大林組、AI活用技術の開発体制強化/AIやIoTで生産性を向上 画像 大林組、AI活用技術の開発体制強化/AIやIoTで生産性を向上

IT業務効率

 大林組が、人工知能(AI)を活用した技術の開発を加速させている。社内で30を超えるAI関連技術の開発が進行中。テーマは多岐にわたるため、開発に関わるメンバーによる社内横断的な「AI推進会議」を月1回のペースで開き、進ちょく状況などの情報を交換することで効率的な開発につなげている。
 同社は17~21年度のグループ中期経営計画で、国内建設事業の戦略の一つに、AIやIoT(モノのインターネット)などを駆使し、生産性を向上させる施策を打ち出している。
 AIを活用した技術開発で先行しているのは、集合住宅の内装工事向けに開発を進める「工程認識AI」。工事写真に写った建築資材をAIで推定し、資材の内訳から工事の進ちょくを自動認識する技術で、工事記録用に撮影した写真を使うことにより、進ちょく状況の確認業務を省力化するのが狙いだ。
 AIに24種類の建築資材の画像約2万枚をサンプルデータとして学習させ、「建築資材推定モデル」を構築。さらに、既存の工事写真250枚を学習させて、工事写真に写った建築資材の構成比率からその工程を判定する「工程分類モデル」を構築した。
 2月に東京都内の分譲マンションの内装仕上げ工事で性能を検証。約100枚の工事写真で試行した結果、建築資材は6割程度、工程は7割以上の精度で認識できたという。実用化に向け、認識できる資材の種類を増やし、細かな分別ができるよう、さらに精度を上げていく。
 IoTやAIを使ったビルマネジメントシステムの開発にも着手した。建物利用者の温熱や光環境などの好みや、設備機器の運転状況など多様なデータをクラウド上に蓄積。そのデータをAIで解析することで、個々の快適性を満たす最適な設備制御や効率的な設備機器メンテナンスにつなげるなど、個人の健康管理からビル全体の管理まで多方面の要求に最適解を導き出す。同社が設計施工を手掛けた東京都内のテナントオフィスビルに導入し、9月に実証運用を始める。
 AI推進会議は1月に発足した。技術本部が中心となって運営しており、学識者やAIベンダーなどにも参加してもらい、知識の底上げを図っているという。
 鈴木理史技術本部企画推進室技術企画課副課長は、「アウトプットのデータは残っているが、こういう結果になったという、それに影響するインプットのデータは集まっていない。大量のインプットデータをどう網羅的に手間をかけずに収集するかが、これから検討していく開発テーマの課題となる」と話している。

大林組/AI活用技術の開発体制強化/推進会議で情報共有、30テーマが進行中

《日刊建設工業新聞》

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