スマートスピーカー時代の到来、クアルコムがIoT向け最新ソリューションを発表 画像 スマートスピーカー時代の到来、クアルコムがIoT向け最新ソリューションを発表

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 クアルコムがいま話題のスマートスピーカーに搭載されている音声認識や、オーディオのIoTを実現する同社の技術とサービスに関連する取り組みを紹介するためのメディアブリーフィングを開催。米本社から来日した部門責任者のAnthony Murray氏が、最新のスマートデバイス向けソリューションとこれからの戦略を語った。

 クアルコムといえばモバイル向けのSoCである「Snapdragon」シリーズがあまねく知られているが、スマートデバイスやIoTの分野にもSoCとその周辺のサービスなどを数多く提供している。2014年にはオーディオやホームシアター、車載製品向けのチップを設計・開発する英国の半導体メーカーCSRを買収。その後はポータブルやハイエンドオーディオの分野にもビジネスの裾野を広げてきた。

 Murray氏は昨今の音楽ビジネスのトレンドについて触れながら、「手もとのパソコンやスマホのストレージに保存したコンテンツを聴くだけでなく、定額制音楽配信などクラウドサービスから音楽をストリーミングして聴くユーザーが増えている」とし、そのトレンドは世界中で急速に浸透していると語る。それゆえにネットワーク経由の音楽再生を手軽に楽しめるモバイル端末やワイヤレスオーディオも注目されているとした。

 ワイヤレスオーディオの需要について、Murray氏は「3.5mmイヤホン端子がなくなったiPhone 7シリーズでワイヤレスイヤホンを試してみたところ、音が良く通信品質も安定していることに多くのユーザーが気がついた」ことが成長を促す要因であると説いた。さらにオーディオメーカーのハイレゾ再生に対する取り組みが実を結び、ユーザーの意識が高まっていることについても指摘を加えながら、クアルコムも独自に「aptX HD」というBluetoothの高音質コーデックをリリースして、ハイレゾ相当のワイヤレスオーディオ体験を提供していることを壇上で強調した。

 Murray氏は、オーディオ製品にもこれから「音声ユーザーインターフェース」の統合が進むとの見解を示した。日本ではまだ発売されていないが、アマゾンの音声AIシステムであるAlexaを搭載する「echoシリーズ」や、年内に日本で発売を予定するグーグルの「Google Home」など、いわゆる「スマートスピーカー」と呼ばれる製品カテゴリーがこれから注目を浴びると見込まれている。

 クアルコムではSnapdragonシリーズのアプリケーションプロセッサ「APQ8009」「APQ8017」をベースに、スマートスピーカーを開発するメーカーのニーズに合わせたカスタマイズ提案も行っている。「プレミアムクラスの製品には、音質と省電力性能に優れるデジタルアンプ技術『DDFA』が提案できる。またマルチルーム再生などネットワーク対応のホームシアター、オーディオシステムを開発するためのプロトコルであるAllPlayも、スマートスピーカーへスムーズに統合できる」とし、Murray氏はクアルコムのプラットフォーム技術の優位性をアピールした。

 Bluetoothオーディオについて、クアルコムでは高音質と低遅延を特長にうたうプレミアムクラスのシングルチップSoC「CSRA68100」から、エントリークラスのオーディオ製品向けの低コスト品まで幅広く手がける。Murray氏は「上位のICチップについては高性能なDSPやCPUを乗せて処理性能を高めただけでなく、採用するクライアントの製品やサービスに合わせたカスタマイズの自由度が高いこと」が特徴であるとした。また反対にワイヤレスオーディオのエントリーモデル向けSoCとしてラインナップする「QCC3000」シリーズについては、クライアントの要望に合わせたフルカスタマイズにも対応する。

 Murray氏は、スマートオーディオ製品を手がけるメーカーのためにプレミアムクラスからローエンドまで、多彩なプラットフォームが提供できるクアルコムの優位性を壇上で繰り返し強調しながら、製品開発に必要な費用や時間を圧縮するためにクアルコムのソリューションを選択することの正当性を呼びかけた。今回の会見でMurray氏が紹介したクアルコムのスマートオーディオ向けSoCについては、今年の後半以降に採用する製品が発売されることになりそうだ。

スマートスピーカー時代の到来にも準備万端……クアルコムがIoT向け最新ソリューションを発表

《山本 敦》

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