成功する新業態:03|建物価格1億円以上の「社長の邸宅」/フリーダムアーキテクツデザイン 画像 成功する新業態:03|建物価格1億円以上の「社長の邸宅」/フリーダムアーキテクツデザイン

制度・ビジネスチャンス

【第3回:フリーダムアーキテクツデザイン株式会社】

 少子化によってマーケットが縮小する中では、寡占状態の事業に新規参入しても成果は見込めない。今ビジネスを大きく成功させるために必要なのは、パイを奪い合うことではなく、新たなパイを生み出す「新業態」の開発だろう。

 前例のないビジネスモデルは大きな可能性を秘める一方で、新たな方法論、仕入れやマーケットの開拓をゼロベースから始めることになる。では、どうすれば成功する新業態を生み出すことができるのか? 連載第三回目では高額所得者向けの家づくりを手がける「フリーダムアーキテクツデザイン株式会社」に、そのヒントを探る。

■高額所得者は時間のないなかでも妥協のない家づくりを求める

 フリーダムアーキテクツデザインは注文住宅・デザイン住宅を手がける企業だ。2017年7月より開始したのは、建物価格が1億円以上の富裕層向け家づくりプロジェクト「社長の邸宅」だ。まず気になるのが「社長の邸宅」というユニークなネーミングだ。なぜ「社長」なのか? 「社長の邸宅」とは具体的にどのようなサービスなのか? さらに論を進めて、日本の富裕層はどんなライフスタイルを思い描いているのであろうか? 代表取締役社長である鐘撞正也氏と設計事業本部設計企画部部長・BIM設計室室長の長澤信氏に話を聞いた。

「以前より会社経営者などの高額所得者層のお客様から、仕事が忙しい中でも妥協のない家づくりをしたい、というお話をいただいていました。同時に家づくりだけでなく、インテリア・家具も提案して欲しいという要望が強くありました。会社経営者は家づくりに強いこだわりを持つ傾向が高く、住宅展示場にあるような大量生産・大量供給の住宅には違和感を感じています。また“自分らしさ”を強調したい方も多く、有名な建築家の設計よりも自分で考えた設計という部分にステータスを感じるようです」(鐘撞氏)

 建築家による「デザイン性の高い住宅」と、社長の持つ「理想の住宅のイメージ」の乖離。この温度差を埋めるために始めたのが「社長の邸宅」と理解できそうだ。

■VRの活用は無駄をなくし人間関係を強化する

「社長の邸宅」の特長のひとつがVR(ヴァーチャルリアリティ)を使った「VRアーキテクツシステム」だろう。これは3Dで作成した設計段階の家を仮想空間として、VRを使いそのなかを自由に歩き回ることができるサービスだ。これにより平面図では分かりづらい部屋の奥行きや天井の高さ、家具のレイアウトなどをより具体的にイメージすることが可能となる。

「弊社で実施したVR体験会において、平面図を見て全貌をわかっていたつもりが、VRを体験していただくとイメージしていたものとは違っていたという意見が多数ありました。VRを導入することで、打ち合わせにかかる時間を短縮することができます。またVRを使えば日当たりや日照時間のシミュレーションもできます。机上のデザインで窓をデザインしてみたが実はあまり日が当たらないということも、設計段階でチェックすることが可能になります。VRの導入により途中で設計の変更が入ることが少なくなりました」(長澤氏)

 これらのVR技術を駆使することにより、平面図だけで説明されるよりも購買意欲を大幅に高めることにつながっている。

 建築だけでなくインテリアの提案も行えるよう、世界中の住宅デザイン・住まいづくりのプラットフォームである「Houzz(ハウズ)」と連携することで、世界のトップデザイナーからの提案を受けることができる。さらに「社長の邸宅」のコンセプトに賛同した世界屈指の高級ブランドーー「BANG & OLUFSEN」(オーディオ)や「Minotti」(家具)、「seven dreamers」(全自動衣類折りたたみ機)といったメーカーとも連携して、建築からインテリアまでをトータルでプレゼンテーションできる体制になっている。もちろんVR用にも各ブランドから家具データの作成・提供を依頼している。これにより顧客は実際に設置された家具・インテリアの具体的なイメージを持つことができるというわけだ。各ブランドにとっても自社製品のPRにもなるためお互いにとってメリットがある。


《HANJO HANJO編集部》

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