サービス業のIT利用最前線!8 子どもの表現をITで助ける/あすみ福祉会 画像 サービス業のIT利用最前線!8 子どもの表現をITで助ける/あすみ福祉会

IT業務効率

 インバウンド需要の拡大、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックといった要因から、「おもてなし」がキーワードとして注目されている。さらに、IT/IoTを活用した「おもてなし2.0」とでもいうべきサービスや製品が、飲食業・旅行業・物販業の領域で、多数登場しつつある。本記事はそうした最新事例を紹介し、自社での導入の参考とする内容だ。

 今回は、初の教育系業種として、首都圏を中心に保育園を展開する「茶々保育園グループ(社会福祉法人あすみ福祉会)」に焦点を当てる。同グループは、埼玉県入間市の茶々保育園からスタートし、現在は東京・神奈川・千葉・群馬・埼玉に10園以上を展開。2017年4月には、「茶々そしがやこうえん保育園」「茶々とどろき保育園」を、世田谷区に同時開園した。

「茶々そしがやこうえん保育園」は、国家戦略特区制度を活用し“日本初の公園内保育所”として、世田谷区・祖師谷公園のなかに開園した。広い敷地と自然豊かな環境が特徴だが、同時に、「クリエイティブ教育」をテーマに、タブレットや大型ディスプレイなど、最新のデジタルデバイスやインターネットテクノロジーを積極的に導入し、子ども達の知性や感性・積極性を刺激する教育を行っているという。また、保護者とのやりとりには、リクルートマーケティングパートナーズが提供する保育園向けサービス「kidsly(キッズリー)」も導入している。

 保育園は飲食業や旅行業、物販業のようなサービス業ではないが、IT導入に積極的に取り組む姿勢は、示唆に富むポイントが多く、ITやおもてなしの戦略に悩む企業の助けになると思われる。今回は、茶々保育園グループCEO・理事長である迫田健太郎氏に話を聞いた。

■これまでの「保育園」の枠組みを超える試み

 茶々保育園グループは、埼玉県入間市に「茶々保育園」を1979年に設立したところからスタート。長らく1園1法人だったが、近年の待機児童問題を受け、2001年に第2園を開園。現在は14ヶ所に開園している。なお「茶々そしがやこうえん保育園」がある世田谷区は、現在“待機児童問題”が最も深刻だとされている。

 迫田氏は、アクセンチュア(旧アンダーセンコンサルティング)に勤務後、親の家業を継ぐ形で、茶々保育園グループ理事長になった。こうした経歴が、グループの展開や教育理念に現れているといえるだろう。同グループが掲げる「オトナな保育園」というコンセプトについては、

「保育園は小さな子どもが育つ場所です。
 しかし“幼稚な場所”にする必要はないと私たちは考えてます。
 子どもは、大人の想像以上に能力や感性を備えている。
 そして大人も、充実した時間を過ごせたり、成長できてもいい。
 保育ってこういうこと。保育園ってこういう場所。
 そんな枠を外したら、新しい保育園の姿が見えてきました。」

とサイトやパンフレットでも紹介されている。こうした姿勢や発想は、「国家戦略特区制度の活用」「おちまさと氏のプロデューサー起用」「カフェの併設」「食に関するオイシックス(Oisix)との業務提携」「『保育士のためのおカネ講座』ワークショップの開催」「『茶々式しつけメソッド』の提唱」など、従来の保育園の枠組みに留まらない、多方向の試みに結び付いている。

■保育園の仕事=コミュニケーションをIT化した「kidsly」

「茶々そしがやこうえん保育園」は、迫田氏も「自然があって最高」と自負する環境にあり、自然の多い公園内という立地は、子どもの情操教育にも健康にも良さそうだ。外観は白くシンプルな園舎ながら、大きな天井窓から自然光が射すランチルーム、地域住民も無料利用できるカフェ、そしてICT教育が可能なクリエイティブルームと充実した施設となっている。園内は真っ白で自由に活動できる場、外は自然が豊富な環境、こういう切り分けが、さまざまな発想に結び付いている。

 茶々保育園グループは、冒頭でも紹介したとおり、IT活用にも積極的だ。保育園におけるIT活用は、通常「児童の教育・学習」「保護者との連絡・情報共有」「スタッフ業務の効率化」の3つに分かれる。たとえば同グループでは、保護者との連絡に、リクルートマーケティングパートナーズが提供する保育園と保護者をつなぐ、コミュニケーションサービス/スマホアプリ「kidsly(キッズリー)」を採用している。

「kidsly」は、保育現場や子どもの様子を保護者にタイムリーに伝えることが可能なサービス/アプリだ。シンプルなインターフェイスで、登園・遅刻・欠席状況を毎日簡単に記録できるほか、保護者とスタッフの連絡帳、写真の保存・共有、個別連絡、保育園からのお知らせ機能、イベントカレンダーなどの機能を持っている。保育園・幼稚園での利用に特化したSNS・掲示板・情報共有アプリとして、非常に便利かつ豊富なサービスが用意されている。同グループでは、開発段階から協力し、2016年5月から試験導入。そして2017年4月からは、法人全園・全クラスへの本格導入を開始した。もちろん「茶々そしがやこうえん保育園」でも活用されている。

《冨岡晶/HANJO HANJO編集部》

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