利益は経営者の闘争心によって出していくもの 画像 利益は経営者の闘争心によって出していくもの

制度・ビジネスチャンス

 中小企業、特に小さな会社は、経営者があきらめたときに赤字になる。したがって、経営者があきらめない限り、黒字になる可能性が残っている。その決め手になるのが、経営者の「闘争心」だ。「今は苦しいが、何としてでも今期も黒字にするぞ!」という強い気持ちを経営者が持っていなければ、会社を毎期毎期黒字にしていくことはできない。

 逆に、「この状況では今期は赤字でもしょうがないな・・・」と経営者が思った瞬間、赤字が確定するのである。そのくらい、経営者の気持ちは会社の数字に影響してくるのだ。そのような例は、税理士を30年以上もやっていると、たくさん見てきた。正に経営者の言ったとおり、思ったとおりになっている。良くも悪くも・・・。

「何としてでも黒字にする」と思えば、そのためにやるべきことがたくさん思い浮かんでくるのだ。思考回路が「黒字にするには?」という方向に切り替わって、そのためにやるべきこと、この状況で売上を上げるにはどのような方法があるのか、価格は上げられないのか、仕入はこんな風にすれば下げられるのでは、経費ももっともっと見直せるな・・・と湯水のようにいろいろなアイデア、施策が思い浮かんでくるのである。

 闘争心に火が付けば、経営者になるくらいの人であれば、たくさんの考えが出てくるものである。だからこそ、経営者になっているのではないだろうか? だから常に闘争心を持ち続けていることが、経営者には大事なことなのである。心に炎を燃やし続けていなければならない。そうすれば、すべての解決策は浮かんでくる。

 しかし、勘違いしてはいけないのは、気合を入れろ、ということでない、ということだ。心に赤い炎を燃やし「やるぞ!! 何としてでも黒字にするぞ!! それ行け~!!」みたいな気合を入れて何とかしろということではない。

 ここでいう炎とは、青白い炎を強く持続して心の中で燃やし続けることである。すなわち、冷静な頭で本気で持続して考えることができる闘争心だ。いくら闘争心といっても、格闘技をするわけではないのだから。

 毎期毎期黒字を出して目標を達成し、強い財務体質の会社へと改善していく。そして、資金不足に陥らないよう経営をしていく。これらをしっかりと実践していくには、並々ならぬ闘争心が必要だということを、今一度経営者の皆様は肝に銘じて欲しい。

 利益を出すことも大変なことだが、さらにそこから税金を払っていくのは決して楽なことではない。利益が出ても必ずしも資金があるわけではないからだ。必死に稼いだお金から税金を支払うのは、身を切られるような思いだろう。よほどの強い気持ちがなければ、これらを乗り切っていくことはできない。自分たちが苦労して稼いだ大切なお金をみすみす奪い取られるようなものだからだ。

 大企業は基礎体力があるからまだいいが、中小企業はそういうわけにはいかない。大きな赤字を出せば、すぐにも債務超過になってしまいかねないのだ。だから税金などで余分なお金を出費することを、極端に嫌がるのだが、税金はこの日本で経営をしていくための経費と割り切って対処していくしかない。経費であるので節減することは重要だが。

 闘争心が必要だとは言え、景気の動向や業界の環境変化、法律の改正など、さまざまな外部要因があり、経営者の思いだけでは何ともならない場合があるのも事実だ。しかし、それを理由にしていたら、小さな会社は生き抜いくことはできない。こうした外部要因から引き起こされる事態は、頻繁にあることだからだ。

 現に、いくら景気が悪くても、同じ業界のすべての会社が赤字というわけではない。黒字をしっかりと出している会社もある。逆に、景気が良くても、赤字という会社はいくらでもある。要は、経営者の覚悟、考え方、あきらめない想いにかかっている。

 期中から数字をしっかり確認し、「絶対赤字にしない!」と強い気持ちを持って、会社を引っ張っていくことが大事なのだ。このような闘争心を経営者が持っている限り、会社は必ずよい方向にいくはずである。


●北岡修一(きたおかしゅういち)
東京メトロポリタン税理士法人 統括代表。25歳で独立以来、税務会計業務を基本としつつも、経営診断、人事制度の構築支援、システム導入支援などコンサルティング業務にも携わってきた。現在は「会計理念経営」を掲げ、「会計を良くすると、会社が良くなる!」をモットーに、誠心誠意、中小企業を支援している。主な著作に『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)、『事業の引継ぎ方と資産の残し方・ポイント46』(共著/あさ出版)がある。


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