サービス業のIT利用最前線!7  “相席”したロボットの「居酒屋のおもてなし」 画像 サービス業のIT利用最前線!7 “相席”したロボットの「居酒屋のおもてなし」

IT業務効率

【記事のポイント】
▼飲食店において重要である「リピーター獲得」を解決するうえで、ロボットの顔認証機能は有効
▼ロボットに多くの機能をもたせるのではなく、優先順位を絞ることが大切
▼来客の目に見えるテクノロジーであるロボットを店のコンテンツのひとつとする


 インバウンド需要の拡大、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックといった要因から、「おもてなし」がキーワードとして注目されている。さらに、IT/IoTを活用した「おもてなし2.0」とでもいうべきサービスや製品が、飲食業・旅行業・物販業の領域で、多数登場しつつある。本記事はそうした最新事例を紹介し、自社での導入の参考とする内容だ。

 今回は、東京都内を中心に「居酒屋くろきん」「せかいち」「かざくら」など飲食チェーン4ブランド・13店舗を運営する株式会社ゲイトに焦点を当てる。同社はIT/IoT活用に積極的で、全社員にiPhoneを支給しているほか、業務システム、情報共有・社内マニュアル、店舗のセキュリティなど他方面でデジタル化に注力している。

 そうしたなか、「くろきん神田本店」では、「飲みニケーションロボット席」を開設。スマートフォンと連動するロボットを客席に配置し、客がコントローラアプリを使ってロボットに発話させたり、自分の顔を覚えさせたりする接客サービスを開始した。今回、同社広報担当の尾方里優氏から話を聞いた。

■接客・顔認証する卓上ロボットが提供する“ほっこり感”

「くろきん神田本店」の「飲みニケーションロボット席」は、現在1テーブルのみだが、オプション料金無料ということもあり、予約状況は上々だという。ヴイストン株式会社のロボット「Sota(ソータ)」に株式会社ヘッドウォータースのクラウドロボティクスサービス「SynApps(シナップス)」を実装。これにより、テーブル上のロボットに、さまざまな機能を持たせ「飲み友だちにする」(尾方氏)のだという。ヴイストンはロボット開発大手、ヘッドウォータースは日本国内でも有数のロボットアプリ開発・導入実績をもつ企業だ。

「飲みニケーションロボット席」では、予約席数に応じたテーブルにSotaを設置。あわせて来店した客にスマートフォンを貸し出し、専用アプリ「SynApps Mobile」を操作することで、さまざまな言葉をSotaに発声させることが可能となる。「へー」「グラス空いてますよ」「社会って厳しいですよねぇ」「わかりますよーボクもそう思いますよー」などの定型文が登録されており、タップするだけで、会話の途中にSotaが“合いの手”を入れて盛り上げてくれるイメージだ。また30字までなら、自由に入力した文章を発声させることもできる。たとえば、Sotaに内輪ネタを話させることも可能だ。音声ボリュームは、後ろについたボタンから調整できる。

 さらにSotaは、顔認識機能にも対応しており、席を見回し、登録済みの知っている顔があれば、挨拶したりその人の名前を呼んだりしてくれる。その場でカメラを使い登録することも可能。こうして「常連さん」を認識していくことで、将来的には顧客管理システムと連動させ、「来店頻度による常連優待」「系列店共通の顔認識」「音声認識や自然言語によるFAQ」なども実現したい考えだ。

 ただし現在、Sotaには、自動で会話したり注文を受け付けたりといった機能は用意されていない。「居酒屋でロボットが接客」というキーワードからは、こういったサービスを連想しがちだが、「あえてそういう、大規模かつ高度な機能は採用しなかった」(尾方氏)という。Sotaはスマホからの操作で発声はするが、会話を聞いて勝手に割って入るといったことはしない。これは「飲みニケーションロボット席」が、お客様により喜んでいただけるサービス提供の仕組みづくりを目指したものであり、「不得意な分野には踏み込まない」「お客様が喜ぶかどうかわからないものには投資しない」という判断からだった。

《冨岡晶/HANJO HANJO編集部》

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