ゼネコン各社/週休2日、前倒しで対応/生産性向上が必須 画像 ゼネコン各社/週休2日、前倒しで対応/生産性向上が必須

人材

 週休2日を巡るゼネコンの取り組みが活発化している。手持ち工事が豊富な中でも週休2日の定着を促す中長期目標と実施工程を定める企業が多く、21年度末までに4週8閉所とする方針を固めて環境整備に入った企業もある。時間外労働の上限規制の導入に備え、日本建設業連合会(日建連)が新しい対策を検討する中、休日の増加に前倒しで対応する動きが広がっている。
 日刊建設工業新聞社が主要ゼネコン31社に実施した週休2日に関するアンケートによると、12日までに回答した27社の大半が目標を設定していた。
 職員と同時に、雇用関係のない技能労働者の休日を増やすには、工期延長や日給制技能者の年収維持が求められる。回答では、発注者や協力会社の理解と協力を得て、職員の4週8休、続いて技能者を含む作業所の4週8閉所を実現するという段階的な道筋を描く企業が目立った。
 井上和幸社長が日建連の週休二日推進本部長を務める清水建設は、21年度末の4週8閉所の実現を目指す。17年度末までに全現場の職員を週休2日、19年度末には年間休日を完全取得、21年度末には年間休日と年休取得10日の取得といった措置を講じる。
 大林組は18年度までに全土木現場で4週8休を実現する目標を設定した。建築では、メールマガジンを活用し、優良事例を普及させると同時に毎月の休日取得状況を可視化した上で配信中。5年以内に職員の4週8休以上と4週6閉所以上の定着を目指す。昨年度から土曜閉所に力を入れる安藤ハザマは本年度、全現場での4週6閉所を目標に掲げる。
 モデル現場を選んで週休2日定着を急ぐ動きもある。竹中工務店は官民問わず新築約30カ所、改修約10カ所をモデル作業所に選び、4週6閉所を始めた。ここでの取り組みやアイデアを他現場にも波及させる。五洋建設、前田建設、青木あすなろ建設などもモデル現場を定め、問題点の共有や課題解決につなげていく。
 時間外労働の上限規制が建設業に適用されるのは約7年後とみられる。日建連は時間外労働を段階的に減らす目安となる「自主規制」を22日に打ち出す予定。週休二日推進本部は年内に行動計画をまとめる。
 アンケートでは、長谷工コーポレーション、熊谷組、佐藤工業、奥村組、大豊建設、ピーエス三菱などが日建連と足並みをそろえる姿勢を見せた。鹿島は18年4月に始動する新中期経営計画で現場の週休2日を最重点項目の一つに位置付ける予定。大成建設は休日取得・残業削減の目標設定とアクションプランを策定中だ。
 発注者の理解を得るための努力も欠かせない。各社は「生産性向上が必須」との認識で、三井住友建設は現場の自動化や効率化、省力化など技術的な工夫と同時に、業務の見直しや社員教育といった時短施策を実施し、時間外・休日労働時間を月60時間以下にすることを目標に掲げた。
 多くの社がBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)、ロボット、IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)などを一段と活用する意向も表明。フジタは20年度に生産性を20%アップさせるとした。
 ただ、労働集約型の生産体制の転換は容易ではない。技能者の総収入を減らさないことも前提条件になる。元請業者の自助努力を前提に、工期と請負代金に対する発注者の理解を課題に挙げる社も多かった。

ゼネコン各社/週休2日、前倒しで対応/モデル工事で課題抽出

《日刊建設工業新聞》

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