ブランディングに失敗した日本遺産の活かし方 画像 ブランディングに失敗した日本遺産の活かし方

インバウンド・地域活性

 平成27年度スタートした「日本遺産」の認定制度。平成29年度までの認定件数は全国で57ありますが、知名度はほとんどないのが現状です。第一期15件が認定された際はメディアでも注目され、大手旅行会社等では日本遺産の情報をまとめた専用サイトを設けるなどしましたが、現在のところ日本遺産ツアーを組んでいる旅行会社は皆無。ニュースソースで探ってみても日本遺産効果の画期的な事例は見当たりません。

 所管する文化庁は、日本遺産認定の効果について当該地域の認知度が高まるとしていますが、肝心の日本遺産の認知度が地の底を這っている状況ではその効果もほぼ期待できません。日本遺産は完全にブランディングに失敗しており、ブランド力は「〇〇百選」レベルに甘んじています。

 一方、認定された地域はといえば、こちらも所管するのは文化財課など、ブランディングやマーケティングとは無縁の部署、正直「認定」がゴールになっている感が否めません。

 文化庁では様々な取組を行うことにより地域のアイデンティティの再確認やブランド化等に貢献し、地方創生にもつながるとしていますが、大方は日本遺産のホームページやパンフレットや日本遺産マークを入れたガイドマップの製作止まり、肝心の地域の受け皿整備などは手つかずのまま、日本遺産を活かす戦略は見えてきません。

 では、日本遺産は全く使い物にならないかといえば、そうではありません。

■地域活性化は、売れない芸人をブレイクさせるのと同じ?

 そもそも「日本遺産」というネーミングからして、「〇〇銀座」のような二番感、バッタものの匂いが否めません。ブランティングで重要なことは言うまでもなく、コンセプト。日本遺産の最大の価値とは何か、それはこれまで埋もれていた魅力ある地域資源の発掘であり、その情報が提供されることです。

 一方、その情報は一般の目にほぼ触れることなく、ほとんど活用はされていません。原因の一つは、日本遺産が点在する遺産を面として活用・発信するとして、文化財群をストーリーとしてパッケージ化、一体的にPRしようとしていること。

 そのストーリーのタイトルを見ると、「近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節の本源」、「信長公のおもてなしが息づく戦国城下町」など、一見して具体的なイメージが思い浮びません。

《水津陽子》

編集部おすすめの記事

特集

インバウンド・地域活性 アクセスランキング

  1. 近大医学部、付属病院、堺市への移転計画/健康・医療分野の民間投資を促進

    近大医学部、付属病院、堺市への移転計画/健康・医療分野の民間投資を促進

  2. 造幣局東京支局跡開発、大学を誘致する方針

    造幣局東京支局跡開発、大学を誘致する方針

  3. 五輪後の建設市場は「減少」か「横ばい」…アナリストに聞く

    五輪後の建設市場は「減少」か「横ばい」…アナリストに聞く

  4. 北海道北広島市、日本ハムへ提案のボールパーク構想公表/ショッピングモールやホテルも

  5. 日本油脂王子工場跡地開発(東京都北区)、ホームセンターのLIXILビバが参画

  6. 札幌市・北4東6周辺地区の再開発、19年3月の完成を目指す

  7. ■ニュース深掘り!■DMOの課題は予算、その対応は?

  8. 「爆買いツアー」終焉で貸切バス需要が急減。バス業界の今後は?

  9. 東京女子医大の足立区移転、高度医療提供できる施設へ

  10. 羽田空港第2旅客ターミナル国際線対応施設、南側増築で機能強化

アクセスランキングをもっと見る

page top