群馬県川場村の木質バイオマス発電施設完成、地域資源で地場産業創出 画像 群馬県川場村の木質バイオマス発電施設完成、地域資源で地場産業創出

制度・ビジネスチャンス

 清水建設が事業に参画している群馬県川場村の森林資源活用型コンビナート事業が本格的に動きだした。地域の森林資源を持続可能な形で活用しながら地場産業の創出を目指すプロジェクト。その中核施設となる木質バイオマス発電所「森林(もり)の発電所」が完成し、9日に現地で完成式が開かれた。
 同事業は、川場村が2015年4月に立ち上げ、清水建設も出資する第三セクター「ウッドビレジ川場」が事業主体となって展開する。清水建設は森林資源などを持続可能な形で活用しながら地場産業の創出を図る「グリーンバリュープロジェクト」の実践に向け、12年2月に川場村、東京農業大学と包括連携協定を締結し、事業モデルの検討・具体化に協力してきた。
 森林資源の地産地消を目指し、利根沼田森林組合が管理する2万7200ヘクタールの民有林で発生する間伐材を活用した木材製品の加工・販売、加工後の端材を燃料とするバイオマス発電、発電の排熱を利用した農産物の温室栽培、間伐材で活性化した森林による二酸化炭素(CO2)吸収固定量の増加分のクレジット化などを実施する。
 今回完成した発電所は、木質バイオマス発電施設や燃料チップの乾燥・投入施設などで構成。発電容量は約45キロワットで、川場村が相互協力協定を結ぶ東京都世田谷区の一般家庭40世帯への送電を4月に開始した。
 同事業では、16年4月に間伐材を製材する製材加工施設、同11月に冬季のイチゴ栽培を行う農業温室が完成しており、森林の発電所の完成で一連の施設整備が完了した。発電時の排熱を温室の暖房に利用するための温水転換設備を本年度中に整備し、森林資源の循環システムが完成する。
 完成式では、ウッドビレジ川場の代表取締役を務める川場村の外山京太郎村長が「この木材コンビナート事業で、これまでコスト面から捨てられていた間伐材を価値あるものにし、村の振興と地方創生につなげていく」とあいさつ。外山村長と 保坂展人世田谷区長、清水建設の波岡滋専務執行役員らがテープカットし、発電所の完成を祝った。
 ウッドビレジ川場の取締役でもある清水建設の栗田弘幸執行役員自然共生事業推進室長は「発電所の完成で、川場村と世田谷区とのエネルギーの地域連携が始まるとともに、森林資源の循環型事業が回り始める。今後は循環型地方再生プロジェクトのモデルとしてこのプロジェクトを全国に発信していきたい」と話し、他の自治体でも農林水産業を活用した地域おこしを模索していく考えを示した。

清水建設ら/群馬県川場村の木質バイオマス発電施設完成/地域資源で地場産業創出

《日刊建設工業新聞》

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