「おもてなし規格認証」取得は2020年への第一歩/インバウンド・ジャパン 画像 「おもてなし規格認証」取得は2020年への第一歩/インバウンド・ジャパン

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼おもてなし規格認証を取得することで得られるビジネスメリットは多い
▼定量化できないサービス品質を“見える化”するのがおもてなし規格認証
▼おもてなし規格認証取得によって競合社との差別化が図れる
▼認証を受けることで、増加する外国人観光客にもわかりやすい目印となる


 2017年7月19日~21日、東京ビッグサイトで開催された「インバウンド・ジャパン2017」。「ジャパン・エクスペリエンス」価値向上のための見本市として、事業拡大や地方創生のための製品やサービスが集結したインバウンド市場の最前線が体感できるイベントだ。2020年の訪日外国人数4000万人を目指して、数多くの出展、そしてセミナーが開かれた。

 今回の記事では、サービス産業の活性化の切り札となりうる「おもてなし規格認証」についてのセミナー「GDP600兆円の実現に向けて~おもてなし規格認証によるインバウンド需要の取込~」の要約をお届けする。経済産業省 商務情報政策局サービス制作課 課長補佐・阿部尚行氏がスピーカーとして登壇した。

■「おもてなし規格認証」の本質とは?

 日本のサービス産業はGDPの7割を占める主要産業でありながら、製造業に比べ生産性が低く、また先進諸国のサービス産業と比較しても伸び方が鈍いと言われている。経済成長の切り札であり、地方創生のカギを握るといわれるサービス産業。その生産性を上げるためには、感覚的であり定量化できないサービス品質の“見える化”が必要になる。そこで国内のサービス産業事業者のサービス品質を“見える化”するために経済産業省が創設したのが「おもてなし規格認証」だ。

 おもてなし規格認証には紅・金・紺・紫の4種類のランクがあり、紅認証は定められた規格30項目のうち15項目以上が該当していれば、自己適合宣言をすることで認証を受けることができる。金・紺・紫についてはそれぞれ審査が必要であり、金以上ではミステリーショッパーが導入されたり、紺以上では人材育成などの要件も付加されるなど、ランクが上がるに伴い審査も厳しくなっていく。

 企業にとってはランクごとの認証をすることは一見すると格付けのようにも見えるが、「おもてなし規格認証はサービス業のミシュラン(格付け)ではなく、サービス業版のISO規格と考えてもらいたい」と阿部氏は話す。

■おもてなし規格認証で成功したビジネス、その一例

 それではおもてなし規格認証を受けた企業がどのように活用をしているか事例を見てみよう。

 紺認証を受けた学習塾の東京個別指導学院は、認証取得によるサービス生産性や経営品質の向上を株式市場も好感して株価が上昇した。また同じく紺認証を受けた眼鏡店Zoffでは、サービス事業維持や成長の核となる人材の確保への意識が高まっているという。

 タクシー会社の勝山タクシーでは金認証を受けたことで、接客態度やドライバーの士気が向上。またドライバー150人のうち、5人を“プレミアムドライバー”として専用の制服やバッジを支給することで、ドライバーたちの意識が一層高まったそうだ。

 おもてなしの一環として予約台帳のIT化を行ったのが旅館業の陣屋だ。従来は紙の台帳を使用していたが、電子台帳を取り入れたことで情報を一元管理・共有化することに成功。従業員が携帯しているモバイル端末を使うことで時間や場所を問わず更新・閲覧が可能となり、アレルギー情報など利用者情報の記入漏れや連絡ミスがなくなったそうだ。

 このようにおもてなし規格認証を受けた企業では、顧客や市場への好アピールや従業員の意識向上、そして生産性向上に効果が出ていることが分かる。


《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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