シシ肉、ジビエで特産化順調、観光農園で地域活性も/鳥取県北栄町 画像 シシ肉、ジビエで特産化順調、観光農園で地域活性も/鳥取県北栄町

インバウンド・地域活性

 鳥取県北栄町の日本猪(いのしし)牧場は、捕獲した野生のイノシシを飼養し、良質な野生鳥獣の肉(ジビエ)として出荷している。イノシシは神経質で管理が難しいため頭数は少ないが、今後拡大して安定的に出荷することで、特産品として地域を盛り上げる考えだ。

 飼養は2013年から始めた。農業被害をもたらす厄介者を特産にしようと、県中部の倉吉市、湯梨浜町、三朝町、北栄町、琴浦町や県、観光協会などと「鳥取中部イノシシ産業化プロジェクト」を設立。市町から許可を得て捕らえたイノシシを、15年度は5頭、16年度は10頭を育てて販売した。

 「イノシシはストレスに弱く、管理が難しい」と同牧場代表の徳岡憲一さん(52)。徳岡さんの父はイノシシの繁殖から精肉までを手掛け、多い時には400~500頭を飼養していた。父の死後は事業をやめていたが、プロジェクトの設立に伴い再開した。

 イノシシは本来群れないが、限られたスペースで管理するために、強制的に群れをつくらせる。相性が悪いと群れの中でいじめや共食いが起きる。牧場では現在3アールの敷地を複数に区切り、18頭を兄弟や相性の良い個体ごとに分けて管理。餌はトウモロコシと麦を基本に、果実など少なくとも4種類を与える。

 飼育イノシシの肉を使う青森県八戸市の日本料理店「金剛」は、インターネットで取り組みを知り、2年前から購入している。夏堀康夫料理長は「野生の肉は品質に当たり外れがあるが、飼養したものは安定している」と評価。客の評判も上々で注文は増えている。

 捕獲・駆除したイノシシも県内全域から受け入れ、食肉処理している。食肉処理だけをするイノシシを含め、15年度は約300頭、16年度は約600頭を出荷して黒字化を達成。17年度は1000頭が目標だ。将来的には野生飼養繁殖飼養――に分けてブランド化し、牧場を広げて頭数拡大を目指す。

 今後、飲食店も交え中西部の協議会を設立。イベントの企画や商品開発などでイノシシ肉のイメージ向上と消費拡大を図る。徳岡さんは「観光農園が目標。さらに中山間地域の高齢者が作る野菜も売って、地域の活性化を目指す」と意気込む。

シシ肉 特産化順調 捕獲し飼養、良品に 鳥取県北栄町

《日本農業新聞》

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