お好み焼き「千房」、インバウンド成功の決め手とは?/外食ビジネスウィーク 画像 お好み焼き「千房」、インバウンド成功の決め手とは?/外食ビジネスウィーク

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【記事のポイント】
▼インバウンド客に人気なのはラーメンやトンカツ、カレーなど国民食
▼街の雰囲気にあわせたサービスが必要
▼リピーター獲得のためにはハラルやベジタリアンなど食に制限のある人への配慮を
▼SNSでの来日前プロモーションは必須


 2017年8月29日~31日、東京ビッグサイトで開催された「外食ビジネスウィーク2017」。外食業界向けの7つの専門展が同時開催となる本展示会には572社もの企業が出展し、また多数のセミナーが開催された。

 今回の記事では千房ホールディングス(株)経営企画室室長の橘川昭文氏と、Telecom Square Taiwan, Inc.董事長の大塚順彦氏によるセミナー「千房の海外進出と、台湾からのインバウンドプロモーション事例」から、飲食業によるインバウンドの取り組みとその具体的なプロモーション事例のためのポイントを抽出する。

■お好み焼きチェーン「千房」のインバウンド対策とは?

 大阪に本店を構える「千房」は、国内に59店舗(直営31、FC28)、海外に4店舗を展開するお好み焼きチェーンだ。実はお好み焼きは近年外国人観光客に人気の高い日本食としてランクインしており、外国人ユーザーによってお好み焼きの紹介動画が動画サイトに多数アップされている。

 千房に来店する外国人観光客の客層は20~30代のアジア系、欧米系の外国人が多く、彼らにとって「日本食を食べる」ということは来日目的のひとつとして重要視されている。

 日本食といえば寿司や天ぷらのイメージが強いが、ここ数年はラーメンやトンカツ、カレーなどのいわゆる国民食に対する外国人観光客の関心が高まっており、「これら国民食の次に注目を集めるのは、お好み焼きのような地域グルメ」と橘川氏は予測している。これからは寿司のような代表的日本食にプラスして地域グルメのような目新しいメニューがインバウンド客に好まれる可能性がある。

 そもそも大阪には外国人観光客に人気の「独特で個性的な文化」が多い。例えばなにわエリアの飲食店に代表される個性的な看板、関西ならではのフレンドリーな雰囲気……。このように体感しやすくわかりやすい、外国人を引きつける文化やコンテンツが豊富にあるところに、粉とソースを使ったカジュアルな料理が外国人観光客に受けたと言えるだろう。

 千房では外国人観光客獲得のための施策として公式サイト、Facebook、Weiboなどを使った情報発信、またメニューの多言語化やフリーWi-FIの設置、WeChat Payment(微信支付)の導入による利便性の向上、さらには大阪の食に関する文化啓蒙などを進めている。今後リピーターを獲得するためには「ハラルやベジタリアン、グルテンフリーなど食への制限がある人への配慮が必要」と橘川氏は話す。

 最後に外国人観光客へのおもてなしについて橘川氏は「マニュアルにない、見返りを期待しない、お客様の想定を大幅に上回るサービス」の3か条を挙げ、「外国人のお客様を特別視するのではなく、お客様だから特別なのです」と締めくくった。

■なぜ台湾人観光客がターゲットなのか?

 橘川氏に続いて、大塚順彦氏が台湾国内からの視点で、日本へのインバウンド分析やSNSの使用状況を述べた。

 千房では台湾人観光客をインバウンド施策のメインターゲットとしている。アジア圏からの観光客は中国や韓国も多いのだが、なぜ台湾なのだろうか? まず数字的な部分を見てみると台湾の人口は約2353万人、そのうち海外渡航者は62%にあたる1459万人、さらに訪日数は人口の17%にあたる417万人となっており、ここ数年で訪日数は右肩上がりで急増している。

 中国や韓国からの訪日客も増えてはいるが、中国人観光客は日本へのリピート率が低く、また韓国人観光客は高速船利用による日帰り観光が多いため、訪日人数に比較してインバウンド消費はそれほど大きくない。それに比べると台湾人観光客は複数回来日するリピーターが多く(中国人観光客の約2倍)、半年に一度は来日するという観光客も少なくない。台湾国民が親日的というのも大きな理由のひとつと言える。


《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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