と同じで、予期せぬ出会いや発見、感動があってこそ、満足度は高いのです。

また、ここに来て新たな動きも生まれています。


《水津陽子》

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