選挙戦スタート、各党の建設業界の課題への対応は? 画像 選挙戦スタート、各党の建設業界の課題への対応は?

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 衆院は28日召集の臨時国会冒頭で解散された。政府は直後の臨時閣議で総選挙の日程を10月10日公示、同22日投開票と決定。選挙戦が事実上スタートした。建設業界にとっては、大都市と地方の間の事業量や景況感の格差が顕在化する中での政権選択選挙。公共事業予算の安定的な確保に向けて大型補正予算の早期編成を求める声も強まっており、注目度の高い選挙戦となりそうだ。
 安倍晋三首相は、解散の方針を明らかにした25日の記者会見で、「生産性革命」と「人づくり革命」の二つの大改革を強力に推進する新しい経済政策パッケージを年内にまとめる考えを表明。12年12月の政権奪還以降続けてきた「アベノミクス」に対する国民の信を改めて問う考えを示した。
 2大改革のうち、生産性革命では、20年度までの3年間を「生産性革命集中投資期間」と位置付け、企業による設備や人材への投資を強力に推進。大胆な税制、予算、規制改革を通じた施策を総動員するとした。
 建設業界にとって今回の選挙は重要な意味を持つ。ある地方業界のトップは、「生産性革命や働き方改革といった地方の建設業界が抱える課題を問い掛ける大事な場になる」と指摘。さらに、特に地方で低迷する景況感をプラスに押し上げるためにも、地域密着型の公共事業を含めた大型補正予算の実現に大きな期待を寄せる。
 公共工事前払金保証事業会社3社の統計をベースに全国建設業協会(全建)がまとめた公共工事請負金額の4~8月の推移によると、3社が前払金保証を扱った工事などの請負金額の合計が前年同期の水準を下回った地域が半分以上の26府県に達した。
 請負金額の合計は0・7%減の7兆2633億円で横ばいながら、保証した工事などの案件を規模別に見ると、10億円以上の大型は8・5%増の2兆2529億円と増えた一方、10億円未満はいずれも減少。地域建設業の受注割合が多い5億円未満は5・1%減の2兆1262億円、1億円未満は1・3%減の8408億円、5000万円未満は2・2%減の1兆3491億円と軒並み減っている。
 大型案件の受注を目指す全国規模のゼネコンに比べ、地域建設業者の経営環境は厳しいと見る経営者が少なくない。地方建設業を束ねる全建の近藤晴貞会長は「地域間格差、企業間格差がある」と指摘する。
 そうした中で全建は22日、政府・与党に18年度公共事業費の増額と併せ、大型の17年度補正予算の早期編成を申し入れた。背景には、地域のインフラの整備・維持管理に加え、災害時の緊急復旧を担う「地域の守り手」として地域に根差した事業活動の継続が困難になるとの危機感がある。災害対策や地方創生の取り組みを推進するためにも、近藤会長は「(実行には)地域建設業の健全で安定した経営基盤の確保が必要」と訴えた。
 赤字国債と異なる建設国債が財源の公共事業費を増やしても、社会保障費や教育費などを圧迫することはないだけに、公共投資の拡大を求める声は与党内からも聞かれる。大型補正などの実現には、地域の実情を国民に訴えていく必要がありそうだ。

選挙戦スタート/業界の課題への対応問う/大型補正予算にも期待大きく

《日刊建設工業新聞》

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