~社内コミュニケーションの秘訣~初めは遊びでも出口が仕事につながればいい/BFT 画像 ~社内コミュニケーションの秘訣~初めは遊びでも出口が仕事につながればいい/BFT

人材

 時代を生き抜く強い企業とは何でしょう? すばらしい商品やサービスはもちろんですが、そこにいたる会社のなかでの社員どうしのコミュニケーションが、本当はいちばん大切なのかもしれません。仲間と笑い合える会社が、今元気です。「小さい」「予算がない」「時間が足りない」といった悪条件を、彼らはどんな発想で乗り越えていったのか? 明るく楽しい会社やリーダーの活動から解き明かしていきます。第五回は、インフラ基盤構築やシステム開発を手がけるIT企業、「株式会社BFT」の小林道寛社長です。


◆第五回 小林道寛さん(48歳)◆
1991年に國學院大學を卒業後、株式会社フジミックに入社。その後2004年に株式会社BFTの前身である株式会社ビジネスフローテクノロジーズに入社、2008年の社名変更を経て2015年に代表取締役社長に就任。

■不足し続けるIT人材

 情報技術の発展やAI(人工知能)、VR(仮想現実)の登場により年々拡大を続けるIT業界だが、その一方でIT人材は慢性的に不足している。経済産業省が2016年に発表した調査結果によると現時点で17万人、2030年には78.9万人ものIT人材が不足するといわれており、今後いかに優秀な人材を確保するかがカギとなっている。しかしIT業界には「キツい・厳しい・帰れない」という“新3K”のイメージや、過重労働も指摘されている。

 そんな中で仕事とプライベートの両立、いわゆる“ワーク・ライフ・バランス”の向上に着目したのが株式会社BFTだ。2017年4月からは社員の“仕事”と育児・趣味・学習・休養といった“仕事以外の生活”の両面を充実させることを目的とした「BFTワークライフバランスプロジェクト」を始動、社員同士のコミュニケーションの確保や金銭面での不安を払拭する制度の導入を行っている。

■ワーク・ライフ・バランスを考え始めたきっかけ

 株式会社BFT代表取締役社長の小林道寛氏が、BFTの前身である株式会社ビジネスフローテクノロジーズに取締役部長として入社したのが2004年。それ以来会社を拡大するために仕事中心の生活を続け、「別に行くところもないし、やることもない。かといって家にいるのもイヤ」「仕事のことを考え続けることで安心感を得る」との理由から積極的に休みを取るようなことはなかったという。

 そんなある日社員の一人と交わした何気ない雑談が、小林氏の意識を変えることになった。その社員は「休みの日にスポーツをして、頭の中から仕事のことをきれいに追い出すことで、翌週にまた高い集中力で仕事に取り組むことができる」のだと話してくれた。

 ずっと仕事一筋でこのような発想がなかった小林氏は、このことを機に社員のストレス解消や生産性を高めるための方法について考えるようになったそうだ。そして生まれたのが社員のワーク・ライフ・バランスをサポートする制度『BFTワークライフバランスプロジェクト』だった。

■「BFTワークライフバランスプロジェクト」の特色

 「BFTワークライフバランスプロジェクト」には、高額なベンダー系資格取得のための費用をサポートする「スキルアップサポート」、課内のコミュニケーションを円滑にするための交流会費用をサポートする「コミュニケーションサポート」、遠方の客先勤務になった場合の引っ越し費用をサポートする「ムービングサポート」などユニークかつ金銭面でのサポート制度が充実している。

 中でも特に評判がいいのが、プロジェクト終了後に2週間以上の休暇を取得できる「フリーバケーション 2week+」だ。常に忙しく休みが取れないというイメージが強いIT業界だが、実はプロジェクトによって繁忙期と閑散期がある。そこでBFTでは、一つのプロジェクトが終わったら次のプロジェクトが始まるまで長期休暇を取ってリフレッシュし、社員の生産性やモチベーションを保つことができるように制度化したというわけだ。

 この「フリーバケーション 2week+」も、ある社員がプロジェクトの終了後に1ヶ月の休暇取得の話を小林氏に持ちかけてきたことがきっかけだそうだ。もちろんそれだけ長期の休暇を取っても、生産性に問題がないことは試算した上で制度化をしている。

 制度を導入したことにより病欠などの突発的な休暇取得から、まとまった期間を計画的に休む方向へシフトしてきたという。プロジェクト進行中にメンバーが突然休んでしまうと業務が滞ってしまいがちだが、このように休暇に対する認識が変わってきたことで、会社は生産性を落とさず、社員はしっかり休んでリフレッシュできる。お互いにとって良い結果が出ているようだ。

「長期休暇はもともと取ろうと思えば取れたんですけど、『フリーバケーション 2week+』って名前をつけると、みんなそういう制度があると認識するんですね。制度があるなら使おうって思うようになって、それで休みが取りやすくなったんですね」

《HANJO HANJO編集部》

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