スマホでいつでもどこでもできる「U・Iターン」とは? 画像 スマホでいつでもどこでもできる「U・Iターン」とは?

人材

【記事のポイント】
▼地域創生を活性化させるための施策「U・Iターン」は、転職を考える際の選択肢の一つとしても注目され、いまでは「U・I転職」ともいわれている
▼場所や時間を限定しない「U・Iターン」マッチングとしてスマホの利用が始まった
▼肩肘はった面接ではなく、移住者と企業、双方のもっとカジュアルな会話が求められている。スマホでの「U・Iターン」はその現実的な解法である


 このところ「U・Iターン」という言葉をよく耳にする。地方から都市部へ移住した人が再び生まれ故郷に戻ったり、自身の生まれ故郷から別の土地へ移動する現象であるが、現在では一般にも広く認知されるようになってきた。地域創生を活性化させるための施策として、行政も地元企業もこの“人口還流現象”を積極的に利用し始めている。もちろん、呼ぶ側だけでなく、行く側の意識も高くなっている。移動という枠組みを超えて転職を考える際の選択肢の一つとしても注目され、いまでは「U・I転職」ともいわれている。

 2014年に政府が行った東京都在住者対象の移住意識調査によると、約4割が「U・Iターン」をしてみたいと回答しており、都会を離れ地方への移住や就職を希望する人は意外と多いことがわかる。その一方で移住するにあたり「働き口が見つからないのでは?」「生活の利便性はどうなのか?」など不安要素を抱えている移住希望者も多いようだ。

 東京をはじめ大都市圏では移住希望者のためのマッチングサービスが行われているが、ここで問題になるのは時間や場所の制約である。決められた時間に決められた場所に行かなければならないことは、サラリーマンにとってはかなりの重荷であるばかりでなく、自分の希望をかなえるための出会い回数が減じられることにもつながりかねない。動画による個別面談サービスもあるが、合同説明会のように複数社を見ることは難しい。

 時間や場所の制約から解放されて「U・Iターン」を複数社を横並びで検討できるなら・・・。そんな要望に対するひとつの答えとして、人材領域を中心にサービスを展開するIT企業のビズリーチが富山県と連携して「遠隔移住セミナー」というイベントを8月4日に開催した。東京会場では20~40代を中心とした約20名の移住希望者が集合、一方富山会場では県内のものづくりを中心とした企業20社が参加した。今回はイベント形式のため会場に集合することになったが、基本的なサービス利用例としては、登録した移住希望者と企業が時間や場所の制約を受けることなくスマートフォンで自由に会話できる、というものだ。

■U・Iターンになぜ富山は適しているのか?

 今回の「遠隔移住セミナー」は、東京の会場と富山県の2会場を繋いで行われた合同の遠隔動画面談会だ。まず、東京会場ではU・Iターン先である富山県の概論を、富山県 観光・交通・地域振興局地域振興課主査の野村美和氏が説明した。

 北陸新幹線開通により東京から最短2時間8分で行けるようになった富山県は、正規雇用者の割合が全世代で67.1%と全国第2位、女性の有業率が全国4位と働きやすい県だ。また勤労者世帯の可処分所得も一世帯あたり約51万円と東京を上回り全国3位となっている。さらに通勤時間も30分未満が70%を超えており、居住地と勤務地が近接していることがわかる。

 また富山県では子育てや教育にも力を入れており、保育所待機児童数は0人で全国1位、児童生徒の学力も全国トップレベルとなっている。地震や津波、台風などの天災が少なく、火災や犯罪の発生件数の少なさは全国1位と治安も良い。北陸地方で気になるのが冬場だが、富山県の緯度は北関東と同じであり比較的暖かく、雪についても徹底した除雪や消雪装置の設置により、雪に閉ざされるというようなことはほぼないという。

 さらに住宅事情も良好であり、持ち家率は全国1位の78.1%、1平方メートルあたりの住宅地平均価格は3.1万円(東京33.3万円)となっている。物価も東京の約9割と安いそうだ。

 これらのことから富山県は移住を検討するにあたって魅力的な要素が数多くある地域といえるだろう。

■U・Iターン経験者が語る移住のホントのところ

 トークセッションでは実際に首都圏から富山県に移住・転職をした株式会社ゴールドウインの東森淳成氏と、株式会社アイペックの島田正輝氏が体験談を語った。

――富山県で仕事を探すことになった経緯は?

島田:北陸新幹線の工事に関わる仕事をしていたときに富山への移住を考えていました。実際には富山の企業のことがよくわからずにいたが、北陸新幹線の工事現場で知り合った方の縁で移住をすることにしました。

東森:子どもができたときに、腰を据えて子育てをしたいと思い移住を決意しました。地元に密着した転職エージェントにいろいろとエントリーしました。

――実際に富山県に住んでみて、暮らしや仕事に違いはありましたか?

東森:自然が豊かなので、オンとオフがきちんと切り替わることです。東京では、仕事が終わっても帰宅ラッシュで混雑している電車に乗るというストレスがありました。移住してからは自然に癒やされてリフレッシュしています。仕事の面ですと東京ではドライに仕事を進めることを重視していましたが、富山県では人と人との関係が非常に濃いと感じました。

島田:仕事に関しては東京と比べると時間がゆったりしています。締切に追われるのではなく、どちらかというとのんびりとした雰囲気。夜遅くまで働かず、早く帰って家族との時間をしっかりととるというスタイルの人が多いです。


《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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